滑落事故で命を落とした者の娘です。
公にするのはおかしいのか悩みましたが、父と同じように山を好きな方が、同じように命を落とす事がないようにと思い、記したいと思いました。
父は20歳の頃から登山をしています。
装備、心構え、身体作り、体力、経験、全て問題なくありました。
今回もいつものように登山に向かったのだと思います。
体力、経験、技術を過信して進んだのではなく、危険な山だと分かっていても登りきる覚悟があってだったと思います。
私も子供の頃に父と登山をした事がありますが、道なき道を登らされたおかげで、山を嫌いになりました。
ですが、山を愛する者にしか分からない、山の魅力や楽しみがある事は伝わっていました。
山を愛し、山を恋人とし、山と生きる事を望む父でした。
山で死ぬ事を本望としていた父でした。
不幸中の幸いなのか、落ちる瞬間を見た方がいたので、落ちてからの発見と引き上げが早く行われました。
昨日、遺体と対面してきましたが、キレイな顔でした。
あれだけの所から落ちたのに、あれだけキレイな顔でいれたのは奇跡かもしれません。
いつもの父の顔でした。
本望通りに最期を迎える事が出来たのは、ある意味では幸せだったのかもしれません。
病気で管に繋がれて最期を迎えるのは父の本望ではなかったはずです。
仮に助かっていたとしても、体の自由がなくなり生きていく事は、父には生き地獄だったのかもしれません。
提出していた登山計画とは違うルートで急遽登ったとの事なので、きっと山に呼ばれたんだろうね、と、家族は言っています。
今年のゴールデンウィークは同じように命を落とされた方が多くいらっしゃいました。
遺族の方々は自分と同じく、なんとも言えない気持ちなのではないかと思います。
このような事故があっても、これからも山を愛する登山者のかたは登山を続けられると思いますし、山に呼ばれると思います。
打ち込める事を楽しんでほしいと思いますが、ニュースになっている事は決して他人事ではなく自分の身に起こりうる事、死が隣り合わせだという事、自然の偉大さは計りしれない事、自然の広大さの前では人は時に無力である事、予想だにしない事がある事、頭に常に入れていてほしいと思います。
私も他人事だと思っていました。
根拠はありませんが、父は絶対に大丈夫だと思っていました。
正直、遺体と対面しても実感もいまだになく、受け入れられていないです。
山に呼ばれても、私や家族の声に振り返ってほしかったです。
いつかこんな日がくるとしても、それが今ではありませんでした。
この日記を読まれた方の中に、不謹慎だと思う方もいるかもしれませんが、自分の身に突然起こりえた事をどうしても知ってほしいと思いました。
山で遭難すると捜索費用も相当になるようですが、金銭的な事よりも、突然の死はあまりにもダメージが大きいです。
登山者の皆様には、くれぐれも気をつけて登山を続けてほしいと思います。
山の声だけではなく、家族の声にも耳を傾けてほしいと思います。
そして山を愛する登山者の皆様に、山の神様のご加護がある事を心から願います。
お父さんがお亡くなりになったことはお気の毒ですが、
お書きになった事で少し考えが違ってますので書かせてもらいます、
>山で死ぬ事を本望としていた父でした。
反論するつもりはありませんが絶対この考えは間違っていますよ、
いかなる時でも絶対に山では死んではいけないと思いますよ、
当時の私は体調が悪くその時の合宿には不参加でしたが
不幸にも私達の山岳会で冬の山で撤退中に大勢の人が雪崩で亡くなりましたが、
その中にお隣りの奥さんの弟さんがいて、
捜索にも行けず遭難を伝えたその晩には夜通し泣き声が聞こえていました、
皆は技術的にも体力もありましたが真逆の事故でしたが、
家族のことを考えるとやはり絶対に山での事故はいけないと思いますよ、
勇気ある発言に感謝いたします。
登山する者は、自分の行動には自己責任。お父様も承知
のこと。レスキューの手を煩わすなんて誰もが思い描か
ないことです。山で死んでもいい、とは言いますが続き
があります。
「山で死んでもいいほど山が好き。わたしは絶対に死な
ない」これは、ベテランさんの間違いない想いです。
わたしも死んでもいいほど山が好きです。それでも家族
と山は比べられません。わたしもムチャします。でも、
それには自分なりの勝算あってのこと。
つらいでしょうがはっきりと言います。
お父様の最後の想いは・・「しまった!」です。
でも、山屋は絶対にお父様を責めません。
「よく・・本当によく頑張った!ご苦労様」
すべての山屋を代表する言葉であると信じます。
>提出していた登山計画とは違うルートで急遽登ったとの事
残念ですが、チャレンジだったんでしょうか・・でも、
絶対の自信はあったと思われます。この時期の宝剣はソ
ロでは・・(文面からソロだと思ってます)
>山で遭難すると捜索費用も相当になるようですが、金銭的な事よりも
誠に失礼ですが現実的なお話をします。わたしは車の事
