RPトライの過程

昨日のRPトライを実況中継的に振り返ってみる。
初めての試み。

後で見たときに感じることもあるかなと。

さて、


今日は予定では本気トライ1本で切り上げてボルダに
専念する予定だったが、明日が飲み会で来られないため、
もう1本だけトライすることにする。

40分休んでリトライ。

最初の垂壁に取り付く。相変わらずシューズが壁に当たる。
そろそろ穴が開きそうだ。

下部の動きはもう問題ない。力みもない。疲労感で動き
自体は良くなかったが、前半の核心、足ブラトラバースも
淀みなくこなす。また、1本目の反省からレストポイントの
明確化とレストの長さを修正。トラバースを終えるまでの
疲労感（＝残りの体力）は1本目と変わりはない。とは言え、
変わりがなければやはり登れないだろうと、半ばあきらめ
気味に登る。

トラバース後は右手がガバで左手カチの構成が2回続く。
いつものことだが、ガバを使う手、つまり右手先に疲れて
くる。上手くレストできないので、ムーブのなかで僅かでも
レストを入れる。ここをこなして、大きなハチの巣状の
ハリボテ手前の右手ガバを取ってクリップ。動き、疲労感、
いずれも1本目と同じ流れだ。

もっと軽く登って来られないと...との先入観から、やはり
期待できないなと思いつつも、今日はこの後ボルダだけだから、
行けるところまで行こうと、一息つく（レストはできない）。

ハチの巣ボテをマッチしたところで、初めて右手を軽く
シェイクしてみる。すると、次の軽いデッドで取るカチガバが
いつもより楽にとることができた。間髪入れずに左手カチガバ。
楽なホールドではないが、右手を何とかシェイク。持ち替えて
左手も僅かシェイク。持ち替えてもう一度右手をシェイク。
ほんの僅かの瞬間、心を整えく、核心の乗越し手前の悪い
右手カチへ。ここをカチ持ちで捉えた後、左足をハチの
巣ボテの薄い凹みに載せる。この左足、前に一度滑った
からボテとは言え油断はできない。スタンスに力を入れ、
カチ持ちをロックし、左手を気持ちプッシュ、そして、
乗越しの傾斜が120度から90度に変わる次の遠いホールド
めがけて勢いよく左手を伸ばす。すると、1本目のトライと
同じような具合で取れた。

ふー。

この左手はオープンハンドで捉えるホールドなので、
荷重のバランスが重要だ。あと指が開くので長い時間は
持っていられない。これまでのトライではここですぐに
クリップを行っていたが、今回はまずレスト。右手を
合わせてマッチしてそれぞれの手をシェイク。2回ほど
シェイクしたところで、クリップ。オープンハンドが
剥がれそうで緊張の2秒間。さっきはクリップの瞬間、
手繰り落ちしそうで、奇声を上げてしまった。今回は、
シェイクが効いたか、1本目よりは確実にクリップできた。

ロープの存在を気にして登るわけにはいかないと思い
つつも、クリップするとやはり気が落ち着く。

あらためてレスト。右手、左手、右手、左手...それぞれ
シェイクする。1回にシェイクできる時間、最初は短いが
徐々に長くできるようになり、僅かとは言え回復を実感
できる。かといって、左足は足ブラ。乗越し部でのレストは
前腕への負荷は大きく、指も開いてくるので完全回復など
到底見込めない。気を落ち着かせるためのレストとも
言える（が、結果的にはここでのレストが肝になったわけだが）。

レストもそこそこに、左足を悪い薄カチにあげて
（コイツがホントイマイチ）軽く内側にひねって、更に
左上のガバを取りに行く。これまではここで必ず落ちて
いた。左足を内側にひねることで、身体が壁から離れる
状態になる。かといって、ガニ足では単純な引き付けに
なるうえに距離が出せない。何とか剥がされまいと右手を
粘り、左手を差し出す。「んー、やっぱり届かないか」と
諦めかけたが、何とか左手が届いた。が、左手は保持力を
失っている。タッチしただけで落ちるかなと思ったが、
何とかホールドできた。

さて、あと一手。終了点のみ。

しかし、ここもクセ者。左手位置の右下に左足、左足の
右上に右手、右手の右下に右足という平行四辺形のような
状態で、その左足は薄カチで荷重バランスいまいち。終了点を
取りに行こうとすると、必然的に、左手の真下にモーメントが
かかる状態。そこを何とか右足をキョン気味に掻き込んで
捉えて、剥されないようにしながら終了点取りに向かう。

無理かなと思いつつ、ここは気合一発、声出して手を
出したら、取れた。

やった。終わった。

1本目と比較して、ムーブに違いはない。
1本目と比較して、疲労感に大きな差はない。
1本目と比較して、少しだけレスト戦術が改善された。
1本目と比較して、気負いはなかった。
1本目と比較して、最後だけは気合が入った。

そんなRPトライだった。

保持力、体幹力の向上
レスト技術、ルート全体の構成力の向上
そして、気持ちのバランス（リラックスと気合）

課題は尽きない。