日本産シソ科検索表(全面改定版)
オリジナルシートからのコピペで大きく段落が崩れ,修正してもUPで崩れてしまうので,見にくいかと思います。ご希望であればオリジナルWordシートをお送りしますので,ご連絡下さい。
ご指摘頂ければ幸いです。更に精度を上げたいと思います。
次回はアブラナ科を予定しています。
学名はなるべくフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を採用した.和名の別名は全てを網羅していない.日本の野外で見られるシソ科が対象で,園芸や農作及び交雑種は除外した.検索は種を基本としており,その中で亜種を検索させた.但し,属内の検索が困難さ故分類の配列を無視した部分や分割した属もある.var.やf.は基本と明確に区別出来ない事もあり,これらは列挙した.整理の便宜上,f.はvar.の下位として扱った.検索で使う特徴は,時間を掛けずに見た目で同定出来る部分を使用し,根・果実など短時間のその場では観察しにくい特徴は避けた.黄色の花を除いて,ほぼ全てのタクサには白花が存在し,葉の形状も種内で変化が多い.検索は種の標準的な形質に基づいて進行しており,亜種以下の変異では適合しない場合が出てくる.先ずは種の確定を行い,その特徴を踏まえて,亜種以下を確認して欲しい.この検索は決定的な同定手段ではなく,あくまでも正確な同定への手引きと考えて頂きたい.使用については,1株だけの観察ではなく,複数株の観察による平均的な特徴を踏まえるのが望ましい.var.やf.については,特定の限定された地域の固有群以外,特に考慮する必要性を感じない.しかし,これらはそれなりの特徴を示したものであり,将来の検証によっては独立した種や亜種として認められる場合があり.決して軽視すべきものでもない.尚,基種基型名は表示しない.
筆者は動物分類者であり,植物分類の学名表記には精通していない.よって,学名表示は動物の命名規約に近い表示となっている.例えば,亜種の場合,動物の場合はssp.を表示せず,種(小)名に続けて亜種名を記述するが,植物分類ではssp.を記述する.ここでは,スペースの関係もあって,動物分類同様にssp.を略して,種名に続いて亜種名を示した.
この検索では作成時の分類で表示している.植物の分類は日進月歩であり,更に分類が進展する可能性が高く,最新の情報をもって判断されたい.
<用語>
主にいがりまさし(2007)及び増村征夫(2006)を参照した.
草体=株全体.頭花=小花が集合した花序を含む.葉=花期の主たる茎葉を指す.舟形(葉の形状)=長楕円形で基部はやや狭まり葉先が細まって尖る.浅裂=深い鋸歯縁.中裂=葉の片幅の1/2まで裂ける,深裂=葉の片幅の2/3まで裂ける,全裂=主脈まで裂ける(以上,葉の裂け状態の境界は明瞭ではない).楓葉状に裂ける=全体的に半円形-広楕円形で掌状に深裂-全裂.菊葉状に裂ける=全体的に長楕円形-広卵形で縁が中裂-深裂.シダ葉状=主脈に対して左右対称に深裂-全裂.走出枝=地に這う枝.
<分布について>
シソ科は帰化種が多く、帰化種については具体的な分布地を示していない(逆に言えば、分布地が示されていないものは帰化種と思ってよ
い).
1a.木本(海浜では地を這う様に低木化する)・・・2.
1b.草本(時に丈が高まり基部が木質化する)・・・7.
(木本)
2a.花冠の長さは5mm以上・・・3.
2b.花冠の長さは5mm以下.葉は広楕円形・・・ハマクサギ属 Premna
1.花筒は長さ4mm以下.海岸.琉球・・・タイワンウオクサギ serratifolia
− 花筒は長さ2mm.琉球(石垣島)・・・ルゾンクサギ nauseosa
3a.花冠は唇形・・・4.
3b.花冠は車形・・・6.
4a.花冠は全体的に白基調で黄色味を交える・・・5.
4b.花冠は全体的に紫基調で白色味を交える(白花もあるが黄色を交えない)・・・ハマゴウ属 Vitex
1.葉は通常単葉で対生,広卵形-広楕円形で葉先は伸長しない.砂浜.本州、四国、九州、琉球・・・ハマゴウ rotundifolia
− 葉は通常複葉・・・2.
2.葉は倒卵形-楕円形、葉先は長く伸長しない.通常三出複葉.奄美大島以南・・・ミツバハマゴウ trifolia
− 葉は楕円形-長楕円形、葉先は長く伸長する.琉球(八重山)・・・ヤエヤマハマゴウ bicolor
5a.葉は長楕円形,五出複葉.沖縄(石垣、西表島)・・・ハマゴウ属 Vitex オオニンジンボク quinata
5b.葉は卵形,単葉で対生する.本州(近畿地方以西)、四国、九州、沖縄・・・ハマクサギ属 Premna ハマクサギ microphylla
6a.花冠は長さ5mm以内,花弁は広楕円形で薄赤紫色.花糸は白色,葯は黄色.花柄は花冠より短い(各種に白花型がある)・・・ムラサキシキブ属 Callicarpa
1.葉は厚い広楕円形で葉先は丸い,絨毛で覆われて特に裏は白くなる.小笠原諸島(父島(絶滅)、兄島)・・・ウラジロコムラサキ
parvifolia
− 葉は広楕円形で葉先は伸長して尖る・・・2.
2.葉は先半が数個の鋸歯縁.本州(岩手県で絶滅)、四国、九州、琉球・・・コムラサキ(コシキブ) dichotoma
− 葉は全体に細かい鋸歯縁・・・3.
3.枝や葉など全体的に白い細毛で覆われる.本州(宮城県以西)、四国、九州・・・ヤブムラサキ mollis
− 白い細毛は疎ら.葉は長さ10cm前後.山地.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・ムラサキシキブ japonica
・葉は長さ20cm前後.海岸.本州(東海地方以西)、四国、九州、琉球・・・オオムラサキシキブ j.var.luxurians
6b.花冠は対と異なる・・・クサギ属 Clerodendrum
1.花筒は非常に長く花弁の約5倍,花弁は強く反曲する.琉球・・・リンドレイクサギ lindleyi
− 花筒は長くても花弁の2倍,花弁は時に縁が内側に巻く・・・2.
2.花弁は白色・・・3.
− 花弁は赤色系・・・4.
3.葉は硬質,楕円形で葉先は単純に尖る.種子島、トカラ列島の宝島、琉球・・・イボタクサギ inerme
− 葉は軟質,広楕円形-広卵形で葉先は細く突出して尖る.葉の基部は円形.葉の表面に毛があり光沢が弱い.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・クサギ trichotomum
・葉の表面はほぼ無毛で光沢がある.九州(南部)、沖縄(久米島)・・・アマクサギ t.var.yakusimense
・葉の基部は心形.葉の表面に毛があり光沢が弱い.四国(南部)、九州(南部)、沖縄・・・シュウロウクサギ t.var.
esculentum
4.花冠は赤紫味が強く,散形花序で隙間がない.本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球・・・ボタンクサギ bungei
− 花冠は赤味が強く,円錐花序で隙間がある・・・5.
5.花冠全体が深紅色・・・ヒギリ japonicum
− 花冠は深紅で花弁のみ薄色で2色に見える・・・シマヒギリ(カクバヒギリ) paniculatum
(草木)
7a.花柱と花糸は下唇と同長か長く,通常花冠から突出し目立つ・・・8.
7b.花糸は下唇より短く,通常花冠内に収まり目立たない・・・20.
8a.花冠は縦に開き,花柱と花糸は花冠から上へ突出する・・・9.
8b.花冠は通常筒型で雄しべや花柱は前方に突出する・・・10.
