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更新日:2024年12月10日 訪問者数:598
登山・ハイキング 山道具・装備
雪無し冬季低山のレイヤリング(日帰り)/トップス・ボトムス+小物
仲間内用で初の冬期無雪低山に行く方に向け、一般論と主観を交えて書いてます。ユーザーの方々にはお世話になっているので、駄文ですが誰かのお役に立てれば幸いと思い公開しました。
Nakatake
ややこしく感じるかもしれませんが、全身で仕組みは同じです。

1.吸湿・吸水・疎水(いずれも汗を体から離す事):主にアンダーウェアが担当
2.気化(蒸発):主にアンダーとミドルウェアが担当、アウターウェアで換気を調節
3.保温:主にミドルウェアが担当、ウェアによってはアンダーとアウターウェアも機能する
4.防風防水:ほぼアウターが担当

1〜4を効率よくできる組み合わせで快適な体温に調整することがレイヤリングの目的です。
完璧を求めてもキリが無いので、まずは大失敗を避ければOKぐらいの気持ちでOK。

◆◆ どのくらい寒い? ◆◆
標高が100m高くなると気温は0.6℃ほど下がり、風も強くなる傾向があります。
同じような地域の平地の朝一の寒い時間に10〜20分じっとしていても平気なくらい+アップグレードや追加が必要でしょう。

〜〜〜 買う前に 〜〜〜
●気温、風、標高、活動強度等を想定し、必要なレイヤリングを理解してから選ぶ。
●服や素材の役割と、メリット・デメリットを知っておく。
●単体ではなく組み合わせで考える。
●携帯性(重さ、収納性)、素材・厚み、開放・開閉部の仕様、脱ぎ着や活動しやすいか、襟・フードの有無と着脱→フードは重ね着?など諸々チェック。
●雪無し低山ならユニクロ、ワークマン、おたふく、イオンなどの廉価品でも選択肢になり、セーター、ジャージ、ダウンや小物はモノと状況によっては普段着の流用も可。
●NG:綿は乾きづらい。ヒートテックなどの吸湿発熱素材は汗をかき過ぎやすい。どちらも汗冷えしやすい。
ハードシェルは、雪無し低山にはオーバースペックでコスパも使い勝手も悪いので不要。

〜〜〜 買ったら 〜〜〜
●現地で凍えないよう、山行前に実際の組み合わせで試す。
●山行時の気温・風・装備・結果などをメモって次回に活かす。(重要)
インナー・ミドル・アウター(トップス)
【インナーウェア】
アンダーウェア、ベースレイヤー、ドライレイヤー、メッシュレイヤー、など名前や機能は様々で主に肌に直接触れるものや、その上に着る薄手のシャツです。

主な役割は「早く汗を体から離す機能(吸湿)」と「気化させる機能」によって低体温や汗冷えを防ぐこと。
ベタつきなどの不快感軽減や保温、防臭性があればなお良い。
良いインナーは組み合わせ次第で夏山から、冬山、沢登り、日常まで快適に使えて汎用性が高い。

●良く使われる素材の機能と構造
ポリエステル:吸湿吸水性能はほとんど無く、速乾性が高いため、汗を素早く拡散し蒸発させる。
消臭性能は弱いが特殊加工で対応している物も少なくない。

メリノウール:ポリエステルより乾きが遅いが、吸湿性と保温性が高く冷えを感じにくい。
消臭効果も期待できる。吸湿発熱性が有るが登山で懸念される程度ではない。
化繊より耐久性は低く価格は高い。

混紡・ハイブリッド:上記の2つやその他の素材の特徴を活かした混紡製品や、部位別に使い分けた製品がある。

メッシュ構造:一般的なインナーウェアの更に下に着るウェアに用いられる。
商品名に「ドライ」や「メッシュ」を含むものが多い。
素早く汗を吸い上げ、通気性も高いので張り付きを防ぎ肌をドライな状態に保つ構造。
優れた機能性で近年は愛用者が増えているが、見た目のハードルが少し高いことも。

●選び方
1枚か2枚の組み合わせが基本になります。
冬に発汗の多い山行をする場合は、汗冷え対策が特に重要になります。
その場合、疎水性に特化した(優れた)ドライレイヤーを着るのが良いですが、ドライレイヤーに気化や保温は期待出来ないので、他のインナーと組み合わせて使うことになります。
逆に、汗をあまりかかない活動では1枚で吸湿、気化、保温を兼ねるウェアでも問題ないかもしれません。

それと、肌への密着度が低いと機能を活かしきれず、逆にキツすぎると血行不良や動きづらさにもなるので、サイズ選びは抜かり無く。

【ミドルウェア】
主な役割は保温、汗の気化、体温調整。吸湿性と速乾性があればなお良い。

●良く使われる素材
フリース:吸湿性能はほぼ無く防風性は低い。速乾性と保温性が高い。
軽くて動きやすく、メンテナンスも簡単で安価なウェアが多い。
普段使いの服も流用しやすい。

