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どこに登ろう？百名山では岩手山，早池峰山とかあるけど，いずれも私の脚力では時間的に無理なので盛岡市内からも近く，1時間程で登れる鞍掛山を選択した．宮沢賢治の詩集でその名が頭に残っていたのも選んだ理由の1つだ．
前日は盛岡市内，櫻山神社近くの「ハタゴ家」で日本酒と海の幸，山の幸を堪能したため，当日は午前8時過ぎにビジネスホテルを出る遅いスタートとなってしまった．
レンタカーを借りて，盛岡駅から40分ほどで登山口の相ノ沢キャンプ場に到着．ところが，途中コンビニに入り損なったのが失敗で，登山口にはトイレはあるが，自販機はなくあわてて5分ほど戻って山の湯前の自販機でドリンクを調達した．ようやく9:40に登山開始．
鞍掛山は小中学生の学校登山でもよく登られており，手軽に登れる山として市民に親しまれているということだ．西コースから登ったが，自然林に囲まれた整えられたなだらかな道が続いていた．これから夏を迎える季節に，多くの花も咲きつつあり，気持ちの良い時間を過ごすことができた．展望台を抜けていったん下り，渓流を渡る橋を越える．階段を登ると東コースとの合流点に差しかかった．ここからはずっと登っていくが，登山口から1時間と少しで頂上に到着した．
真正面にそびえ立つはずの岩手山は，上部が雲に隠れて半分だけその姿を見せてくれた．山頂は老若男女でいっぱいだったが，みんな心から頂上の気分と景色を楽しんでいるようだった．
東コースも新緑が美しく惜しむようにゆっくり下りて行った．下りきるとそこは牧草地で，放牧された牛を眺めながらキャンプ場へと向かっていった．登山口に戻ると11:40位で約2時間程の行程だった．
南に針路をとり，小岩井牧場で昼ごはんを食べた後，さらに南に下ってつなぎ温泉に到着した．
つなぎ温泉は源義家が馬を繋いで入浴したことに由来するという．多くの温泉旅館があるが，多くの宿が400〜1000円の料金で日帰り入浴可能とのことだ．
われわれは目についた「紫苑」という温泉旅館に入ったが，上限の1000円だった．風呂は広く客もまばらで，景色のいい露天風呂にゆったりと浸ることができた．
盛岡駅へとレンタカーを走らせながら，盛岡での3日間を振り返ってみる．駅から目の前には残雪を抱えた岩手山がそびえ立ち，さらに多くの秀麗な峰々が町を囲んでいる．昨日，一昨日と入ったお店の日本酒も肴もよかった．
今度はぜひ岩手山と早池峰山を登りにこの町を訪れたい．
老後に住みたい町がまた一つ増えてしまった．
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