左:赤岳山頂からみた峰の松目(左端。奥は蓼科山)
中:稜線上に見える峰の松目(正面の尖がり。赤岩の頭方面から)
右:峰の松目山頂(展望なし)
<山の情報と位置>
https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/ptinfo.php?ptid=2331
<本文>
山の名前には、なんでこんな名前になったのか、不思議に
思うものがある。
八ヶ岳の硫黄岳の西にある「峰の松目」もその一つ。
夏沢と北沢の間の稜線のピークで、なかなか存在感のある山だ。
主線ルートから外れていて、立ち寄る登山者は少ないが、
三角点がある標高2567mの立派な山である。
この山の名前。なぜこんな山名になったのか。考えれば
考えるほど、謎は深まる。
「松目の峰」でなく、なんで「峰の松目」なんだ?
「○○の峰」なら、よくあるが、なんでこんないい方を
するのか? そもそも「松目」ってなんなんだ?
おそらく、「峰の松目」に行ったことのない登山者でも
その名前を目にして、引っ掛かっている人も多いはず。
(あまり、いないか(笑))
昨年、峰の松目に登っているときも、山仲間とつねにこの
話題。当初の仮説は、赤岩の頭から伸びる長い稜線を、牛馬か
なにかに見立てて、「松目」に首や頭という意味があるのでは
ないかというもの。あるいは、先のとがった昔の農機具か
なにかを「松目」といったのではないか。
下山後、その山仲間に調べてもらったが、まったくわからな
かったとのこと。残念(>_<)
ならばと思い、個人でもいろいろ調べてみたが、広辞苑をはじめ、
あらゆる辞典に「松目」の掲載がない。ふ〜〜っ。だめか・・・
その後、解けない謎として、「峰の松目」問題はあり続けた。
眠れない日々が続く(ウソです)。
しかし、最近、ふとしたことからその謎に迫ることができた。
長野県人と会話しているときに、彼が使った言葉にその
手がかりが。
長野県人「それら、ちゃんとまつめた?」
私「えっ、なんていった? っていうか、今、『まつめ』っていった?」
この瞬間、「峰の松目」問題解決の歯車が動き出した!!
「まつめる」が長野の方言としてあったのだ。
調べてみると、「まつめる」とは、「面倒をみてまとめる」とある。
https://dictionary.goo.ne.jp/leaf/dialect/1283/m0u/
なるほど。となれば、「松目」は「まつめ」の当て字である可能性が
高い。「まつめ」は、「まつめる」の名詞、つまり「まとめた場所」
という意味ではないか!
早速、地図を広げてみる。八ヶ岳の信州の主要玄関口、美濃戸、夏沢から
伸びる三本の尾根が「峰の松目」に向かって集結しているではないか!!
いわば、「まつめ(松目)」が扇の要になっている!!
これだ! これに違いない!
「峰の松目」の「峰」とは、富士見方面からみたときの
三本の尾根(支線)を指し、それらの支線が集結している場所が
なにを隠そう「まつめ(松目)」。昔の富士見の人々にみえる
風景が、「峰の松目」と呼ばれるようになったのではないか。
本当の正解はわからない。たとえ、答えがこれでなくても、
一つの「峰の松目」問題の解法が見えたことに安堵(^_^.)
ああ、やっと今日から眠れる〜〜〜〜〜(完)。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました<m(__)m>
yama-ariさん、こんにちわ。
峰をまつめる。。。ありだと思います。
地名や山の由来を考えるは楽しいですね。
地元の人との会話から、さっと思いつくところは
流石だと思いました。
k-yamaneさん。コメントありがとうございます。
「峰をまつめる」ありですかね。私だけの説なので、
「あり」と言われると、心強いです。
山名を考えると古の人たちの想いに触れることができて
いるようで、楽しいですね。
yama-ariさん コンばんは
まー珍しいの〜調べるとは(嫌味)
いつもオッサン任せなお人がね〜(笑)
でも、良い仮説
考えましたね〜こういう考える時間が楽しいものです。
仮説は想像膨らみますから、この説も考えられるでしょう!
正はわからないものですワイ
しかし!んーんオッサンとは考え方が似ているようで
ちょいと違うな〜
オッサンの考えをちょこっと記載します。
松目に字に惑わさるが、八ヶ岳は本来
仏教に由来する名が多い 阿弥陀や権現など
ここで、峰の松目のみ方言?でまとめるのは如何なものかとオッサン見解
これは、オッサンの考えで正解ではありません。
あくまで仮説ずら
峰の「まつ」は松ではなく末ではないでしょうか
仏教には末法思想がありますので、
峰の末目=峰の終焉と考えます。
なので簡単にいうと、八ヶ岳の峰が終わりだよーという意味かな〜と考えます。
ついでにheinaiさんの日記に「にゅう」記載ありましたが、稲藁の形が似ているから=つんぼりが正
「乳」はその後の当て字だったと調べてわかりました。
heinaiさんスイマセンでした。
甲府に尻向けて眠っていません。
しかるに、松も当て字のような気がします。
最近「破風山」は風を破る位高いと勘違いオッサンでしたが、切妻屋根の端につける山型の板を「破風」といい、これから名付けられたと知ったオッサンより
Kazuhagiさん。やっぱり反論にきますよね〜〜
そうでなきゃ、Kazuhagiさんじゃない!!
