また出遅れて、到着は1時を過ぎてしまった。体を伸ばしに車を降りて上を見上げると、満天の星空だった。水蒸気が多いと思われるけれど澄んだ空に、暗い星たちもゆっくりと瞬いていた。駐車場には、車4台、うちテント1張り。
そうそうシュラフに潜り込むが、眠られず窓越しの星を眺める・・・と藪の方で白い光がピカピカする。早出の方のヘッドランプかと思ったが、蛍だった。たくさん居るのかと目を凝らしてみたけれど、一匹だけだった。
眠ったか眠らずかウトウトするうちに3時半。空がすこし白み始めていた。0435 出発。林道歩きですでに足が重い。さっそく一人、先に行かれた。あっという間に見えなくなる。ちょっとペースをあげてみると、すぐに心拍が上がってくるのがわかる。
「だめかもしれないな」と思う。登山道に入り、下のコルにつくと、太陽が木々の間に差し込んでいて、身体は重いけれど、爽やかな朝だった。上のコルの手前で、降りてきた小屋のおじさんとすれ違い。この辺りで、100歩数えては小休止状態。足が上がらない。心臓バクバク。
ちょっとした広場のちょうどよい岩で休んでいると、おじさんがサクサクあがってくる。「上の水場」までは行こう。と歩き出す。記憶では、「ここを曲がれば」のはずが、何度も裏切られる。ようやくついた、上の水場で朝ごはん。帰ろうか思案して「小屋まで行こう」と歩き出す。
食事をしたら体も目が覚めて調子よくなることを少し期待したけれど、相変わらず。福栃の登りは、さらにキツカッタ。崩壊地を曲がればトラバース。そればかり考えてジグザグを登る。ようやく崩壊地に出るが、トラバースまでは、まだまだ登りがあって、これも記憶の勝手な良心的解釈。南駒の稜線がいつの間にかガスっている。
もう頂上はあきらめて、「福栃山」に行ってみるかと、薄い踏み跡をたどり藪をこぐ。福栃の山頂まであと50mくらいのところで、晴れてきた稜線が目に入り「やっぱり行こう」と引き返えしにかかる。小屋をすぎ、あと300m。目標2時間12時につけばいいやと、エベレストのアタック隊みたいな超スローペースで、最後まで頑張ろうとやっつけにかかったけれど・・・・力尽きて降りることにする。
福栃の下りで、途中抜かれたおじさんが降りてくる。
上の水場で、林道で先にいかれたおにいさん。南駒からの周回。
上のコルで、上がってきた小屋のおじさん。
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