9a.花冠は1cm以上,花柱と花糸は長く,強く湾曲する.北海道、本州、四国、九州・・・カリガネソウ属 Tripora カリガネソウ(ホカケソウ) divaricata
9b.花冠は5mm以下.花柱と花糸は単純に突き出る程度.本州・九州・・・ルリハッカ属 Amethystea ルリハッカ caerulea
10a.葉は羽状複葉・・・アキギリ属 Salvia
1.花筒は1cm以下,通常花は密集して付く.花冠は薄黄色.鈴鹿山脈に特産.本州(三重県、滋賀県、岐阜県)・・・ウスギナツノタムラソウ lutescens
・花冠は青紫色.本州(神奈川県〜近畿地方の太平洋側)・・・ナツノタムラソウ l.var.intermedia
・花冠は薄青色-白色.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマナツノタムラソウ l.var.crenata
・花冠は濃青紫色.本州(近畿地方)、四国(高知県)・・・ニシノタムラソウ l.var.occidentalis
・花冠は淡青紫色.茎の基部から長い走出枝を出す.本州(神奈川-愛知県)・・・ダンドタムラソウ l.var.stolonifera
− 花筒は1cm以上・・・2.
2.花筒は2cm以上.花冠は薄黄色.花期は8-10月.本州、四国、九州・・・キバナアキギリ nipponica
・花期は6月中旬-7月中旬.花冠は白に近い薄黄色.本州(長野県、岐阜県、愛知県)・・・キソキバナアキギリ n.var.
kisoensis
・葉の基部の三角形の裂片が大きい.本州(西部)、四国(高知県)、九州(鹿児島県)・・・ミツデコトジソウ n.var.
trisecta
− 花筒は2cm以下・・・3.
3.葉は基部に集中し,光沢が強い.本州(島根県、広島県)・・・テリハナツノタムラソウ akiensis
− 葉は茎の上部にも付く・・・4.
4.花は薄紫色,長毛が目立つ.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマタムラソウ lutescens var.
crenata
− 花は紫色,有毛だが目立つ程ではない.兵庫県北部及び鳥取県と京都府の一部・・・タジマタムラソウ omerocalyx
・福井県(今庄町、嶺南地方).茎が這う・・・ハイタムラソウ o.var.prostrata
10b.葉は単葉・・・11.
11a.葉は線形-広線形・・・ミズトラノオ属 Pogostemon
1.花冠は淡い紫色.葉は3-4輪生.本州、四国、九州・・・ミズトラノオ yatabeanus
− 花冠は淡い白色.葉は4-6輪生.本州、四国、九州・・・ミズネコノオ stellatus
11b.葉は長楕円形-より幅広い・・・12.
12a.通常草体は立ち上がらず地面に伏す.花冠は筒型で唇形.葉の表面に毛を持たない.日当たりの良い岩地.北海道、本州、九州・・・イブキジャコウソウ属 Thymus イブキジャコウソウ quinquecostatus
・海岸性・・・ハマジャコウソウ q.f.maritimus
・葉の表面に粗い毛を持つ.本州(北アルプス)・・・ヒメヒャクリコウ q.var.canescens
12b.草体は立ち上がる・・・13.
13a.花冠の下唇の縁に糸状の付属物を持つ.花冠は一見して数段の車座状に付く.九州・・・ダンギク属 Caryopteris ダンギク incana
13b.花冠の下唇の縁に明瞭な糸状の付属物を持たない・・・14.
14a.花穂を形成する場合,一部でも偏側性(茎の片側に偏る)がある・・・15.
14b.花穂を形成する場合,偏側性がない・・・16.
15a.花は白色.花柱や時に花糸は萼を含めた花筒より長い.本州(関東地方以南)、四国、九州・・・シモバシラ属 Collinsonia シモバシラ
japonica
15b.花は紫色系.花柱や時に花糸は萼を含めた花筒より短い・・・ナギナタコウジュ属 Elsholtzia
1.花冠は紅紫色,不明瞭な偏側性に付く.葉の縁は直線的.全国?・・・イワナギナタコウジュ serotina
− 花冠は薄紅紫色,明瞭な偏側性に付く.葉の縁は緩く弧を描く・・・2.
2.大型の苞は円形,表面に毛を持たない.北海道、本州、四国、九州・・・ナギナタコウジュ ciliata
− 大型の苞は台形,表面に毛を持つ.本州(福島県以西)、四国、九州・・・フトボナギナタコウジュ nipponica
16a.花筒は花弁まで開かず,筒状・・・テンニンソウ属 Leucosceptrum
1.葉は楕円形-長楕円形,裏に星状毛を持たない.花冠は白色味が強い.葉の裏は無毛.北海道、本州、四国、九州・・・テンニン
japonicum
・花序のすぐ下の葉の裏の主脈に毛が多い.北海道、本州、四国、九州・・・フジテンニンソウ j.f.barvinerve
− 葉は広楕円形-広卵形,裏に一時的でも星状毛を持つ.薄紅色を帯びる.葉は広楕円形.本州(中部地方、近畿地方、中国地方)
・・・ミカエリソウ stellipilum
・葉は丸みが強い.本州(広島県・島根県・山口県)、四国、九州・・・オオマルバノテンニンソウ s.var.radicans
16b.花弁は開く・・・17.
17a.花弁はほぼ均等に裂け,各裂片の形状や長さは似ている・・・ハッカ属 Mentha (園芸種との関わりが深く,ここでは限定する)
1.葉柄が無い・・・2.
− 葉柄が有る・・・5.
2.葉は全縁,表面は滑らか.湿地.北海道、本州・・・ヒメハッカ japonica
・丈1m以上で倒伏・・・ハイヒメハッカ j.f.prostrat
− 葉は多少とも鋸歯縁・・・3.
3.葉は卵形,鋸歯縁の先端は丸い・・・マルバハッカ(アップルミント) suaveolens
− 葉は長卵形-舟形,鋸歯縁の先端は角張る・・・4.
4.茎はほぼ無毛.葉の鋸歯縁は明瞭,葉先は明瞭に尖る・・・ミドリハッカ spicata
− 茎に柔毛を生やす.葉の鋸歯縁は弱い,葉先は鈍く尖る・・・・・・ナガバハッカ longifolia
5.葉は長楕円形,葉先はやや伸びて弱く尖る.北海道、本州、四国、九州・・・(ニホン)ハッカ canadensis var. piperascens
− 葉は卵形,葉先は鈍い・・・ヨウシュハッカ arvensis
17b.花弁は不均等に裂け,各裂片の形状や長さは異なる(シソ類らしい花)・・・18.
18a.花冠はほぼ白色で上唇に青い斑点を持つ.北海道(西南部)、本州、四国、九州・・・ヤマハッカ属 Isodon ヒキオコシ(エンメイソウ)
japonicus
18b.花冠の上唇に青い斑点を持たない・・・19.
19a.花柱や花糸は花筒の中央から出る.花が落ちた萼片も紫色.葉は卵形-心形.葉の鋸歯縁の先端は鈍く尖る,明瞭な柄を持つ.北海道、本州、四国、九州・・・カワミドリ属 Agastache カワミドリ rugosa
19b.花柱や花糸は花筒の上部から出る・・・ニガクサ属 Teucrium
1.萼はほとんど無毛.葉の縁の鋸歯は細かい.全国・・・ニガクサ japonicum
− 萼に微毛を持つ.葉の縁の鋸歯はやや粗い・・・2.
2.九州(南部)、沖縄・・・ツルニガクサ viscidum
− 本州以北・・・3.
