一昔前(20年以上)はまだ、山岳地域のほとんどが圏外になり
通話がほとんどできませんでした。
いちはやく山岳地域での電波環境を調査して改善に取り組まれていた
のはNTT DOCOMOさんで、20年以上前から
各山岳地域の関係者、山岳ガイド、山岳会に依頼され、登山道での
電波状況をくまなく調査され、徐々に改善されてきました。
いまでは、見通しの良い尾根上や山頂、山小屋でもずいぶん電波が
届くようになってきています。
さて、我々GACT 山岳遭難救助捜索隊は、山で行方不明になり
警察消防でもなかなか発見できない遭難者をご家族からのご依頼で
捜索活動を行っています。
捜索活動では、とにかく情報収集がカギとなります。
登山届の有無
登山口周辺での目撃情報
登山道や山頂での目撃情報
持ち物装備品の内容
携帯電話の通信記録
携帯アプリの軌跡
高速インターやコンビニの防犯カメラの映像
趣味趣向
服装
年齢
入山の目的
登山道などの足跡
落とし物など遺留品
動物の足跡
何かの痕跡
などなど、ご家族や警察にもご協力いただいてできる限りの情報を
収集して、捜索ポイントを絞り込む作業を徹底的に行います。
情報収集に左右される一つがお使いの携帯電話のキャリアだったりします。
山岳地域でも電波環境が良いのは NTT ドコモです。
(エリアによってですが、)
その次はKDDI、ソフトバンク、楽天などに続きますが
遭難者を捜すうえで、警察を通じて携帯のキャリアに電波での位置情報などを
問い合わせする場合があるのですが、各キャリアによって開示される情報が少し違います。
DOCOMOの場合
照会をかけた日のその時刻に通信圏内であれば、通信しているアンテナの位置から得られる
情報を開示されます。
照会した時点が圏外であれば、位置情報は全く分かりません。
ソフトバンクも同じです。
KDDI auの場合は違います。
auの場合、現在通話圏内であればそのアンテナの位置関係で得られる位置情報が開示されます。
(2021年5月現在)
違うのはここなのですが
現在通話圏外の場合は、最後の通信が何日の何時何分にこの位置のアンテナで通信したという
最終通信記録からそのアンテナの位置が開示されています。
これは非常に大きな違いで、現在圏外でも、その前の通過した場所と時間を特定することができるのです。
例えば、午後13時50分に登山口から山頂の中腹付近で通信して、その後圏外となった場合
下山途中にアクシデントがあった。
と予測されます。
それが、午前9時だとしたら、登りや山頂からの下山ルート間違いなども可能性があり
捜索範囲は広がります。
電話状況が良いのはDOCOMOですが、auだと遭難後の捜索範囲絞り込みに
有効であったり、各キャリアによっても若干捜索時の対応が変わります。
でも一番ベストなのは、ヤマレコで登山開始ボタンを押して
今ここアプリでご家族と位置情報の共有機能を使うことです。
スマホの通信が必要ですので、電池の消耗を考えると予備バッテリーなど
電源対策は必要ですが、飛行機モードにしないこと。
山で行方不明になり長期間発見されない事態に陥らないためにも
登山中は、自分の位置状況をご家族や外部に知らせる手段を考えて登山をお楽しみください。
あとひとつ、ココヘリも忘れずに!!
ココヘリ入会申し込み【ヤマレコ専用プラン】
https://hitococo.com/form/cocoheli_yamareco
山岳遭難捜索救助隊 GACT
http://www.northernalps.jp
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