エスビット

学生当時山にはあまり行かなかったが、テントはよく使っていた。
今のような軽量でもコンパクトでもないテントを単車に括り付け、北海道を巡っていた。
キャンプなどと言う高尚なものではなく、野営や幕営と呼んだ方が良いようなことを転々としながら、それでも楽しく各地を巡っていた。
飯もたいしたものは食えないため、メインのストーブは持っていたが、色々と活躍してくれたのがエスビットだった。
とりあえずお湯さえ湧けばどうにかなる。
缶詰だって温めて食えばご馳走だ。
サンマの蒲焼き缶は今まで1番食った缶詰だ。
エスビットと言うとそれなりに有名らしいが、当時は安かったから買った、と言うくらいの感覚だ。
今はエスビットのコピー品が安く出回っているが、オリジナルを40年以上前から持っているのはちょっと自慢なのかなと思う。
ろくに手入れやメンテナンスもしていないのでぼろぼろだが、見ると当時の思い出が蘇る。
専用の固形燃料が手に入らなくて苦労したし、風防と言うことも当時はあまり気にしなかったので、石を周りに積むくらいで運用してたなあ。