ある温泉宿に一泊した。
朝食はバイキング形式。何があるか見て回るのも楽しい。
ふと見ると、何やら黒い物体。顔を近づけてよく見ると、イナゴの佃煮だった。
小さい頃から大好きでよく食べていたので、とても懐かしかった。
小さな器に少しだけ入っていたので、手に取る人は少ないのかもしれない。
30年位前のこと。出張で出かけたあるスーパーで蚕のさなぎの佃煮を見つけた。
実家は養蚕農家でもあったので、見慣れたさなぎの形。
へ〜!さなぎって食べられるんだ、と思い、買ってみようかと思った。
その時頭の中によみがえった匂い。
傷が付いたりして売り物にならない繭は、煮て伸ばして何枚も重ね合わせ、真綿を作っていた。繭を煮るときの強烈な匂いが蘇ってきた。
結構長い時間悩んだ末、買うことが出来なかった。
今となっては少し後悔。
最近減ってきているようだが、テレビ番組でいわゆるゲテモノを芸能人がキャーキャー言いながら食べる番組に違和感を持っていた。
その土地では普通に食べていたり、場合によっては高級食材かもしれない。
それを気持ち悪いだとか言いながら笑いものにする番組に嫌悪感を持っていた。
食は文化。それもかなり根深い所の。
戦中、日本で捕虜となったアメリカ人に牛蒡を食べさせ、戦犯となった人がいる。
当時、日本人でもなかなか食べられいほど貴重だった牛蒡が手に入ったので、捕虜に与えた。当人にしたら最高に優遇した結果だった。
牛蒡を食べる習慣のない欧米。木の根を食わせた。と思い、虐待と思ったようだ。
食文化の違いが生んだ悲劇かもしれない。
このイナゴを見て、虫嫌いの人はどう思うだろう。などと思いながら懐かしく頂いた。出来ることなら、もう少し食べたかったな。
懐かしいイナゴの佃煮を食べながら、色んなことに思いを馳せた朝だった。
こんにちは。
食の志向は動物的な生命維持に関することなので、親が食べていないものは基本的には食べない・好きにはならないのが自然かと思います。
ゲテモノ食いは、現地の人もあまり食べないものが出てきたりもしますし、食べ物系のレポートや大食いのような番組は、ちょっと食指が動きません(最近特に)。
で、蛹も食べる地域があるのですか。蛹というと一番思いつくのが「さなぎ粉」と呼ばれる、釣りの寄せ餌を思い出します。小麦粉と練り合わせて団子状にして投げ込んだり、小学生のころから使っていましたが、「さなぎ粉」のさなぎが蚕の蛹だという事を知ったのはいつだっただろうか…。確かにあの匂いは強烈でしたね。
蚕の蛹も蜂の子も、自分的には同じようなもので、あまり食べたいという感情はわかないのですが、その地方に生まれ育った人には懐かしい食材だったりするのでしょうね。
では。
ta_ht81s さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
私にとっても蚕のサナギは鯉の餌
名古屋近辺だったような気がしますが、長野だったかも。
記憶が曖昧です。
旨いまずいは好の問題でもありますので、とにかく一口味見をしてみたいです。
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