3.草体全体に顕著な柔毛を生やす.北海道、本州・・・エゾニガクサ veronicoides
・柔毛が短い.葉の鋸歯が大きい.本州(東北地方)・・・イヌニガクサ v.var.brachytrichum
− 茎には上部の節にだけ柔毛がある.葉の表面か脈上に粗毛が疎らにある.北海道、本州・・・テイネニガクサ teinense
20a.草体は木本に近い大型,基部は木質化する.花冠は葉腋から1個-数個が列を成して垂れ下がり,寸胴の筒型で長さ3cm以上,赤紫色系・・・ジャコウソウ属 Chelonopsis
1.花柄は葉柄より明らかに長い.本州(神奈川県以西)、四国、九州の主に太平洋側・・・タニジャコウソウ longipes
− 花柄は葉柄に近い長さ・・・2.
2.葉や茎に立毛で覆われる.本州(中部地方)、四国(愛媛県)・・・アシタカジャコウソウ yagiharana
− 葉や茎は特に立毛が顕著でない.北海道、本州、四国、九州・・・ジャコウソウ moschata
20b.対とは異なる.草体は一般的な草本.花冠は唇形,長い場合は基部が細くなる・・・21.
21a.花序は球体で葉腋に付く.八重山・・・イガニガクサ属 Hyptis ナントウイガクサ brevipes
21b.花序は球体にならず一般的・・・22.
22a.花冠の上唇は大きな兜状になって下唇の上に被る・・・23.
22b.花冠の上唇は特別大きな兜状にはならない(下唇の上に被る場合がある)・・・24.
23a.花は茎の先に花穂をつくる・・・ウツボグサ属 Prunella
1.明瞭な葉柄を持つ.北海道、本州、四国、九州・・・ウツボグサ v.asiatica
・白花・・・シロバナウツボグサ v.a.f.albiflora
・北海道-本州の高地で花色が濃くなり走出枝を出さない・・・ミヤマウツボグサ v.a.var.aleutica
・紅花・・・ベニバナウツボグサ v.a.var.lilacina f.lillacina
− 葉柄を持たない.本州中部以北の高山・・・タテヤマウツボグサ prunelliformis
23b.花冠は葉腋にも付く(花穂状の場合は中間に葉が混じる)・・・オドリコソウ属 Lamium
1.上唇は大きく,上から見ると下唇が隠れる.通常は輪生した花は間が開く・・・2.
− 上唇は小さく,上から見ると下唇が見える.輪生した花は蜜に重なる・・・・4.
2.葉に斑が入らない.花は白色-淡紅紫色.花期は3-6月.北海道、本州、四国、九州・・・オドリコソウ album var.barbatum
・花は薄黄色,花期は7-8月.山梨県北岳の亜高山帯の沢筋の草地や林縁・・・キタダケオドリコソウ a.var.kitadakense
− 葉に斑が入る・・・3.
3.花は黄色系・・・キバナオドリコソウ(ツルオドリコソウ) galeobdolon
− 花は紫色系.北海道・・・フイリオドリコソウ maculatum
4.花冠の筒部は短く,葉に隠れて見えない.上部の葉は赤紫色を帯びる.全国・・・ヒメオドリコソウ purpureum
− 花冠の筒部は長く,葉から鎌首を上げたように見える.上部の葉は緑色.本州、四国、九州、琉球諸島・・・ホトケノザ amplexicaule
5.上2種の交雑起源で中間の特徴を持つ・・・モミジバヒメオドリコソウ(キレハヒメオドリコソウ) dissectum
24a.花冠は萼の中心線に対して斜めに伸び,開口部は萼と同じ方向を向かない・・・25.
24b.花冠は萼の中心線上に伸び,開口部は萼と同じ方向を向く・・・26.
25a.花冠は萼の中心線に対して下向き,開口部は萼の中心線より下がる・・・ヤマハッカ属 Isodon
1.花冠は黒紫色,下唇は舟状で蕊が収まる.北海道、本州(近畿地方以北の日本海側)・・・クロバナヒキオコシ trichocarpus
− 花冠は紫色・・・2.
2.花冠の上唇に紫色の斑点がある・・・3.
− 花冠の上唇に紫色の斑点がない・・・4.
3.花糸(葯)や花柱は下唇の中にある.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマハッカ inflexus
− 花糸(葯)や花柱は下唇から出る.・・・ヒキオコシ japonicus
4.花冠の筒部は長く,底辺は下唇のほぼ3倍・・・5.
− 花冠の筒部は短く,底辺は下唇と同長か2倍以下(筒部が長いものも混じる、特にサンインヒキオコシ)・・・6.
5.花柄が短くて花冠が密集する,萼の裂片の先端は角張る程度.本州(岐阜県以西)、四国、九州・・・アキチョウジ longitubus
− 花柄が長くて花冠が分散する,萼の裂片の先端は細く尖る.本州(愛知県以東の中部地方および関東地方)・・・セキヤノアキチョウ
ジ effusus
6.葉裏の主脈に細毛が有り,花柄や萼は無毛.萼歯は三角形.本州(関東地方西南部-中部地方東南部)・・・イヌヤマハッカ umbrosus
葉先の直前で深裂しない.
・本州(山梨県、長野県南部、静岡県、愛知県)・・・コウシンヤマハッカ u.var.latifolius
葉先の直前で深裂する(深裂しない葉も混じる)
・葉先の裂片は単純な針形.本州(東北地方南部-中部地方)・・・カメバヒキオコシ u.var.leucanthus f.kameba
・葉先の裂片は広がって粗い鋸歯縁(単純な針形も混じる).花冠は長さ9-11mm(通常花柄と同長か短い).本州(長野県-滋賀県)・・・ハクサンカメバヒキオコシ u.var.hakusanensis
・葉先の裂片は広がって粗い鋸歯縁(単純な針形も混じる).花冠は長さ12-15mm(通常花柄より長い).本州(北陸-東北地方の日本海側)・・・タイリンヤマハッカ u.var.excisinflexus
− 葉裏の主脈は無毛,花柄や萼に微細毛がある.萼歯の先端が細長くなる.花冠の長さは6mm以下.本州(東北-中部)、四国・・・ミヤマヒキオコシ shikokianus
・花冠の長さは12-20mm.本州(北陸地方西部-山陰地方)、九州(北部)・・・サンインヒキオコシ s.var.occidentalis
・花冠の長さは約10mm.本州(福島県以西の太平洋岸)、四国、九州・・・タカクマヒキオコシ s.var.intermedius
25b.花冠は萼の中心線に対して鎌首を上げたように上を向き,開口部は萼の中心線より上がる・・・タツナミソウ属 Scutellaria
1.花冠は黄色・・・タロコタツナミソウ tashiroi var.tomentosa
− 花冠は白色-青色系・・・2.
2.花冠は白色,筒部は非常に細長く開口部手前で急に拡がる.小笠原諸島の父島、兄島の固有種・・・ムニンタツナミソウ
longituba
− 花冠は白色-青色系,白色の場合は筒部が太短い・・・3.
3.花冠の筒部は短くて通常下唇と同長か短く,長さは10mm以下・・・4.
− 花冠の筒部は長くて通常下唇より長く,長さは10mm以上・・・6.
4.葉は卵形,葉先は鈍くてほぼ全縁.北海道、本州、九州・・・ヒメナミキ dependens
− 葉は明瞭な鋸歯縁・・・5.
5.葉柄は葉の半長より明瞭に短い.本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄・・・コナミキ guilielmii
− 葉柄は葉のほぼ半長.茎や葉に微毛は目立たない.本州(関東地方以西)、四国、九州・・・ミヤマナミキ shikokiana
・茎や葉に微毛を密生する.四国、九州(南部)・・・ケミヤマナミキ s.var.pubicaulis
6.海岸の砂地に生える.花冠は2個が並んで同じ方向を向く.北海道、本州、四国、九州・・・ナミキソウ strigillosa
− 土質に生える.通常花冠は穂状花序を作る・・・7.
7.葉は楕円形-長楕円形,鋸歯縁は鈍い・・・8.
