ノーベル文学賞は、米女性詩人ルイーズ・グリュック氏に与えられました。「飾り気なき美しさによって個人の存在を普遍化する、まごうことなき詩的な声」とスウェーデン・アカデミーは同氏の作品を評価したそうです。女史の名は初めて知りましたが、作品はまだ邦訳されていないそうですので、今後お目にかかれたら幸いです。
ところで標題作は、村上春樹氏が40年くらい前に翻訳を始めたときに、翻訳の腕が上がってから訳してみたいと、大事に金庫に保管し、一番最後までとっておいた翻訳作品、ということです。新潮社発行、二段組約400頁、どちらかと云えば重い気分で読了しました。
BLM問題=Black Lieves Matter(黒人に対する暴力と社会システム全体に広がる人種差別の根絶を訴える人権運動)、問題は今も続いています。著者カーソン・マッカラーズ(1917-1967)、50歳での早逝が惜しまれますが、弱冠23歳での処女作に驚きました!! 感動した私のヘタな感想よりは、村上氏本人の文をとびとび省略ですが、下記に紹介したいと思います。
・・・僕が初めてこの「心は孤独な狩人」を読んだのは、大学生の時だ。もう半世紀の前のことになるが、以来この本は僕にとっての大切な愛読書になった。古今東西、女性作家の中では僕が個人的にいちばん心を惹かれる人かもしれない。マッカラーズの小説世界は、いうなれば個人的に閉じた世界でもある。「出口のなさ」にこそ、実はマッカラーズの小説作品の真骨頂みたいなものがある。
―しかしきらりと小さく光る―希望をもって。
姿勢の良い骨太の、そして心優しい長編小説が、南部の田舎町から出てきた二十歳そこそこの娘によってあっさり書かれてしまったというのは、ほとんど信じがたいことだ。
一人でも多くの人にこの物語を読んでいただき、いろんな意味合いで心に刻んでいただければと思う。ここにあるのはかなり遠い過去の声だが、それは今でもしっかり我々の耳に届く声でもあるのだ。
(「訳者あとがきより」抜粋)
カイエさん、こちらにもこんばんは。
渋い作家読まれますね。むかーし別の人の翻訳で読んだような記憶が…
村上春樹は翻訳家としても一流だと思います。カーバーとかチャンドラーとかカポーティとかサリンジャーとか、よくもこんなに一杯翻訳やってる時間があったものだと感心sるうくらいありますね。
ルイーズグルックの翻訳はないですが、洋書でいいなら、kindleで読めます1000円ちょっとですね。ただし、英詩を原語で読むのは、英文学やったひとでないと厳しいかも…
ところで村上春樹の最新の翻訳は、なんと、
ジャン・グレシャムの「グレートギャツビーを追え」ですよ!
グレシャム+ギャツビー+春樹という組み合わせは、インパクトありますね。本屋さんで今日見たんですが、10月7日発売でした。今日は「カササギ殺人事件上下」を買ってしまって、今月のお小遣いがなくなったので、図書館で買ってもらおうかなと思ってました。
ad70sさま こちらにもありがとうございます。
「心は孤独な狩人」、河野一郎(1930年生)という方も訳していられるようです。その方のをお読みになったのかもしれませんね。ルイーズさんの洋書はとても無理です。米国に行かれた人から洋書のお土産を戴き、辞書を引いても読もうとしましたが、いつかな果たせていません
村上氏は、作家業の方も翻訳業の方も凄いですね。ホロヴィッツの「カササギ殺人事件」上下巻は今年の2月に図書館から借りて読んでますが、さてアラスジを述べよ、と言われたらお手上げでございます。愉しんだ記憶だけはあります。私は本好きですが本代が潤沢ではありませんので、新刊で読みたい本は図書館に予約しています。図書館にない時は、たいていは購入してくれますので有難いです。お山の方も精力的に歩かれていて、とっても充実の日々をお過ごしですね。時節柄、なお無事息災でありますように念じ上げます(^^)/
度々お邪魔します。
久々に読書人を見つけた感じです。
「心は孤独な狩人」を図書館で予約しましたが、なぜか「受付中」で止まっています。
「結婚式のメンバー」を書いた人ですね。
村上春樹の翻訳は読み易くて好きです。
こちらにも有り難うございます!
図書館の受付中、ミステリーですね。無事借りられますように、、
御普請中のご邸宅は順調のことと思います。とっても素晴しい場所に羨ましい限りです!
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