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〔都には又、
｢高倉宮（以仁王）、園城寺（をんじやうじ）へ入御の時、南都の大衆、同心して、あま（ッ）さへ御むかへに参る条、これも（ッ）て朝敵なり。されば南都をも三井寺をもせめらるべし｣
といふ程こそありけれ、奈良の大衆おびただしく蜂起す。〕
（解説から）清盛の福原遷都の意図に、南都勢力への対策が大きな意味をもっていたことは確かであろう。
還都の後の政略は、まずこれら寺院勢力を制圧することであった。
〔南都の狼藉をしづめんとて、備中国住人、妹尾太郎兼康・・五百余騎で南都へ
｢相構えて衆都は狼藉をいたすとも、汝等はいたすべからず。物具なせそ。弓箭な帯しそ｣〕
（大衆）〔兼康が余勢六十余人からめと（ッ）て、一々みな頸（くび）をき（って）て、猿沢の池のはたにぞかけならべたる。〕
〔入道相国大いにいか（ッ）て、
｢さらば南都せめよや｣とて・・・〕
（解説）頼政・以仁王の挙兵、福原遷都、源頼朝の挙兵、富士川の敗北、三井寺・南都の炎上と大事件が連続した治承四年が終り、
《巻第五》が終わりました。
（興福寺、訪ねてみればあの時の火災によると説明の文字）居彷人
【写真】樹の花（4/14長居公園で）
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