− 葉は卵形-広卵形,紛らわしい場合は先が歯丸い鋸歯縁が明瞭・・・9.
8.北海道、本州(北部、長野県).葉先は伸長して弱く尖る・・・エゾナミキ yezoensis
− 九州(熊本県).葉先はあまり伸長せず尖らない・・・セイタカナミキソウ barbata
9.花冠は密な花序ではなく、葉腋に疎らに付く.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマタツナミソウ pekinensis
− 花冠は草体の上部に穂状花序に付く・・・10.
10.葉の長さは1cm以下・・・11.
− 葉の長さは1cm以上・・・12.
11.花冠は紫色.丈20cm以下.本州(関東地方以西)、四国、九州、奄美大島・・・コバノタツナミ(ビロウドタツナミ) indica var.parvifolia
− 花冠は白色-薄紫色.喜界島・・・ヒメタツナミソウ kikai-insularis
12.南西諸島・・・13.
− 九州本土以北・・・15.
13.卵形の葉は基部が円形.屋久島・・・ヤクシマシソバタツナミ(ネット上では下記ヒメアカボシタツナミと混同されているようで,和
名のみではなく,学名で参照した方が良い) laetviolacea var.kuromidakensis
− 卵形の葉は基部が心形・・・14.
14.丈10cm以下.葉先は鈍く丸まって全体的に楕円形に近い.屋久島高地・・・ヒメアカボシタツナミ(下記アカボシタツナミソウと連続
する) rubropunctata var.yakusimensis
− 丈10cm以上.葉先は短く伸長して全体的に三角形に近い.屋久島低地、沖縄・・・アカボシタツナミソウ rubropunctata (沖永良部島、奄美大島、与論島はやや小型になりアマミタツナミソウ rubropunctata var.naseanaとされる).
15.花冠の下唇に斑点を持たない・・・16.
− 花冠の下唇に斑点を持つ・・・17.
16.葉の裏面は全体に細毛を生やす.特に主幹茎の毛は開出する.本州(新潟県以西の日本海側)・・・ホクリクタツナミソウ indica var.satokoae
− 葉の裏面は葉脈のみ細毛を生やす.特に主幹茎の毛は下向き.本州(主に日本海側)・・・デワノタツナミソウ muramatsui
17.花冠は斜め上(60度)に立つ.特に主幹茎は僅かに上向きの微毛を持つ.北海道、本州(近畿地方以北)・・・エゾタツナミソウ
pekinensis var.ussuriensis
− 花冠はほぼ垂直に立つ・・・18.
18.特に主幹茎は目視でほとんど無毛.本州・・・ヤマジノタツナミソウ amabilis
− 茎に細毛が目立つ・・・19.
19.葉は長卵形で明瞭に幅より長い,よく葉脈に白色の斑が入る.特に主幹茎の毛は上向き.本州(西部)、四国、九州・・・ツクシタツ
ナミソウ kiusiana
− 葉は卵形-短卵形で幅と長さが同じか僅かに幅より長い程度,時に葉脈に暗色の斑が入る・・・20.
20.節間は詰まり,葉の長さより狭い.よく葉脈に暗色の斑が入る.草体は全体に寸詰まり・・・21.
− 節間は伸び,葉の長さと同長か長い.葉脈に暗色の斑は入らない.草体は全体に間延びする・・・24.
21.特に主幹茎の毛は開出する(横に開く).本州(福島県以西)、四国、九州・・・トウゴクシソバタツナミ laeteviolacea var.abbreviata
− 特に主幹茎の毛は下向き.本州(福島県以南)・・・ホナガタツナミソウ laeteviolacea var.maekawae
22.特に主幹茎の毛は上向き・・・23.
− 葉は厚味があり,脈は表面で凹む.九州(対馬)、本州(広島県)・・・アツバタツナミソウ tsusimensis
23.葉は一般的で対の様な特徴を持たない.本州(福島県以西)、 四国、九州・・・シソバタツナミ laeteviolacea
− 特に主幹茎の毛は上向き.本州(中国地方)、四国・・・ハナタツナミソウ iyoensis
24.特に主幹茎の毛は下向き.本州(関東、中部、近畿、中国)、四国・・・オカタツナミソウ brachyspica
− 特に主幹茎の毛は開出する(横に開く)・・・25.
25.葉裏に腺点がある.通常主幹茎は赤味を帯び,花冠の筒部は薄紫色.本州、四国、九州・・・タツナミソウ indica
− 葉裏に腺点がない.通常主幹茎は緑味を帯び,花冠の筒部は白色.本州(福島県以西)、四国、九州・・・イガタツナミ laeteviolacea
var. kurokawae
26a.花冠はほぼ釣鐘型で下を向いて開く,白色.本州(関東以西の太平洋岸)、四国、九州、琉球列島・・・スズコウジュ属 Perillula スズコウジュ reptans
26b.花冠は唇形・・・27.
27a.花は葉腋のみに付く(茎先に付かない.場合によっては茎先に花穂を形成するが,葉の表面は縮緬状になる)・・・28.
27b.花は葉腋だけに付かない・・・29.
28a.花冠は1cm以上,紫色系・・・メハジキ属 Leonurus
1.花冠は白色の長毛で覆われる.北海道、本州(神奈川県)・・・モミジバキセワタ cardiaca
− 花冠には毛は目立たない・・・2.
2.葉または大型の裂片は卵形-狭卵形.北海道、本州、四国、九州・・・キセワタ macranthus
− 葉または大型の裂片は広線形.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・メハジキ japonicus
28b.花冠は5mm-1cm,白色-黄色.葉の表面は細かい網目状の皺に覆われる・・・コウスイハッカ属 Melissa セイヨウヤマハッカ officinalis
28c.花冠は5mm以下,白色・・・シロネ属 Lycopus
1.花冠の長さは3mm・・・2.
− 花冠の長さは5mm・・・3.
2.萼の裂片の先端は細く尖る.北海道、本州、四国、九州・・・コシロネ(ヒメサルダヒコ,イヌシロネ) cavaleriei
− 萼の先端は鈍い.北海道、本州、四国、九州・・・エゾシロネ uniflorus
3.葉の長さは4cm.北海道、本州、四国、九州・・・ヒメシロネ maackianus
− 葉の長さは8cm.北海道、本州、四国、九州・・・シロネ lucidus
・茎の節間や葉の下面に長毛がある=ケシロネ l.f. hirtus
29a.花冠は暗紅紫色で白い縁取りがある.本州(神奈川県以西)、四国、九州・・・マネキグサ属 Loxocalyx マネキグサ ambiguus
・葉の鋸歯が深くて先端が尖る・・・キレハマネキグサ a.var.laciniatus
29b.花冠は対のような配色ではない・・・30.
30a.葉または小葉は広線形,中央部分の側縁は平行・・・31.
30b.葉または小葉は楕円形-円形,中央部分の側縁は弓曲・・・33.
31a.花冠の長さは5mm以下.花冠は主に茎の頂点に総状に付け,薄紫色.葉の鋸歯縁は鈍い.本州(中国地方)、九州(北部)・・・イヌコウジュ属 Mosla ホソバヤマジソ chinensis
31b.花冠の長さは10mm以上・・・32.
32a.葉は全縁で裏側に巻く.北海道、本州(中部地方以北)・・・ムシャリンドウ属 Dracocephalum ムシャリンドウ argunense
32b.葉は鋸歯縁で裏側に巻かない・・・イヌゴマ属 Stachys
1.茎の稜に明瞭な毛を生やす・・・2.
− ほぼ無毛か茎の稜に目立たない刺毛を生やす程度・・・3.
