それらが朽ちていくのを惜しんだ著者・浅井紀子さんの取材、山岳写真家の三宅岳さんが撮り続けた記録写真とを丁寧に編んだ一冊。版元も最後に「あとがき」を寄せるほど、関わったみんなが大切に思い創った「道しるべ」の記録。
著者は「多くの方が訪れて、歩き続けることがこのルートをこれからも守り続けてゆく力になることでしょう」と語る。私もあの懐かしい山稜と、思いの込められた手作り道標と共に歩いた、思わず顔のほころんだかつての山行を思い出し、また久しぶりに訪ねてみたいと思った。
『道しるべに会いに行く 丹沢・不老山周辺の岩田澗泉さんの道標』
浅井紀子 著、三宅岳 写真(風人社 2020年9月26日初版)1600円+税
yamano-eさん、はじめまして。ご紹介いただいた「道しるべに会いに行く」を書いた浅井紀子です。本を読んでいただいてありがとうございます。
この本は、道しるべに会ったことがあり、懐かしく思い出してくれる方がきっといると思って出版しました。また、この道しるべを知らなかった方が、今ならまだ少し道しるべが残っているこのルートを歩いてみようと思ってくれたら嬉しいと思いました。この本では、道しるべをめぐるトラブルにはほとんど触れていませんが、実際には何があったのだろうか、と興味を持って下さればいいなという思いもあります。
共著者として写真を提供してくださった三宅岳さんを始めとして、ブログやHPの写真をお借りした方々が、面識もない私からのお願いに快く協力してくださったおかげで、この本ができました。不思議な魅力をお持ちの岩田さんのマジックのような気がしています。出版に向けて作業をするうちに、次々と頼もしい協力者が増えて行き、お付きのものに励まされている桃太郎のような気分でした。
おっしゃる通り、岩田さんには熱烈なファンもいれば、敵もいたのだと思います。しかし、山を愛する気持ちや、ハイカーに喜んでもらいたいという気持ちは、まっすぐで誰にも負けない強いものがあったことが伝わります。
この11月で岩田さんが亡くなられて3年です。道しるべはやがて、朽ちて行くと思いますが、豊かな自然がこれからもずっと守られていくように、多くの方が歩き続けてくれることを願っています。
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