ヤマレコにも影響を与えた？ 演歌歌手 田所浩二さんを偲ぶ

滑落事故で我々の前から姿を消した演歌歌手の田所浩二さん。あれから月日が経った今でも、彼の歌声と存在感は演歌という枠を超え、登山界にも大きな影響を与え続けています。
今回は改めて田所浩二さんの足跡を振り返り、その唯一無二の魅力を偲びたいと思います。

田所浩二さんはデビュー曲『いい世、来いよ』で脚光を浴びました。この作品で彼の強烈な個性と独特なセリフ回しが人気を博し、その豪放な言動も相まって「演歌界の野獣」と呼ばれるようになりました。
彼のヒット曲はこれに留まらず、帰れぬ故郷への哀愁を唄った『あゝ釧路よ』や、『菅野美穂』といった情熱的かつ敬意を持ったラブレターが、彼の多面的な魅力を象徴しています。

また、登山を趣味とする田所さんは気候変動の影響を目の当たりにし、氷河保護を訴えるNPO「The Serious Mountaineers」を設立。エベレストのゴミ清掃合宿を毎年主催していました。彼の行いは登山界隈にも大きな影響を与えたと言われています。

そのような絶頂期に姿を消してしまった田所浩二さんですが、彼の物語がそこで終わることはありませんでした。

近年、過去リリースされた彼の楽曲がYoutubeやApple Music等で解禁され、彼は新たな形でファンの前に姿を現しました。
更に喜ばしいことに、彼の楽曲は若い世代にも受け入れられ、インターネット上で一大ムーブメントを巻き起こしています。
特に中国をはじめとするアジア圏では、彼のコンテンツは「反抗のシンボル」として受け入れられ、国境を越えた影響力を持つに至りました。

田所浩二さんは、演歌という伝統的な音楽と現代のインターネット文化を融合させ、唯一無二の存在感で私たちを魅了してきました。
彼の楽曲『いい世、来いよ』にもあるように、彼の咆哮が巡りに巡って若い世代に引き継がれ、今後更なる「いい世」が来ることを祈念しています。