今年は富士山の世界遺産登録で、富士登山がクローズアップされていますので、昔のことを思い出しました。と言っても、1度しか登ったことはありませんが、1983年5月の連休中、丁度30年前でした。当時から山開き後の夏の富士山は大勢の登山者があり、場合によっては行列で登るという状態は現在と同じでした。富士山に1度は登ってみたかったのですが、混雑は嫌だし、夏の富士は砂礫だけという印象もあったので、5月の連休にしました。それまで、5月の連休の槍ヶ岳や甲斐駒、仙丈に単独の経験はありましたので、富士山特有の突風には注意すれば大丈夫と。それでも慎重を期して、5合目佐藤小屋に泊まって往復という計画でした。
1日目の午後、富士吉田からスバルライン5合目までのバスの混雑はしていなかったと思います。この日は天気が良くなく、5合目に近づくと残雪も見えるようになりましたが、あまり人のいない静かな5合目から佐藤小屋へ。小屋は素泊りで、宿泊者は皆な単独で4人ほど。
2日目の朝、天候は晴れては来ましたが、風が強い。佐藤小屋の親爺さんも「上のほうは風が凄そうだ」さらに、「富士は登るばっかりじゃないよ。大沢崩れの様子を見に行ってみようと思っていたんで、今日行ってみようと思うんだ。良かったら一緒にいくか?こういう日はその方がいいぜ」と言ってくれたので、宿泊者全員「お願いします」と計画変更。スバルライン終点方面へ戻り、お中道へ。時々、残雪の上を横切りながら、標高2300〜2400mを富士山3分の1周くらいでしょうか。下界は晴れてよく見え、時折見える山頂方面は雪煙が上がっていた。大沢崩れはなだらかな富士山の印象からは想像できない荒々しい姿でした。
3日目はまだ風は少し強いが天候はOK、前日一緒に歩いた4人は脚が揃っていそうなので、一緒に登ることになりました。最初は雪が時々出てくる夏道を、多くの小屋の前など通りながら登っていく。7合目あたりからだと思うがアイゼンを着け、ピッケルも用意して、雪の上を登っていくことになる。最後の急斜面はかなりきついが雪面はそれ程硬くはなく、吉田口頂上へ到着。山頂はこの時期さすがに凍り付いていますが注意して歩行。この時期の雪上の下りはらくらくです。滑落に注意しながら、斜度によってはグリセードで、5合目まで1時間半はかからなかったと思います。昼前には5合目に到着。この日の同行者の一人が、車で富士吉田駅まで送ってくれるというので、お願いしたら、ダート走行も趣味でスバルラインを通らず、SUVで林道をがんがん下ることになりました。結構厳しい道でした。
連休で日程の余裕があって停滞も考慮に入れていたので、富士山を楽しむことができました。30年前はGWの富士登山者は北アルプスより随分少なかった気がします。富士山の人気が過熱しそうですが、この夏はどうなるのでしょうか?また、特に積雪期は注意して登っていただきたいと思います。
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