平成２９年８月２４日、南アルプス・鋸岳の戸台河原登山口に向かう途中でアクシデントが起きました。諏訪ICから杖突峠を越えて行くつもりが、間違えて諏訪南ICで高速道路を降り、ナビでルート検索し、推奨ルートの通り進行しました。後日調べて分かったことですが、金沢林道を柴平峠に向かっていました。柴平峠は十字路となっていて、右折すれば千代田湖経由で本来のルートに合流したはずですが、十字路を直進（南方面）しました。次第に林道の凹凸が激しくなり道路幅も車すれすれ、側面は伸び放題の草木を擦りながら進む処もありました。２Ｗ普通車で林道を走った経験が結構あったので甘く見ていたと反省しています。かなり走った処で、幅広で４０〜５０ｍほど続くドロドロの泥濘となっている処が出てきて、抜けられるか躊躇しました。
だいぶ走ってきたので引き返すと遅くなる焦りから、慎重に進むことにしました。最初から小さなスタッグがあり、そこで引き返せばよかったのですが、無理に進んだことは大失敗でした。１５ｍほど進んだところで、前に進むも後に戻ることもできない状態になってしまいました。午前８時頃のこと。何とか進もうと、付近の太い枯れ木を集めて敷き詰めたりして、何度か試みましたが動きませんでした。田んぼの泥濘のように足が抜けなくなるほどの凄い泥濘でした。『困った時の保険屋だ』と携帯から電話をするも通じず、３００ｍ程歩いた開けた処からやっと保険会社に通じるも『スタッグは契約外です』とつれない返事が返ってきました。そこへ、平日のこんな山奥の道なんて誰も来ないだろうと思っていましたが、天の助けかオフロードバイクで林道ツーリングの２人のライダーが通り掛かりました。車に詳しいようで、あれこれと、押したり引いたりと、とても親切に手助けしてくれたのですが、タイヤが空転するだけの酷いスタックで車は動きませんでした。JAFを呼んだ方が良いとアドバイスを受け、私の携帯電話番号をメモして『僕らは街に出たら、ガソリンスタンドか交番に救助依頼しますから』と別れました。時刻は12時になっていました。
当方は３人で、自閉症と重度知的障害を重複しているメンバーがいるので、彼がアクシデントでパニックを起こすのがとても心配でした。谷側に車が落ちる可能性もあったので、車から降ろそうとしたのですが、頑として車内から動きませんでした。
それからやっとJAFに連絡が取れたのですが、混んでいて4時間後の16時頃になるとのことでした。もう、気力も失せJAFが来て抜け出せたら今日は家に戻ろうと考えていました。そんな気持ちになっていたところに、またまた天の助けか救世主か、軽四輪ジープが登場してきました。このジープには見るからに品格のある中高年のご夫婦が乗っていました。わざわざご主人が降りてきて親切にも『牽引しましょう』と、初めて使うという牽引ワイヤーを繋いで引いてくれました。この方たちも住所も名前も教えてくれず、代わりに『もし、あなたたちが、困っている人に出合ったら助けてあげてください』とのこと。ご夫婦の品格に、ただただ脱帽でした。ありがとうございました。
その後、林道を戻り山行の続行を主張するメンバーに引きずられ、戸台へ急ぎました。その途中の林道で、反対方向からパトカーが来ました。バイクのお二人が警察に知らせてくれたとのこと。バイクのお二人にも、改めてありごうとうございました。JAFにキャンセルの電話をし、バイクの方たちに電話でご報告して、改めて感謝の気持ちを伝えました。『助けるって、親切にするって、とっても素敵でカッコイイ』と思います。もしこの私が今、人に親切にすることが自然にできているなら、この山行で4人の方々のカッコよさに出合えたことの賜物だと思います。
こんにちは、初めまして、長野県民です。
柴平峠・・・多分、入笠山の北側にある芝平峠のことでしょうか。
昨夏に入笠山に向けて、高遠付近からR152を外れて北上する未舗装林道を使って、この峠を通過して行きました。諏訪南から金沢林道を使って峠の十字路を南方面へ直進したのなら、方向は反対ですが、同じ道であろうと思います。
２WDで走り、長い道だったものの、そこまでひどいダートではなかったと記憶しているのですが、なるほど条件次第で厳しい道になるのだなと分かりました。
色々なご経験もされて、なおかつご無事で何よりでしたが、それにしても金沢林道が推奨ルートと示されるんですね。
近年は入笠山の車両規制がかかるようになり、結果、周辺のこうした林道を使わざるを得なくなってはいますが、ナビもどこまで信じてよいか考えさせられました。
atovさん はじめまして
コメントありがとうございます。
長野県にお住まいとのこと、魅力的な山が近くにあって最高ですね。
諏訪南から金沢林道で柴平峠（入笠山近く）に着き、その十字路を直進したのですが、少し行くと工事中で通行止めでした。その右手のに林道が迂回道路としてあったので進みました。しかし既に、山奥でナビ働かなくなっていましたのですが、南へ向かっているので勘で往けると判断しました。atovさんが通ったルートだったでしょうか。平成２９年の夏は日本列島全体で天候が安定せず、８月上旬は台風５号の影響、その後は低気圧や前線の発生で雨天が多く、記録的な豪雨になった地域もあったようです。本来なら夏山は７月下旬から８月上旬に行きたいところですが、伸ばしに伸ばしてやっと８月２４日早朝出発した次第でした。それまでの大量の雨が酷い泥濘を作っていたと思います。芝平峠から数km（１０km以内）位南下した辺りだったと思います。道幅２〜３mの林道が続いた後に、幅８〜１０m程に広くなり、平坦で50m以上長く続いていました。
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