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(こんな人だとは思わなかった)
いと艶に、はづかしく、人見えにくげに、そばそばしきさまして、
(とても気取っていて、よそよそし風で)
物語このみ、よしめき、歌がちに、
(物語好きで、風流ぶって、何かというと歌を詠み)
人を人とも思はず、ねたげにみおとさむものとなむ、みな人々いひ思ひつつにくみしを、
(憎らしいほどに人を軽蔑するような人だと、皆が言うし、思ってもいました)
見るには、あやしきまでおいらかに、こと人かとなむおぼゆる
(会ってみると、不思議なくらいおっとりしていて、別人かしらと思われますわ)」
とぞ、みないいはべるに・・・・
宮の御前(中宮彰子)も、
「いとうちとけては見えじとなむ思ひしかど、ひとよりけにむつましうなりたるこそ」
(本当にうちとけては付き合えないだろうと思っていたのよ、でも、他の人よりずっと親しくなったのは不思議ね)
と、のたまはするをりをりはべり。
紫式部は、人からお高い人だと見られていたんだな(すでに『源氏物語』の作者であったので)と、
そして面倒にならないように賢く振る舞ってボケていたようです。
【写真】は[イチジク]
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