2.葉先の極先端は鈍い.花弁の紫色は薄く,白筋は目立たない.北海道、本州・・・エゾイヌゴマ aspera var.baicalensis
− 葉先の極先端は尖る.花弁の紫色は濃く,白筋は目立つ.北海道名寄市や千葉県で知られる・・・オトメイヌゴマ palustris
3.茎の稜に疎らに短い刺毛を持つ.本州(中部地方以西)、四国、九州、沖縄・・・ケナシイヌゴマ aspera var.japonica
− 茎の稜に密に短い刺毛を持つ.北海道、本州、九州・・・イヌゴマ aspera var.hispidula
33a.花冠の上唇は立ち上がって細く二分する,白色.本州(関東地方、近畿地方)・・・ニガハッカ属 Marrubium ニガハッカ vulgare
33b.花冠の上唇は単純・・・34.
34a.花冠の下唇は山折りになる・・・35.
34b.花冠の下唇はほぼ平ら・・・38.
35a.花冠は白色-黄色・・・36.
35b.花冠は薄紫色-赤色・・・37.
36a.花冠は白色で下唇は黄色.葉は楕円形-長楕円形・・・イヌゴマ属 Stachys セイヨウイヌゴマ annua
36b.花冠は全体白色.葉は短卵形.九州(吐喝喇島以南)、沖縄・・・ヤンバルツルハッカ属 Leucas ヤンバルツルハッカ mollissima var.
chinensis
37a.葉は長卵形.花冠の下唇に紫色の小斑点を散らす・・・イヌハッカ属 Nepeta ミソガワソウ subsessilis
37b.葉は三角形に近い短卵形・・・ラショウモンカズラ属 Meehania
1.花冠の下唇に紫色の斑点を持つ.本州、四国、九州・・・ラショウモンカズラ urticifolia
− 花冠の下唇に紫色の斑点を持たない.本州(兵庫県、和歌山県)・・・オチフジ montis-koyae
38a.葉はやや横広の半円形,明瞭な半円形の鋸歯縁.北海道、本州、四国、九州・・・カキドオシ属 Glechoma カキドオシ hederacea
grandis
38b.葉はせいぜい楕円形,通常三角形の鋸歯縁・・・39.
39a.花冠の上唇は短くて2裂けし先端は尖る,下唇の裂けは深くて中央片や左右片は縦長.葉が鋸歯縁の場合は不規則・・・キランソウ属 Ajuga
1.花冠は白色-薄紫色・・・2.
− 花冠は紫色・・・7.
2.葉は基部の小歯の次に小歯を持った大きな裂片があり,葉先に向けて幾つかの小歯を持つ.本州、四国、九州・・・オウギカズラ
japonica
− 葉は楕円形で粗い鋸歯縁・・・3.
3.小笠原(父島、母島、妹島).葉先は丸い・・・シマカコソウ boninsimae
− 琉球・・・4.
− 本土・・・5.
4.通常葉の最大幅は中央部.奄美大島、徳之島、喜界島、沖永良部島・・・オニキランソウ dictyocarpa
− 通常葉の最大幅は中央より前方.奄美大島以南・・・ヤエヤマキランソウ(ヤエヤマジュウニヒトエ) taiwanensis
5.花穂を形成しない(葉が混在する).本州(主に太平洋岸)、四国・・・ツクバキンモンソウ yesoensis var.tsukubana
− 花穂を形成する・・・6.
6.花穂の花冠は密.本州、四国・・・ジュウニヒトエ nipponensis
− 花穂の花冠は疎ら.本州(近畿地方以北)・・・ツルカコソウ(毛が密生=ケブカツルカコソウ) shikotanensis
7.葉の表面に光沢がない・・・8.
− 葉の表面に光沢がある・・・12.
8.通常花穂は高く,花冠は間が空くように密に付けない.葉の鋸歯縁は鈍く,葉先は鈍い・・・ルリカコソウ multiflora
− 花穂の花冠は重なるように密に付ける・・・9.
9.葉先は鋭角に尖る・・・10.
− 葉先は鈍角に鈍い・・・11.
10.葉の鋸歯縁はほぼ均一で浅い.北海道、本州、九州・・・カイジンドウ ciliata var.villosior
− 葉の鋸歯縁は不均一で深く,特に中央前方の1対は大きい.本州(茨城・栃木・群馬・埼玉・東京)・・・ヒイラギソウ incisa
11.全体に毛深い.葉の鋸歯縁は粗く数えられる程度,葉脈は緑色.北海道、本州、四国、九州・・・キランソウ(ジゴクノカマノフタ)
decumbens
− 全体に毛が薄い.葉の鋸歯縁は細かい,葉脈は紫色になりやすい.北海道、本州、九州(日本海側)・・・ニシキゴロモ yesoensis
12.葉を主に全体的に紫色掛かる.一般に背が高く花穂が伸びる・・・セイヨウジュウニヒトエ reptans
− 葉脈などが紫色掛かるが全体的に緑色.背は低く花穂は伸びない・・・13.
13.本州(関東-中部)・・・タチキランソウ(エンシュウニシキソウ) makinoi
− 九州(南部)、沖縄諸島・・・ヒメキランソウ pygmaea
39b.花冠は上唇は長くて先端は尖らない.下唇の裂けは浅くて中央片は楕円形.葉が鋸歯縁の場合は規則的・・・40.
40a.草体は小柄,丈約5cm.葉は長さ1cm前後.花冠の長さは1cm以下.屋久島、奈良県春日山・・・クルマバナ属 Clinopodium
ヤクシマトウバナ(コケトウバナ) multicaule var.minimum
40b.特に小柄な草体ではない・・・41.
41a.花冠は短い筒型,下唇は上唇より僅かに長くて下方に向かわない・・・シソ属 Perilla
1.葉の鋸歯縁は基部まで明瞭.本州(中部以南)、四国、九州・・・トラノオジソ hirtella
− 葉の鋸歯縁は基部で不明瞭・・・2.
2.雄蕊が花筒から突出する.本州(京都府が東限)、四国(主に瀬戸内水系の山間)・・・セトエゴマ setoyensis
− 雄蕊が花筒から突出しない.葉は卵形-楕円形,鋸歯は丸い・・・エゴマ frutescens
・葉は広卵形-広楕円形,鋸歯は尖る.本州(中部以南の太平洋側)、四国、九州・・・レモンエゴマ f.var.hirtella
・葉はほぼ円形,鋸歯は尖り,通常伸長する・・・シソ frutescens var.crispa
41b.花冠は唇型,下唇は上唇より明瞭に長くて通常下方に向かう・・・42.
42a.通常の株では花穂は車座を形成し(花穂が縦に伸びない),茎先や葉腋に密に多数付く・・・トウバナ属 Clinopodium
1.萼に長毛が目立つ・・・2.
− 萼は短毛が疎らにある程度・・・.
2.花冠の長さは15mm以上.本州(東北地方-北陸地方)・・・ミヤマクルマバナ macranthum
− 花冠の長さは15mm以下・・・3.
3.萼片の先端は針先状に伸長して尖る・・・chinense s.l.
1(2).花冠はほぼ白色,萼は緑色.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマクルマバナ c.shibetchense
2(1).花冠は紫色,萼は紫色掛かる・・・3.
3(4).本州(青森-福井県の主に日本海側)・・・オオクルマバナ c.stoloniferum
4(3).本州中部以西・・・5.
5(6).北海道、本州、四国、九州・・・クルマバナ c.grandiflorum
6(5).九州(西海岸、北部沿岸島嶼)、沖縄.茎に毛が濃く密生する・・・オキナワクルマバナ chinense s.str
− 萼片の先端は長三角形に尖るが伸長しない・・・4.
