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(以下、神戸新聞からの引用)
多くの登山客や観光客を集める六甲山系で、道迷いや滑落などの遭難が中腹の3カ所に集中していることが専門家らの調査で分かった。いずれも市街地から近く、軽装で入りがちだが、道に迷って滑落するケースなどが多発している。重大な事故の危険性がある谷に迷い込む「注意ポイント」も浮かび上がった。(阿部江利)
神戸市灘区を拠点に山岳救助などを調査・研究する「日本山岳サーチアンドレスキュー研究機構」が調査した。同機構会長の青山千彰関西大教授がシステムを制作し、警察や消防の協力で集めた2001〜11年の事故情報を地図に反映させた。
同機構副理事長で、兵庫県山岳連盟遭難対策委員長の一本松文夫さん(65)によると、遭難が集中しているのは、芦屋ロックガーデン周辺▽有馬温泉周辺▽新神戸駅北側−の3カ所。
ロックガーデンは縦横無尽に道があり、十分な装備や技術がないと登れない岩場へ迷い込み、滑落するケースが目立つ。湯治客が多い有馬温泉周辺は地形が複雑で標識がなく、危険な道へ迷いやすい。新神戸駅北側は観光客が多く訪れ、転倒などが相次いでいる。
重大な事故につながる危険な谷の代表は「白石谷」と「大月地獄谷」。白石−は道迷いや滑落などが7件、大月−は重傷を含む滑落が2件発生している。
いずれも熟練者向けの場所だが、山頂から有馬温泉に下る一般向けの「魚屋(ととや)道」「紅葉谷道」から入り込むケースが相次いでいる。せきの工事でできた踏み跡や作業道など、迷い込みやすいポイントが多いためだ。
青山教授によると、道迷いは全国的に多発し、2013年の全遭難者に占める割合は41・8%。約20年前は30%を切っており、年々増えている。「年を重ねると視覚や聴覚が衰えたり、読図や地形を記憶する力が落ちたりして迷いやすくなる。登山者の高齢化が進む今後5年は遭難対策が急務」と指摘する。
同機構は、約10年分の事故情報をまとめた地図をウェブ上で公開。「山を愛する人が増えるのはうれしいが、入山前に登山ルートの事故状況を確認し、遭難を防いでほしい」と呼び掛けている。
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