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脇芽を摘んでやったら、あっという間に私の手が届かなくなるほど伸びた。仕方がないので、庭木に竿を渡し、そこから茎を吊り下げた。
品種名を忘れたが、まるで葡萄の房のように実をつける。先っちょがちょっととんがった大きめのミニトマト。たくさんの収穫があった。
12月の今も、元気な花を咲かせている。しかし、なかなか熟さなくなった。霜が降りればダメになってしまうので、今朝、全部収穫した。ネットで調べると、青いトマトの調理法が沢山載っていた。サラダとピクルスにでもしようか。
それにしても、原種はどんなトマトだったんだろう・・・。
山を歩いていると、植物の原種に出会うことがある。
山梨県の山中で「ヤマナシ」に出会った。言わずと知れた「梨」の原種で、県名の由来となった植物だ。見た目は梨そのものだが、固くジャリジャリしてまずい。甘味はある。中国から伝わったと言われているが、品種改良されると、見向きもされなくなっていったのだろう。どういう経過を辿ったのだろうか・・・、山の中に生きながらえていたのだ。
キリマンジャロの麓では、「インパーチェンス:アフリカ鳳仙花」の原種が林床を覆っていた。これも園芸種として改良されて店頭に並んでいる。原種はずっと花が小さく、花付きも少ない。また、3000m付近の荒涼とした山腹の岩陰に、「グラジオラス」の原種を見つけた。園芸種からは想像もできないほど、地味で小さい。
5ヶ月もの間、次々と実をつけるトマト、果汁の滴り落ちる柔らかな梨、色鮮やかな大振りの花卉・・・、品種や種苗の改良に携わってきた人々の情熱と努力と、気の遠くなるような時間の積み重ねに想いを馳せた。
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