4.花穂は茎頂点に1輪だけ付き,時に2段,花冠は白色.葉は長卵形.本州(中部地方以西)、四国、九州・・・ヤマトウバナ multicaule
・葉は広卵形.本州(東北地方南部-中部地方)・・・ヒロハヤマトウバナ m.var.latifolium
・丈5cm程度.奈良県の春日山、屋久島ヤクシマトウバナ m.var.yakusimense
− 花穂の車座は茎の途中に数段付ける・・・5.
5.花冠は薄紫色.葉裏に腺点がない.本州、四国、九州、琉球・・・トウバナ gracile
− 花冠は白色.葉裏の腺点は明瞭.葉の主脈に微毛が密集する.開花期8-10月北海道、本州、四国、九州・・・イヌトウバナ micranthum
・葉裏の腺点は不明瞭.開花期7-9月.北海道、本州(近畿地方以北)・・・ミヤマトウバナ m.var.sachalinense
42b.花穂は車座を形成しない(花穂が縦に伸びる)・・・43.
43a.花冠の上唇の表面に顕著な長毛を生やす.北海道、本州(東北、関東、中部,近畿)、四国、九州・・・チシマオドリコソウ属 Galeopsis
チシマオドリコソウ bifida
43b.花冠は全体に微毛を生やす程度・・・44.
44a.花冠の下唇は括れて先端が掌状に拡がる・・・イヌハッカ属 Nepeta イヌハッカ(チクマハッカ) cataria
44b.花冠の下唇はほぼ単純・・・45.
45a.萼は長三角形で先端は針状に尖る・・・イヌゴマ属 Stachys ヤブチョロギ(ヤブイヌゴマ) arvensis
45b.萼の先端は尖るが,針状にはならない・・・46.
46a.花冠の長さは1cm前後以上,稀に5mm以下で下唇に数個の濃い紫色点を持つ・・・アキギリ属 Salvia
1.花冠の長さは5mm以下,下唇に数個の濃い紫色点を持つ.大型の葉の葉腋に小葉を持つ.本州(宮城県以南)、四国、九州・・・ミゾコウジュ plebeia
− 花冠の長さは1cm前後以上・・・2.
2.花冠は白味が強い.葉は基部にロゼット状に集中する.丈20cm以下.本州(紀伊半島以西)、四国、九州・・・ハルノタムラソウ
ranzaniana
− 花冠は淡黄色.本州(長野県佐久近辺、群馬県妙義山周辺)・・・シナノアキギリ koyamae
− 花冠は紫色系・・・3.
3.雄しべは上唇に沿い,先端は巻くように強く下向きに曲がる.本州、四国、九州、沖縄・・・アキノタムラソウ japonica
− 雄しべの先端は強く巻かない・・・4.
4.茎に長い柔毛が密に生える.小葉の葉先は鈍い.本州(岐阜県、愛知県、三重県)・・・シマジタムラソウ isensis
− 茎はほとんど無毛.小葉の葉先は尖る.本州(中部地方-近畿地方)・・・アキギリ glabrescens
・花冠は紫色と薄黄色が混じる・・・シボリミヤマアキギリ g.var.purpureomaculata
・全体やや小形で葉の切れ込みが深く,中裂片が楕円-長楕円形となる傾向をもつ.近畿南部・・・ハイコトジソウ g.var.
repens
46b.花冠の長さは5mm以下,時に下唇に薄い赤紫色紋を持つ・・・イヌコウジュ属 Mosla
1.花穂を形成せず,葉腋に付く.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマジソ japonica
− 細長い花穂を形成し,花だけを付ける・・・2.
2.葉の鋸歯は4-6対.全国・・・ヒメジソ dianthera
− 葉の鋸歯が6-13対.全国・・・イヌコウジュ scabra
《主な参照文献》
平野隆久,畔上能力,2013.山渓ハンディ図鑑1 増補改訂新版 野に咲く花.664 pp.山と渓谷社.
伊藤美千穂,1999.日本産シソ属植物の類縁および化学分類に関する研究.京都大学学術情報リポジトリKURENAI.58 pp.
門田裕一・永田芳男・畔上能力,2013.山渓ハンディ図鑑2 増補改訂新版 山に咲く花.616 pp.山と渓谷社.
黒崎史平,村田源,1983.ハイコトジソウについて.Acta Phytotax. Geobot.34(1-3): 90.
増村往夫,2006.ひと目で見分ける320種 ハイキングで出会う花 ポケット図鑑.190 pp.新潮文庫.
NPO法人埼玉県絶滅危惧植物種調査団,2016.増補改訂版 図説植物検索ハンドブック 埼玉2882種類. 527 pp.さきたま出版会.
Takano, Atsuko, 2020. Taxonomic study of Salvia lutescens (Lamiaceae): Lectotype designations and proposal for a new variety, var. occidentalis. Acta Phytotax. Geobot. 71(1): 45-53.
高野温子,2020.Salvia lutescens (シソ科)の分類学的検討: レクトタイプ指定と新変種 var.occidentalis (ニシノタムラソウ)の提案.植物地理・分類研究,68: 45-53.
著者:齋藤昌弘 [email protected]
[email protected]
8.I. 2025
オリジナルシートからのコピペで大きく段落が崩れ,修正してもUPで崩れてしまうので,見にくいかと思います。ご希望であればオリジナルWordシートをお送りしますので,ご連絡下さい。
ご指摘頂ければ幸いです。更に精度を上げたいと思います。
次回はアブラナ科を予定しています。
学名はなるべくフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を採用した.和名の別名は全てを網羅していない.日本の野外で見られるシソ科が対象で,園芸や農作及び交雑種は除外した.検索は種を基本としており,その中で亜種を検索させた.但し,属内の検索が困難さ故分類の配列を無視した部分や分割した属もある.var.やf.は基本と明確に区別出来ない事もあり,これらは列挙した.整理の便宜上,f.はvar.の下位として扱った.検索で使う特徴は,時間を掛けずに見た目で同定出来る部分を使用し,根・果実など短時間のその場では観察しにくい特徴は避けた.黄色の花を除いて,ほぼ全てのタクサには白花が存在し,葉の形状も種内で変化が多い.検索は種の標準的な形質に基づいて進行しており,亜種以下の変異では適合しない場合が出てくる.先ずは種の確定を行い,その特徴を踏まえて,亜種以下を確認して欲しい.この検索は決定的な同定手段ではなく,あくまでも正確な同定への手引きと考えて頂きたい.使用については,1株だけの観察ではなく,複数株の観察による平均的な特徴を踏まえるのが望ましい.var.やf.については,特定の限定された地域の固有群以外,特に考慮する必要性を感じない.しかし,これらはそれなりの特徴を示したものであり,将来の検証によっては独立した種や亜種として認められる場合があり.決して軽視すべきものでもない.尚,基種基型名は表示しない.
筆者は動物分類者であり,植物分類の学名表記には精通していない.よって,学名表示は動物の命名規約に近い表示となっている.例えば,亜種の場合,動物の場合はssp.を表示せず,種(小)名に続けて亜種名を記述するが,植物分類ではssp.を記述する.ここでは,スペースの関係もあって,動物分類同様にssp.を略して,種名に続いて亜種名を示した.
この検索では作成時の分類で表示している.植物の分類は日進月歩であり,更に分類が進展する可能性が高く,最新の情報をもって判断されたい.
<用語>
主にいがりまさし(2007)及び増村征夫(2006)を参照した.
草体=株全体.頭花=小花が集合した花序を含む.葉=花期の主たる茎葉を指す.舟形(葉の形状)=長楕円形で基部はやや狭まり葉先が細まって尖る.浅裂=深い鋸歯縁.中裂=葉の片幅の1/2まで裂ける,深裂=葉の片幅の2/3まで裂ける,全裂=主脈まで裂ける(以上,葉の裂け状態の境界は明瞭ではない).楓葉状に裂ける=全体的に半円形-広楕円形で掌状に深裂-全裂.菊葉状に裂ける=全体的に長楕円形-広卵形で縁が中裂-深裂.シダ葉状=主脈に対して左右対称に深裂-全裂.走出枝=地に這う枝.
