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その時、紫の上が体調すぐれず二條院に移っており、六條院は人がいませんでした。
柏木は小侍従に手引きさせ、女三宮の所に。
この小侍従はすでに亡くなっており、そこにいた[辨]が柏木の秘密を持っていました。
その辨がこの[老女房]でした。
〔「小侍従と辨と放ちて、また、知る人侍らじ。一言にても、また、他人(ことひと)に、うちまねび侍らず。・・・」〕
(小侍従と私を除いて、知っているものおりません。また、一言も他言したこともありません)
〔・・・黴(かび)くさきを、袋に縫ひいれたる、取りいでて、たてまつる〕
その中の手紙より
柏木〈命あらば それとも見まし 人知れぬ 岩根にとめし 松の生ひ末〉
・・・「侍従の君に」と上には書きつけたり
(もし私に命があったなら、我が子のそうとも知らず成長していく姿を見たいものだ)
(沈む陽が雲を照らして真っ白に空の青さににょっきりとして)居彷人
わずかの雨は朝のひとときだけでした。
【写真】は、にょっきり雲ではありません。
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