マタギに学ぶ登山技術2

マタギの人が実践する「がに股歩き」は、股を開いて体を左右に揺らしながら歩く、
右に体が揺れたら右足で体を支え、左に体が揺れたら左足で体を支えるという具合に
コメントを下さったyoneyamaさんも指摘されておられた、まさになんば歩きではないでしょうか❗江戸時代にお伊勢参りなどの長距離を歩くさいには、当時の日本人は疲れにくい歩き方として、なんば歩きをしていたと言われてたように思います。
マタギは疲労やバテを避けるため早め早めの休憩を取り、次の行動のエネルギーにする。（水分補給と行動食を摂る）
冬の山で「樹林帯を歩いているとき、銃声のようなパーンという音が聞こえたら
即刻登山は中止した方が良い。コダマといって木の幹が割れる音、これは凄い寒気団がやってきている証拠で、木の幹が凍って次々に割れるため起こる音。」

4,マタギの七つ道具
ナガサ 薮を払ったり薪をつくるナタや包丁にもなる、万能ナイフ
マッチ 薪に火をつけるためのもの
農業用ビニール ビニールハウス用のものを縦2m横3mにカットして体に巻き付けて
一夜を過ごすテント代わり。
飯盒 ご飯を炊き、湯を沸かす。蓋はコップ代わり。
ロープ 約6mmのロープを5mほど
長靴 登山靴よりも山自体にローインパクト
お握り3個 行動食

5, 美味しい水の選び方
原生林の中を流れている水で、ブナ林の中を流れている水がコクがあって旨い。
岩場から出ている水は淡白でマズイ。
飲まない方がいい水は、造林地が近くにある沢や川の水でこれは、植林をした後に
除草剤を散布した恐れがあるから。

6,マタギ流ビバーク術
ビニールハウス用のビニール（2mx3m）を体に巻き付ける。寝る場所選びは、
風当たりが弱い灌木帯が良く、沢からはなるべく離れた所にする。また
周りに急な斜面があるような場所は避ける。
場所が決まったら、クッション代わりにチシマザサを地面に敷く、チシマザサ
だけでは少し固いのでブナの葉やフキの葉などを敷くと固さが軽減される。
チシマザサなどの植物を多めに集めておくと、寒い時に掛け布団代わりになる。
掛ける時はチシマザサの方向を同じにしないで、上下を逆にしたりして掛ける。
そうすると、寝返りを打ってもずれにくくなる。又急に雨が降りだしり霜が降り
てもダメージが少ない。
7,マタギ流観天望気（経験から生まれた役立つ天気予報）
熊が道を横切るとやがて天気が崩れる。
クマゲラのドラミングが近くはっきり聞こえると雨が近い。
夜行性動物が日中に歩いていると天気が崩れる。（タヌキ、イタチ、ウサギ等）
山が近くに見えると半日か一日後に雨が降り、逆に遠くに見えると晴れる。
山鳴りがすると天気が崩れる。
風が止んだら雨。（谷などで風がピタリと止んだら雨が降ると思った方がいい。）

まだまだマタギの知恵が載っていましたが、概ねこのような事が書かれおり面白く
読んでました。
自分にとって山登りはあくまでも趣味であり一つの楽しみですが、マタギの人や
山に関わる職業（林業等）の人にとって山は生活の一環であり、そこから得る物
が欠かせない大切な場所でも有るわけです。
その事に本を読みながらふと気づかさられました。ある意味登山の技術的な事も
習得は必要ですが、その前に自身が自然の中に生かされいる一個の人間であると
考え、山や自然の動植物に対する畏敬の念を持つ事も大事なのではと感じました。
単独行による山登りをするが故に山に関する知識や技術と共にこういった思いが
あれば、より安全性を高め楽しめる山登りができるのだろうと感じています。
長々と書き綴り誠に失礼いたしました。