<分布について>
シソ科は帰化種が多く、帰化種については具体的な分布地を示していない(逆に言えば、分布地が示されていないものは帰化種と思ってよ
い).
1a.木本(海浜では地を這う様に低木化する)・・・2.
1b.草本(時に丈が高まり基部が木質化する)・・・7.
(木本)
2a.花冠の長さは5mm以上・・・3.
2b.花冠の長さは5mm以下.葉は広楕円形・・・ハマクサギ属 Premna
1.花筒は長さ4mm以下.海岸.琉球・・・タイワンウオクサギ serratifolia
− 花筒は長さ2mm.琉球(石垣島)・・・ルゾンクサギ nauseosa
3a.花冠は唇形・・・4.
3b.花冠は車形・・・6.
4a.花冠は全体的に白基調で黄色味を交える・・・5.
4b.花冠は全体的に紫基調で白色味を交える(白花もあるが黄色を交えない)・・・ハマゴウ属 Vitex
1.葉は通常単葉で対生,広卵形-広楕円形で葉先は伸長しない.砂浜.本州、四国、九州、琉球・・・ハマゴウ rotundifolia
− 葉は通常複葉・・・2.
2.葉は倒卵形-楕円形、葉先は長く伸長しない.通常三出複葉.奄美大島以南・・・ミツバハマゴウ trifolia
− 葉は楕円形-長楕円形、葉先は長く伸長する.琉球(八重山)・・・ヤエヤマハマゴウ bicolor
5a.葉は長楕円形,五出複葉.沖縄(石垣、西表島)・・・ハマゴウ属 Vitex オオニンジンボク quinata
5b.葉は卵形,単葉で対生する.本州(近畿地方以西)、四国、九州、沖縄・・・ハマクサギ属 Premna ハマクサギ microphylla
6a.花冠は長さ5mm以内,花弁は広楕円形で薄赤紫色.花糸は白色,葯は黄色.花柄は花冠より短い(各種に白花型がある)・・・ムラサキシキブ属 Callicarpa
1.葉は厚い広楕円形で葉先は丸い,絨毛で覆われて特に裏は白くなる.小笠原諸島(父島(絶滅)、兄島)・・・ウラジロコムラサキ
parvifolia
− 葉は広楕円形で葉先は伸長して尖る・・・2.
2.葉は先半が数個の鋸歯縁.本州(岩手県で絶滅)、四国、九州、琉球・・・コムラサキ(コシキブ) dichotoma
− 葉は全体に細かい鋸歯縁・・・3.
3.枝や葉など全体的に白い細毛で覆われる.本州(宮城県以西)、四国、九州・・・ヤブムラサキ mollis
− 白い細毛は疎ら.葉は長さ10cm前後.山地.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・ムラサキシキブ japonica
・葉は長さ20cm前後.海岸.本州(東海地方以西)、四国、九州、琉球・・・オオムラサキシキブ j.var.luxurians
6b.花冠は対と異なる・・・クサギ属 Clerodendrum
1.花筒は非常に長く花弁の約5倍,花弁は強く反曲する.琉球・・・リンドレイクサギ lindleyi
− 花筒は長くても花弁の2倍,花弁は時に縁が内側に巻く・・・2.
2.花弁は白色・・・3.
− 花弁は赤色系・・・4.
3.葉は硬質,楕円形で葉先は単純に尖る.種子島、トカラ列島の宝島、琉球・・・イボタクサギ inerme
− 葉は軟質,広楕円形-広卵形で葉先は細く突出して尖る.葉の基部は円形.葉の表面に毛があり光沢が弱い.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・クサギ trichotomum
・葉の表面はほぼ無毛で光沢がある.九州(南部)、沖縄(久米島)・・・アマクサギ t.var.yakusimense
・葉の基部は心形.葉の表面に毛があり光沢が弱い.四国(南部)、九州(南部)、沖縄・・・シュウロウクサギ t.var.
esculentum
4.花冠は赤紫味が強く,散形花序で隙間がない.本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球・・・ボタンクサギ bungei
− 花冠は赤味が強く,円錐花序で隙間がある・・・5.
5.花冠全体が深紅色・・・ヒギリ japonicum
− 花冠は深紅で花弁のみ薄色で2色に見える・・・シマヒギリ(カクバヒギリ) paniculatum
(草木)
7a.花柱と花糸は下唇と同長か長く,通常花冠から突出し目立つ・・・8.
7b.花糸は下唇より短く,通常花冠内に収まり目立たない・・・20.
8a.花冠は縦に開き,花柱と花糸は花冠から上へ突出する・・・9.
8b.花冠は通常筒型で雄しべや花柱は前方に突出する・・・10.
9a.花冠は1cm以上,花柱と花糸は長く,強く湾曲する.北海道、本州、四国、九州・・・カリガネソウ属 Tripora カリガネソウ(ホカケソウ) divaricata
9b.花冠は5mm以下.花柱と花糸は単純に突き出る程度.本州・九州・・・ルリハッカ属 Amethystea ルリハッカ caerulea
10a.葉は羽状複葉・・・アキギリ属 Salvia
1.花筒は1cm以下,通常花は密集して付く.花冠は薄黄色.鈴鹿山脈に特産.本州(三重県、滋賀県、岐阜県)・・・ウスギナツノタムラソウ lutescens
・花冠は青紫色.本州(神奈川県〜近畿地方の太平洋側)・・・ナツノタムラソウ l.var.intermedia
・花冠は薄青色-白色.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマナツノタムラソウ l.var.crenata
・花冠は濃青紫色.本州(近畿地方)、四国(高知県)・・・ニシノタムラソウ l.var.occidentalis
・花冠は淡青紫色.茎の基部から長い走出枝を出す.本州(神奈川-愛知県)・・・ダンドタムラソウ l.var.stolonifera
− 花筒は1cm以上・・・2.
2.花筒は2cm以上.花冠は薄黄色.花期は8-10月.本州、四国、九州・・・キバナアキギリ nipponica
・花期は6月中旬-7月中旬.花冠は白に近い薄黄色.本州(長野県、岐阜県、愛知県)・・・キソキバナアキギリ n.var.
kisoensis
・葉の基部の三角形の裂片が大きい.本州(西部)、四国(高知県)、九州(鹿児島県)・・・ミツデコトジソウ n.var.
trisecta
− 花筒は2cm以下・・・3.
3.葉は基部に集中し,光沢が強い.本州(島根県、広島県)・・・テリハナツノタムラソウ akiensis
− 葉は茎の上部にも付く・・・4.
4.花は薄紫色,長毛が目立つ.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマタムラソウ lutescens var.
crenata
− 花は紫色,有毛だが目立つ程ではない.兵庫県北部及び鳥取県と京都府の一部・・・タジマタムラソウ omerocalyx
・福井県(今庄町、嶺南地方).茎が這う・・・ハイタムラソウ o.var.prostrata
10b.葉は単葉・・・11.
11a.葉は線形-広線形・・・ミズトラノオ属 Pogostemon
1.花冠は淡い紫色.葉は3-4輪生.本州、四国、九州・・・ミズトラノオ yatabeanus
− 花冠は淡い白色.葉は4-6輪生.本州、四国、九州・・・ミズネコノオ stellatus
11b.葉は長楕円形-より幅広い・・・12.
12a.通常草体は立ち上がらず地面に伏す.花冠は筒型で唇形.葉の表面に毛を持たない.日当たりの良い岩地.北海道、本州、九州・・・イブキジャコウソウ属 Thymus イブキジャコウソウ quinquecostatus
・海岸性・・・ハマジャコウソウ q.f.maritimus
・葉の表面に粗い毛を持つ.本州(北アルプス)・・・ヒメヒャクリコウ q.var.canescens
12b.草体は立ち上がる・・・13.