ダウン:保温力が高い分暑くなりやすく、汗などで保水すると保温力がかなり下がる。
表地が薄く、ラフに使いづらいものが多い。
洗濯もしづらいので活動中には使いにくいが、廉価品でも携帯性が良く防風性も多少あるので、休憩時の防寒用に一つあると便利。

メリノウール:保温性・通気性・吸湿・放湿性、防臭性・UVカットなど多機能。
活動中・休憩中問わず使えるが、防風性はなく、デリケートなのでやや扱いに気を使う。値段は高め。
素材が良いのでメリノウールの混紡製品は多数あり。

●選び方
寒い時期は活動中も着用出来るものと、主に休憩用の各1枚が基本。
活動中も着るものは保温性、吸水速乾性、前開きなどが出来るような体温調整のしやすさも重視。
主に休憩中に着るものは保温、防風、収納性を重視。撥水性能もあればなお良い。

【アウターウェア】
ソフトシェル、ウインドシェル、薄手インサレーション(中綿入)など造りや用途も様々ですが、外側と内側の通気性による体温調節の要で、防風性はマスト。
耐久性・保温性・通気性・透湿性・撥水性・動きやすさ等の、何を重視するかは使い方や考え方によって変わる。
※レインウェアはソフトシェルの代用として使えるが、多用したりハードに使用するには耐久性的にお勧めしない。

●素材
ゴアテックスやパーテックスなどの透湿防水素材は優れているがマストではない。
素材そのものより、数値化されている防水性能や透湿性能と、撥水などの機能表示を参考にする。

●選び方
防風性の他、収納性、保温性、動きやすさ、換気(透湿)性能など、必要な機能と性能をチェックする。
やや大きめサイズを買いたくなるが、大きいと隙間風が入りやすくなり、合羽の下に着るのにも窮屈になる。

【登山用レインウェア】(必須)
雨や風を防ぎ、体温を保護して、低体温症のリスクを減らす必需品になります。
もしレインウェア無しで、行動不能や下山の遅れ等で気温や体温が下がった時に雨風に晒されれば、あっという間に低体温(命取り)になります。

●良く使われる素材
現在作られている登山用レインウェアはほとんど全て透湿素材が使用されています。
ゴアテックス、エントラント、ドライテック、H2Noなど、シンパテックス他、それぞれ特長があります。
(透湿機能:汗を水蒸気として外に逃がし、水は中に入れない機能のこと。低体温を避けるために登山では重要な性能。)

●選び方
まず「登山用レインウェア」であること。
登山用は性能の目安として、耐水圧と透湿性能が数値化されています。

一般的に望ましいとされる登山用レインウェアの性能
耐水圧:20,000mm以上
透湿機能:10,000g/m2・24hrs以上
これは無雪季の低山では過剰とも思えますが、活動内容や考え方次第ですので、自分が使用しているウェアのスペックを知って次に活かしていくしかありません。

その他に撥水性能、防風性能、軽さ、収納性、動きやすさなどが登山に適するように作られています。
上記のほか、フードの作りやジッパー部分や袖口などの開閉部全体もチェックする。

どの程度の荒天まで想定するかによるが、雪無し低山なら廉価品の「耐水圧と透湿性能が数値化されている登山用レインウェア」は選択肢になるか。

(※耐水性、透湿性、撥水性は性能低下していきます。
使用のたびに防水スプレーを施したり洗濯をする等のメンテナンスすることで劣化を遅らせることが出来ます。)
ボトムス
【ボトムス】
登山は下半身の運動強度が高いので上半身ほど繊細なレイヤリングはせず、基本的に脱ぎ着もしませんが、レイヤリングのは上半身と同じになります。
ボトムスの重ね着が増えると運動の妨げになり、脱ぎ着も手間なので極力冬用のタイツ(インナー)とパンツ(ミドル)の2点で事足りるように選びたい。

それでも冷えが気になる場合は下半身用のドライレイヤーで汗冷え対策を強化するか、既に現地なら臨時のアウターとしてレインウェアを着用する。

以上レイヤリングについてでした。
「脱ぎ着ありき」ではあるものの、重ね着は動きやすさを損ない、脱ぎ着は時間のロスですので、出来るだけ汗をかかないペース&大休止などで冷えない行程の工夫といった常套手段もお忘れなく。

-----最後に----
いや〜・・長くてすみません。
でも、このノートは簡易版なんです。笑
というのも、知り合いや自分の「なぜ?」や経験を思い出して書いていると、このくらいは知っておかないと、けっこう「無用な過酷」にさらされるかなと。
「それも楽しむで!」という心意気は良いと思います。
でも本気で止められない震えとか、山行を楽しむ余裕の無い寒さ暑さは・・・どうですかねぇ。
無事に帰ってくれば笑い話になるかも知れませんが。

