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これは実際に撮影された、ある登山者の断末魔です。彼の声は山の奥深くでこだまし、やがて静寂に飲み込まれました。この悲劇は近年増えつつある「イキスギ登山」の危険性を象徴しています。
「イキスギ登山」とは、登山者の実力や装備を顧みず、過激なルートや過酷な環境に挑む行為を指します。SNSで「映える」写真や動画を撮るため、または自己の限界を超える挑戦として、無謀な登山を試みる経験不足の登山者が増えています。しかし、自然はそんな軽率な態度を許しません。
2024年、ある山で起きた痛ましい事故が話題となりました。男性が悪天候の山に軽装で挑み、滑落して遭難。救助隊が到着した時には、彼は息を引き取っていました。彼のバックパックには十分な防寒具や食料がなく、SNSに投稿するためのカメラだけが目立っていました。冒頭の断末魔は、彼らが滑落する際の叫び声として自ら撮影されたものです。
なぜ「イキスギ登山」が増えるのか。背景には、SNSの影響が大きいと言われています。「いいね」やフォロワーを増やすため、過激な挑戦を求める風潮が広がっています。また、登山ブームにより初心者が増加し、適切な知識や技術を持たないまま高難度ルートに挑むケースも目立ちます。
山は美しく、魅力的ですが、時に冷酷です。「イキスギ登山」は一瞬の愉悦を求める代わりに、取り返しのつかない代償を払うリスクを孕んでいます。自然と向き合うなら、謙虚さと準備が不可欠です。あなたが次に山に挑むとき、命を守る選択をしてほしい。あの断末魔が、再び響くことのないように。
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