せっかく、昨日から熟睡できるように
なったのに、眠れなくさせる作戦ですね(笑)
「末目」ですか。たしかに赤岳や横岳の
主線からながめると、終りという感じもします。
(やばい、流されやすい(笑))
でも、仏教用語に「末目」ってあるんでしょうか?
確かに、権現や阿弥陀などの仏教系が八ヶ岳に
多いですが、基本、2800m以上クラスの主峰に
使われていますね。
八ヶ岳の小物に対しては、古の人たちが、
下界からみた情景が強くでている名称が多いように
思います。西岳、牛首、三ッ頭など。いかかでしょう?
あと、ニュウって「乳岩」から来ているんじゃ
ないんですか?
heinaiさんの説は、説得力があったんで、
かなり使わせてもらっているんですが・・・
破風山は、説得力あります。勉強になります<m(__)m>
yama-ariさん コンばんは
納得してないようですな〜オッサン説
眠れない日が続くとは…冗談がオッサンに似てきたようで
追伸で1つ
20万〜25万年前古阿弥陀岳=中山が大噴火し南八ヶ岳が形成されました。
その後赤岳や硫黄岳も噴火するが当時は標高3,400mで日本一でした。
その頃古富士山(小富士じゃーんねーよ)は2,700m 知っているとは思いますが
現在の山梨県側の五合目がその名残 ちょこんと山の跡が残っておるワイ
その後1万年前に富士山が噴火し日本一が逆転 その間八ヶ岳が大崩落にあり。
富士山は女神 八ヶ岳は男神伝説のはじまりとなります。
あの伝説 富士山が怒って八ヶ岳を叩き低くした事思いだします。
因みに、赤岳は兄 蓼科山は妹(蓼科山方面北八ヶ岳は形成はもっと古い)
ここで yama-ariさん 地図を広げよーね〜
阿弥陀岳〜赤岳〜横岳〜硫黄岳〜峰の松目〜美濃戸中山〜阿弥陀岳を見てくだせー
まーるくなっておるじゃろー 火山の外輪山完成じゃー
初期の中山付近を中心とした火山跡の形跡大ari
ここで、末に当たる「峰の松目」が末になる訳で末説をオッサンは考えたずら
目はなーに?と yama-ariさんの声が聞こえるが仏教では例えば四十九日を
何日目というその目から来たのかな?と勝手に想像オッサン
これでどうずらか!適当な答えじゃーない事わかったかな?
また、牛首も件ですが
まー yama-ariさんともあろう方が知らない訳ないずら
オッサンを試しているな〜牛首は他にも黒金山近くにもあるし他多数存在してますからな〜
牛頭天王から来ていますね〜のちにスサノオ神に明治以降変化しますが(神仏分離)
全国の八坂神社絡みで山岳信仰もあり付けたのでしょう。
(稀に本当に牛首を埋めた場所との説もあり)
三ツ頭や西岳はオッサンは知らん
西にあるだけじゃーねーの(これは適当)
遠くから見て三つの頭があるからじゃーねーの(これも適当)
詳しくはregさんに聞いてね!
ナットウ箱の時ちゃんと調べているお方ですのでね〜
Kazuhagiさん。
お返事おそくなりました。
Kazuhagiさんの説は、おもしろいですが、個人的にはやっぱりなんかなあという感じです。
<俯瞰的に見るのは私たちの視点では?>
火山学・地質学的な見解は、あくまで現代的な視点であり、大昔の人が、そのことを踏まえて山名を決めるかなと思います。
地図を見るように俯瞰的に「ここが、火山の外輪山の端だね」とは、考えませんよね。あくまで、現在人の視点のような気がします。
大昔の人が俯瞰的に考えたとすれば、一つ。阿弥陀岳から峰の松目の外輪山が信仰参拝の有名なコースになっていたのであれば、地図的視点はありだと思います。
たとえば江戸時代の富士講の絵図にあるように。もし、その絵図をKazuhagiさんが発見して、その証拠となる「末目」表記があれば、すごいことになりますね。
ただ、外輪山参拝コースについても、すこしひっかります。阿弥陀岳、権現岳は信仰からその名前は来ていると私も思いますが、赤岳、横岳は、そうはなっていません。麓から見たままを山名に付けていますよね。
途中の存在感のある山々は、仏教用語から外れて命名され、小物の「峰の松目」だけ仏教用語で命名するというのも、もうすこし説明が必要な気がします。
むしろ、「それぞれの麓の集落からどう見えるのか」という山名命名によくある視点で見た方が、この場合もすんなりくるのではないでしょうか。八ヶ岳の牛首についても、同様で、牛頭天王ではなく、単に、麓からみた形状を語っている可能性もあると思いますよ。なにせ山名の馬牛関係は、多いですから。県界尾根からみた牛首山は、真教寺尾根が牛ノ背でその頭(首)にしか見えません。もし牛頭天王説を主張するなら、実際に牛首山の祠(あったかどうか記憶にありませんが)を確認するなどした方がいいと思います。
<なぜ、ここだけに「まつめ」なのか?>
もし、八ヶ岳信仰として、外輪山の端としての「末目」があったとすれば、なぜ、このエリアだけにその名前がつけられたんでしょうか?