故処理を仕事の一部としております。
よくあること。お父様がベテランなら、なおさら山岳事
故保険に加入されていると思います。わたしも還暦すぎ
て体力の衰えを自覚すると今まで入ってない山岳事故の
保険に加入しました、いま一度、お調べください。
お父様のご冥福をお祈りいたします。
時間の経過が、夫々の思索を深くすると思います。
各々、静かに受け止めましょう。
日記を書いていただいたことに感謝いたします。
この日記をどう受け止めるかは個々人の問題だと
思いますが、私はしっかり受け止めさせて
いただきました。
お父上のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
当日、仲間3人でスキーをしてました。私が知り得る状況だけ記載します。
千畳敷を訪れる人の90%は観光で、ロープウェイを降りて景色を眺める方がほとんど。
残り8%が登山、2%がスキー・スノーボードでした。
5日は快晴無風で、この標高では珍しいくらい良いコンディションでした。
滑落された13:20、登山の人はほとんど下山してました。たぶん残っていたのは8名以下でしょう。このエリア全体なので相当少ないです。
私達は宝剣岳近くの前岳から滑走中でした。すぐ近くで起きた事故に気付きませんでした。この時もほぼ無風。
天候が良くても、転べば単なる怪我では済まないエリアなので相当慎重になりました。それでもヒヤリとする場面はありました。
私も横浜から向かったので、同じ所から亡くなられた方がいて驚きました。途中、会話した方かも知れません。
個人的な感想は書かずに、あえて状況だけ伝えたいと思い記載しました。
mananonさん はじめまして
ヤマレコを利用させてもらっているInoと申します。
お父様をなくされた日記を読ませていただきました。
お父様を亡くされた大変な状況の中で日記を(思いを)公表されたmananonさんの心中を思いながら読ませていただきました。
私は53歳で父は80歳過ぎで、二人とも山登りをしています。父は今年3月に新潟県柏崎市の米山(933m)に単独で登り、緩んだ雪に足を取られ、足首を骨折しました。なんとか自力で下山しましたが、実家の母はとても心配していました。私も電話しましたが、「もう雪のある時は山に行かない。」と父は言っていました。
私も父に電話をして、「もう年なんだから・・・」と言いましたが、心の中の半分くらいでは、「足が治ったらまた好きなことをしなさいよ。」と思っていました。(mananonさんのお父様とは次元が違う山歩きだと思いますが)
この年(53歳)になると、自分のこれからの人生のこととか、自分の親のことなどいろいろ考えます。きっと、健康に気を付けて、長生きをして・・・という考え方が正しくて大多数だと思いますし、いろんなリスクを回避する方が無難だと思いますが(決して山で不幸にして命を落とすことを美化して肯定しているわけではありませんが)、でも、自分がこうしたいと思う人生(山登りでも、仕事でも、毎日の生活でも)を送りたいという気持ちがあります。
mananonさんの日記の趣旨に合わないようなコメントになって申し訳ありませんが、長い時間が過ぎて、mananonさんの心が安らがれて、素敵なお父様の姿がいつまでもmananonさんの心に残られることを願っています。
froom Ino
ご冥福をお祈りいたします。
コメントを書いてくれたま皆様、読んでくれた皆様、ありがとうございました。
色々な意見や感想があると思いますが、きっと言葉を飲み込んでくれた方もいるのではないかと思います。
父は勇敢でもあり、無謀でもあり、チャレンジャーでもありました。
とても父らしく、それが父でした。
ただし、決して安易な気持ちで山を登ってはいませんでしたし、やはり常に覚悟をしていたと思います。
お通夜が終わっても、まだ実感もなく、心に穴が開いたような感じです。
でも、生きているのですし、生きていくのですし、見守ってくれているであろう父が心配しないよう、少しずつ前に進みたいと思います。
中央アルプスのある山にあった遭難碑に、
「勇み立ちて 登りし山の懐に 抱かれて眠れ 安らかに」
と書いてあったのを思い出しました。
安易な慰めの言葉も持ちませんが、心からお悔やみ申し上げます。
mananonさんコンバンワです。
お父様を災難でなくされた事、心よりご冥福を申し上げます。
そして貴方様や関係するご家族の方々の心が、早く休まる事をお祈り申し上げます。
人によりますが、突然の災難は正直かなり長く尾を引く場合が有ります。それを変に振り払わず素直に受け止め、気長に付き合う感じと申しますか・・・・・、付き合い方がなれると徐々に心が休まって来るかと思います。
不思議なもので、自分は逆に山を始めるきっかけとなりました。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する