そして父になる

都心の高級マンションに住む大企業に勤めるサラリーマン家庭と地方都市で小さな電気店を営む家庭。
ひとつだけあった接点が同じ病院で子供を産んだこと。その病院で子供を取り違えられたことが６年経って発覚するところから物語が始まります。

血のつながりか、共に過ごした時間か。
取り違えが起きたときほとんどの場合血のつながった本当の父母の元に子供を戻すという病院の説明がありました。

あくまで映画を観ただけの第三者の意見としては共に過ごした時間を優先するのではないかと思いました。正解などない問題だとは思いますが・・・。
二組の家族が子供を交えてファストフード店で顔を合わせる場面。
リリーフランキーが演じる父親とその息子・琉晴の飲み終えたストローに咬んだ跡が残っているところが一番印象に残っています。

この映画の主人公は福山雅治が演じる野々宮良多。
家族を省みず仕事優先の生活を送っています。そうやって家族の生活を守っているんだという思いからでしょう。
しかし彼の気持ちに変化が現われます。映画のラスト、タイトルの「そして父になる」の「そして」という言葉に込められた意味が感じられました。