もし仏教用語として当時重要であったなら、他の信仰の山に「末目」がつけられないのはなぜなんでしょう? 山名でなくても、「末目」を検索しても用語として何も出てこないのはなぜなんでしょう? これについては、Kazuhagiさんの独自の仮説による特殊仏教用語であること以上の説明がありません。
この問題を解決するのは、やはり麓の茅野・富士見エリアにそのヒントを見つけるのが一つの手のように思います。それが、方言なのか、地域信仰の何かなのか、地域独自の農機具なのか、わかりませんが。それなら、説明がつきますね。
私の説が正しいのかどうかわかりません。その判断はこの日記の読者に任せるしかないですね。私の説が違っていて、他の有力な説が出てくることも大歓迎です。ただ、「なぜ『峰の松目』という変な名前がここにだけについているのか」という最初の疑問に、個人的に納得できる説がほしいだけです。
今後は、机上の仮説の域から、新しい物証(エビデンス)を並べながら、その真偽の確認ができれば楽しくなると思います。
ちなみに、信州の方に聞いたところ、「まつめる」といういい方は、松本や伊那ではあまり使われなく、茅野・岡谷エリアで使われる方言ということが分かりました。この意味では、私の仮説を支持しますが、ただ「まつめ」という名詞は使わないともいっていました。それは私の説の弱い部分です。さらなる調査が必要ですね。
山の あな あな …
では なくって
山のあなたの空遠く
『幸(さいわい)』住むと人の言ふ
でも なくって…
峰の松目の空遠く〜 ♪
何度も ボケて すみません
私も 前から 気になっていましたが
yamaのariさんの説に 1票 ‼
賛成で〜す (^^)
T-timeさん。ご無沙汰しています。
清き一票、ありがとうございます<m(__)m>
Kazuhagi説に流されそうになったところ、
うれしい限りです。
例えば、西から見ると
多少、とんがっていて
松の芽 っていうか
松ぼっくり に 似ていたり…
しませんかね〜?
峰の上にある 松の芽 とか ….
T-timeさん。
ノーコメントとさせていただきます<m(__)m>
私もちょっと調べてみました。
1756年「すわかのこ」(江戸時代の諏訪の「るるぶ」?)によると、その当時、八ヶ岳の峰々の名前は、「八簡山、八岐山 地蔵ケ岳、虚空蔵ケ岳磨磐山共云、擬宝珠ケ岳、薬師岳、権現岳、阿弥陀ケ岳、編笠ケ岳、中ニモ至リテ高シ斎河原ケ岳」と案内されているようです。
赤岳という名前は1788年に赤岳開山した修行者がつけたらしい。
このように、登ってから名前をつけた例というのは珍しいのだとか。
で、この赤岳登山道ができたのを皮切りに登山者が増え、硫黄岳、横岳などという名前が定着しはじめたのだそうです。1756年にはそんな名前はなかったのに。
と、考えてみると「峰の松目」の由来が八ヶ岳の地形を踏まえての、上空から俯瞰した形or実際に歩いてみて感じた上での、峰の末であるという、kazuhagiさん説もあり得ますね。
ただ、後からつけられた名前の方が仏教色が消えている名前が多いため、ちょっと末法思想と結び付けるのは苦しいかもです。赤岳以前に「峰の末目」という名がついていたとも考えにくいですし。
一方、「まつめ」単体で調べてみたら、山梨、長野の方言で「まとめる、あつめる」の名詞形で使われているという話が出てきました。「峰のまつめ(纏め)」のyama-ari説は、結構、無理がないと思います。
調べてみたら、もうひとつ「峰で待つ女」→「峰の待つ女(め)」→峰の松目という説がありました。女人禁制だった時代に、峰の松目までは女性でも登れたから、ここで待っているという意味でつけたそう。これは、ヤマケイアルペンガイドの説だそうですが、ちょっと無理があると思います。なんだか、突然すぎます。
ちなみに、深田久弥先生の日本百名山では、「西岳、編笠、権現、赤岳、阿弥陀、横岳、硫黄、峰の松目」の8つを「詮索好きな人のために」八ヶ岳として挙げていますね。最後に書いているということから、やっぱり末目?それとも、まつめ(纏め)?
現時点でのregの結論としては、yama-ari説>kazuhagi説>ヤマケイ説 です。
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