子供のころは『幸せ』なんて考えたことはなかった。楽しいか楽しくないかでしかなかったように思うし、悲しいことや嫌なことがあっても不幸であるという思いは無かった。『幸不幸』という単語が頭に存在しなかったのだ。時代は戦後の高度成長で、何かやれば、たいてい上手くいく、現在の日本の状況からみれば夢のような、社会全体が希望に満ち溢れ浮かれていた。
『明日何して遊ぼうか』しか頭にない子供も思春期を迎えると、異性を意識したり、『生きているってなんだ』とか苦悩というものが生まれ、幸不幸という概念が頭に浮かぶようになってきたように思う。子供のままだったら、楽しいだけだったろうか？成長を止めるわけにはいかないし、とっちゃん坊やになっていたのも嫌だなと思う。しかし幸不幸のシーソーは、不幸の方に傾く人が多数派ではないだろうか。少なくとも私は悲観的だった。
三十歳後半から諸事情から、思うような登山に行けなくなった。しかも諸事情は年齢とともに多くなってきてしまっている。両親が入居した介護施設に毎週通うこと１０年を越したのも諸事情の一つだった。ほかの事情も絡み、正直『しんどい、もう勘弁してよ、なんて不幸せなのだ』と思うこともあったが通った。事情は変わらない、むしろ悪くなっているのに、繰り返し通っているうちに、気持ちの変化が起こった。例えば、知らなかった両親の子供の頃の話を聞いたときとか、認知症が進んでしまった母が笑ったとか、ほんの些細なことで『今日はよかった』と思えるようになった。自動車を運転中に『今日は晴れでよかった』、帰りに『今週も会いに行けてよかった』と思うようになった。不幸せという思いが徐々に薄れていった。これって幸せなんじゃないだろうかと思うようになった。
大人になり、歳とともに『楽しい』と浮かれることが少なくなってきた。少し寂しい気がするが、一日が平穏に過ごせただけで幸せだなと思うようになった。最近、楽しいと幸せは同じことではないと気が付いた。山登りは楽しいが、山登りは幸せではない。山登りができることが幸せだと思うようになった。この先、わたしの頭から幸不幸の概念が完全に消えたら、どんなに幸せかってことかもしれない。
★内容を再考して編集することもありますので、ご容赦ください。
こんばんは、
「幸せと言う字は、辛いと言う字の上のちょっぴりの点をとって十を書くと幸せと言う字になります。
十分辛くて初めて人は幸せになるんです。」
これは、中島みゆきさんの名言です。
おはようございます
コメントありがとうございます
中嶋みゆきさんの曲は大好きですが、この言葉は知りませんでした
彼女の名言を教えてくれてありがとうございます なるほどなと思います
十は充分（とてもとか 一杯とか）とすると辛いが多いところに幸が見つかる
『辛いこともちょっとしたことで幸いに変わる』 素直にいい言葉と思います
私ではないですが、点を取り̟十を付け足すなんて２回も手を加えるのは面倒じゃねーかと考えるひねくれ者には幸せは訪れないのではないでしょうか（笑）
同世代の私ですが、好きな山歩きが出来る、幸せだと感じてます。
17年間寝たきりの父を30年前に見送り、ネグレクトを受けた義母も認知となり見送りました、12年前の事です。
以降、平和で自由な日々が続いてます。
妻の両親も見送り、二人の子供達は成人して結婚し、今は孫が３人、近くに住んでいるので、しょっちゅう我が家に来ては大騒動です。
普通の日常であることが本当に幸せだと感じてます。
妻には大感謝です。
Swan-songさんの中島みゆきさんの名言、沁みますね。
yasuji‐さん eryさん こんばんは
この名言は、「中島みゆきオールナイトニッポン」の最終回（昭和62年3月31日）で放送された名言です。
音源があります。
もしよかったら、どうぞ聞いてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=o7lnte9F2ao
（30分45秒あたりから）
ery100さん はじめまして
コメントありがとうございます
自由で平和な日々、これ以上の幸せはありませんね
私はまだまだ坂道の途中なのですが、何事にも感謝して日々淡々と生活していると平和な心にもなれるような気がします
私にも２人の孫がおりますが幼子です
後何年かしたら孫たちを連れて山登りをするのが目下の夢になっています
中島みゆきさんの曲は弱い者に寄り添うような優しさを感じます いいですね
Swan-songさん
ありがとうございました。貴重な録音、拝聴しました。
中島みゆきさん、山歩きしながらｽﾋﾟｰｶｰでよく聴いてます。
彼女の独特の言葉・表現力には力がありますね。
ery100
Swan song さん こんばんわ
貴重なURLの紹介、ありがとうございます
ちょっと長いので、ゆっくりした時に聞いてみます
『白鳥の唄が聞こえる』の詩は、私には悲しく少し難しいです
同じころに発表されたと思いますが、庄司薫の小説『白鳥の歌なんか聞こえない』も私には、何か難しかったです
これら白鳥の歌と小説を深く理解ができるよう挑戦してみます
Swan songさん おはようございます
中島みゆきさんの言葉を拝聴しました
寝床で聞く深夜ラジオは数十年ぶりで、夜中に一人孤独に浸りこの夜の下に皆が一緒なんだなどと感慨に耽っていたらいつの間にか寝てしまい肝心の金言を聞き逃してしまいました これまでの歌唱している彼女のイメージからは想像できないトークで驚きました
それで今朝、示してくれていた時間に合わせ聞きました
みゆきさんの番組最後のメッセージだったんですね みゆきさん、最高です
昨日の返信に訂正があります
『白鳥の歌なんて聞こえない』はラジオトークの１０年くらい昔に発表された小説でした。素直に読めない私には同小説の次の１節がどうも引っかかっています
「ラブレターをもらった薫くんとかけて、なんととく」
「・・・・・・？」
「大飢饉ととく」
「え？」
「アワくっても満足らしい」
・・・・・
この日記を読んだハイジが指摘するところでは
『ヤマレコの日記で戯言を書けるのってことは、あんたが幸せってことだよ』
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