毎日のように惨い映像を目にする。どうしようもなく気が滅入る。過去も現在も冷酷な独裁者の狂気によって、どれほどのジェノサイドがあったことか。この書物も全編を通して胸が心が痛む。人類とは、、?人間とは、、?と思わずにはいられない。しばし瞑目し、現実の悲劇が一日も早くに終わり、平和が来ることを祈るばかりです。たまたま読んでいるとき、新聞にノンフィクション作家保坂正康氏の書評が掲載されましたので(孫引きかもしれませんが、、)一部を抜粋して以下に紹介したいと思います。
<1990年代のボスニア紛争の「民族浄化」を機に本書をまとめたというが、その後もバーミアンの仏像破壊や9.11テロなどがあり、文化遺産破壊は政治そのものと直結しているのがわかる。ナチスドイツのユダヤ人、トルコのアルメニア人へのジェノサイドを含めて論じているのを読むと、人類はこうした宿痾から逃れないとの思いもしてくる。、、、、スターリンに深刻な被害を受けたのはウクライナでソ連邦の政策により、「農民は飢え、知識人は殺害され、都市は荒廃した」という。キーウ(キエフ)の歴史建造物も被害を受けた。この国はヒトラーとスターリンの新秩序に翻弄されたと、著者は結論づける。インドとパキスタン、イスラエルとパレスチナ、中国とチベットの歴史遺産崩壊について、より詳しく論じるのは、そこに記憶の否定、伝承の切断、未来の否認などのサイクルが見え隠れしているからである。>
ロバート・ベヴァン著 駒木令訳
原書房 2022年2月23日 第1刷発行
家族から繋がる知人親類たちへの連なりを想うこと、人間の愚かさを知ること、掴んだ杉の幼木の棘の痛みを感じること、何事もなく過ぎる平和な日々の有難みを意識すること、そんな日々を全力で生きるよう努めること。新聞やテレビ報道を見るにつけ、戦争や内戦に苦しむ当事者たちに思いを馳せることを常に忘れずに過ごしたい思いです。
コメントありがとうございます。まったく同感です。他者の痛みを我が身に引きつけて想うこと。無力ですが同じように悲しみ、祈り、希望を見出したいと思います。今朝の日記にありました、宇江さんや中平さんについては非力無知でしたが、田辺市の「南方熊楠」については、かなり古くからのファンを自称しています。熊野古道にも憧れ、和歌山県観光局から資料パンフをどっさり送っていただいてました。が、コロナ禍3年のうちに高齢者である身を鑑みて、なかなか踏ん切りの付かずに打ちすぎています。
南方熊楠については水木しげるの漫画でしか知り得ておりませんが、強い個性で吸引力のあった人物の様ですね。熊野古道はいろいろ選べますので是非!
宇江敏勝は林業家で文筆家、中平穂積はジャズの写真家で春樹村上「ノルウェイの森」にも登場するジャズ喫茶DUGの経営者です。紀州というのはユニークな人物を輩出する特異な場所なのかもしれません。中上健次、佐藤春夫、植芝盛平、津本陽、石垣栄太郎等々。
水木しげるの漫画は知りませんでした。中上健次は読んだほうです。ご紹介頂いた方々の著作、図書館で検索してみるつもりでいました。ノルウェイの森は勿論既読でしたが、ジャズ関係は素人です。確か一関市に有名なジャズ喫茶のあることは知ってますが、直ちに店名出て来ません😅熊野に行けたらラッキーと思っています❢
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