補足や具体例など色々と書ききれていないので、あとは検索でお願いしますm(_ _)m
とは言っても、いくら調べても、一流ガイドさんの記事を漁っても参考までで、自分の最適解は試さない分かりません。
なので、最初はまーてきとーでOKです!ってどっちやねん!笑
それは大失敗しない程度で頼みます。
ただ、最初から高級ブランド品を揃える必要も、押しの強いヤ◯ップのおすすめを買う必要もありませんが、「どんな時に何を着てこうなった&その理由」を活かしていくと、自分にあったレイヤリングへの近道だと思います。

※このノートは不定期で更新や訂正していきます。
グダグダ小物編
【手袋】
正直にいいます。雪山も人が多い山にもあまり行かないので、寒い時期はテムレスというダッさい以外は最強(有名?)の手袋と軍手だけで乗り切っていました。。
なのでメリノウールやフリースといった洒落た手袋の使用感はわかりませんので他のサイトを御覧ください。
でもこの冬からそれらのデビューしてみようと思っていますので、来年の冬にはなにか書けるかもです。

因みに防寒テムレスは透湿完全防水で、内側にボアがあり千円台〜で最高にダサい最強の冬用グローブです!
やっぱりテムレスでいいかな?

【靴下】
靴下も綿はNG。
5本指ソックス、メリノウール混紡、様々ありますが、特に保温に優れたものでなくても冬の雪無し低山で気になったことはないです。
ただ、当然ながら保温性の良いものはやはり温かい。
もしそれで事足りない場合や厚みが気になる方はドライレイヤー靴下や防寒インソールを検討になるか。

【ネックウォーマー】
小さいながら体温調整しやすく、活動しながら着脱、収納が出来る超便利アイテム。

【バラクラバ】
ネックウォーマー+ニット帽より確かに温かいですがオーバースペックで脱ぎ着もしずらく、ソフトシェルのフードとニット帽が有れば不要。

【ニット帽】アウトドアブランドやメリノウール製品でもない普段使いのニット帽で気になったことはない。
それよりメットを被る被らないで最適解が変わってくるか。

【マスク】
休憩中の鼻の防寒にはなるがネックウォーマーがあれば不要か。

【カイロ】
一通りウェアを揃えて、なお寒い時の補足と考えるのが妥当。ハクキンカイロは手間ですが強力。

【吸水布】
100均で売られているものを、手の平大に切って使っています。
その大きさでもしっかり押し当てて絞るを繰り返すと普通にバスタオルで拭いたが如く髪の毛も乾きやすい!
絞ると言っても片手でキュッとするだけ。吸水力・絞りやすさ・携帯性は綿より断然良い。
寒い時期に限りませんが、濡れて欲しくない物が濡れてしまった時、ドボンした時、テント内の結露の拭き取り、帰りの温泉など、使える場面は色々と。携帯しない理由がない。。
〜〜〜オマケその他〜〜〜
チャットGPTにレインウェアとアウターウェア2種の違いをまとめてもらった?
明確な区分はしづらい面がありますね。
自分の纏うモノには求める機能があれば良いだけなので、理解して意味があるのか?は分かりません。
ただ、会話や文章を理解するのに知っておいて損はないかと。
因みにチャットGPTの答えが正しいとは限りません。笑

〜〜〜レインウェア〜〜〜
特徴: 完全防水・防風で軽量、コンパクト。
メリット: 雨や風を完全に防げる。持ち運びが容易。
デメリット: 保温性や耐久性に劣る。蒸れやすい場合がある。
用途: 雨天や強風時の防御。緊急用や軽装備時に便利。
使い分け: 雨が確実に降る場合や防水が必須の状況で使用。

〜〜〜ソフトシェル〜〜〜
特徴: 撥水性・防風性を持ちながら通気性が高く、動きやすい。
メリット: 快適性が高い。保温性があり、運動時に蒸れにくい。
デメリット: 完全防水ではなく、長時間の雨には不向き。
用途: 運動量が多い登山や軽い雨・風の日常使用。
使い分け: 軽い雨や風の中で快適さを優先したい場合に使用。

〜〜〜ハードシェル〜〜〜
特徴: 完全防水・防風で高耐久。外部環境からの保護を重視。
メリット: 過酷な環境下でも信頼できる。防水性と耐久性が高い。
デメリット: 重く、動きにくい場合がある。蒸れやすい。
用途: 冬山や高山、暴風雪のような過酷な環境での使用。
使い分け: 厳しい天候や高い耐久性が必要な状況で使用。
レインウェア
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