13a.花冠の下唇の縁に糸状の付属物を持つ.花冠は一見して数段の車座状に付く.九州・・・ダンギク属 Caryopteris ダンギク incana
13b.花冠の下唇の縁に明瞭な糸状の付属物を持たない・・・14.
14a.花穂を形成する場合,一部でも偏側性(茎の片側に偏る)がある・・・15.
14b.花穂を形成する場合,偏側性がない・・・16.
15a.花は白色.花柱や時に花糸は萼を含めた花筒より長い.本州(関東地方以南)、四国、九州・・・シモバシラ属 Collinsonia シモバシラ
japonica
15b.花は紫色系.花柱や時に花糸は萼を含めた花筒より短い・・・ナギナタコウジュ属 Elsholtzia
1.花冠は紅紫色,不明瞭な偏側性に付く.葉の縁は直線的.全国?・・・イワナギナタコウジュ serotina
− 花冠は薄紅紫色,明瞭な偏側性に付く.葉の縁は緩く弧を描く・・・2.
2.大型の苞は円形,表面に毛を持たない.北海道、本州、四国、九州・・・ナギナタコウジュ ciliata
− 大型の苞は台形,表面に毛を持つ.本州(福島県以西)、四国、九州・・・フトボナギナタコウジュ nipponica
16a.花筒は花弁まで開かず,筒状・・・テンニンソウ属 Leucosceptrum
1.葉は楕円形-長楕円形,裏に星状毛を持たない.花冠は白色味が強い.葉の裏は無毛.北海道、本州、四国、九州・・・テンニン
japonicum
・花序のすぐ下の葉の裏の主脈に毛が多い.北海道、本州、四国、九州・・・フジテンニンソウ j.f.barvinerve
− 葉は広楕円形-広卵形,裏に一時的でも星状毛を持つ.薄紅色を帯びる.葉は広楕円形.本州(中部地方、近畿地方、中国地方)
・・・ミカエリソウ stellipilum
・葉は丸みが強い.本州(広島県・島根県・山口県)、四国、九州・・・オオマルバノテンニンソウ s.var.radicans
16b.花弁は開く・・・17.
17a.花弁はほぼ均等に裂け,各裂片の形状や長さは似ている・・・ハッカ属 Mentha (園芸種との関わりが深く,ここでは限定する)
1.葉柄が無い・・・2.
− 葉柄が有る・・・5.
2.葉は全縁,表面は滑らか.湿地.北海道、本州・・・ヒメハッカ japonica
・丈1m以上で倒伏・・・ハイヒメハッカ j.f.prostrat
− 葉は多少とも鋸歯縁・・・3.
3.葉は卵形,鋸歯縁の先端は丸い・・・マルバハッカ(アップルミント) suaveolens
− 葉は長卵形-舟形,鋸歯縁の先端は角張る・・・4.
4.茎はほぼ無毛.葉の鋸歯縁は明瞭,葉先は明瞭に尖る・・・ミドリハッカ spicata
− 茎に柔毛を生やす.葉の鋸歯縁は弱い,葉先は鈍く尖る・・・・・・ナガバハッカ longifolia
5.葉は長楕円形,葉先はやや伸びて弱く尖る.北海道、本州、四国、九州・・・(ニホン)ハッカ canadensis var. piperascens
− 葉は卵形,葉先は鈍い・・・ヨウシュハッカ arvensis
17b.花弁は不均等に裂け,各裂片の形状や長さは異なる(シソ類らしい花)・・・18.
18a.花冠はほぼ白色で上唇に青い斑点を持つ.北海道(西南部)、本州、四国、九州・・・ヤマハッカ属 Isodon ヒキオコシ(エンメイソウ)
japonicus
18b.花冠の上唇に青い斑点を持たない・・・19.
19a.花柱や花糸は花筒の中央から出る.花が落ちた萼片も紫色.葉は卵形-心形.葉の鋸歯縁の先端は鈍く尖る,明瞭な柄を持つ.北海道、本州、四国、九州・・・カワミドリ属 Agastache カワミドリ rugosa
19b.花柱や花糸は花筒の上部から出る・・・ニガクサ属 Teucrium
1.萼はほとんど無毛.葉の縁の鋸歯は細かい.全国・・・ニガクサ japonicum
− 萼に微毛を持つ.葉の縁の鋸歯はやや粗い・・・2.
2.九州(南部)、沖縄・・・ツルニガクサ viscidum
− 本州以北・・・3.
3.草体全体に顕著な柔毛を生やす.北海道、本州・・・エゾニガクサ veronicoides
・柔毛が短い.葉の鋸歯が大きい.本州(東北地方)・・・イヌニガクサ v.var.brachytrichum
− 茎には上部の節にだけ柔毛がある.葉の表面か脈上に粗毛が疎らにある.北海道、本州・・・テイネニガクサ teinense
20a.草体は木本に近い大型,基部は木質化する.花冠は葉腋から1個-数個が列を成して垂れ下がり,寸胴の筒型で長さ3cm以上,赤紫色系・・・ジャコウソウ属 Chelonopsis
1.花柄は葉柄より明らかに長い.本州(神奈川県以西)、四国、九州の主に太平洋側・・・タニジャコウソウ longipes
− 花柄は葉柄に近い長さ・・・2.
2.葉や茎に立毛で覆われる.本州(中部地方)、四国(愛媛県)・・・アシタカジャコウソウ yagiharana
− 葉や茎は特に立毛が顕著でない.北海道、本州、四国、九州・・・ジャコウソウ moschata
20b.対とは異なる.草体は一般的な草本.花冠は唇形,長い場合は基部が細くなる・・・21.
21a.花序は球体で葉腋に付く.八重山・・・イガニガクサ属 Hyptis ナントウイガクサ brevipes
21b.花序は球体にならず一般的・・・22.
22a.花冠の上唇は大きな兜状になって下唇の上に被る・・・23.
22b.花冠の上唇は特別大きな兜状にはならない(下唇の上に被る場合がある)・・・24.
23a.花は茎の先に花穂をつくる・・・ウツボグサ属 Prunella
1.明瞭な葉柄を持つ.北海道、本州、四国、九州・・・ウツボグサ v.asiatica
・白花・・・シロバナウツボグサ v.a.f.albiflora
・北海道-本州の高地で花色が濃くなり走出枝を出さない・・・ミヤマウツボグサ v.a.var.aleutica
・紅花・・・ベニバナウツボグサ v.a.var.lilacina f.lillacina
− 葉柄を持たない.本州中部以北の高山・・・タテヤマウツボグサ prunelliformis
23b.花冠は葉腋にも付く(花穂状の場合は中間に葉が混じる)・・・オドリコソウ属 Lamium
1.上唇は大きく,上から見ると下唇が隠れる.通常は輪生した花は間が開く・・・2.
− 上唇は小さく,上から見ると下唇が見える.輪生した花は蜜に重なる・・・・4.
2.葉に斑が入らない.花は白色-淡紅紫色.花期は3-6月.北海道、本州、四国、九州・・・オドリコソウ album var.barbatum
・花は薄黄色,花期は7-8月.山梨県北岳の亜高山帯の沢筋の草地や林縁・・・キタダケオドリコソウ a.var.kitadakense
− 葉に斑が入る・・・3.
3.花は黄色系・・・キバナオドリコソウ(ツルオドリコソウ) galeobdolon
− 花は紫色系.北海道・・・フイリオドリコソウ maculatum
4.花冠の筒部は短く,葉に隠れて見えない.上部の葉は赤紫色を帯びる.全国・・・ヒメオドリコソウ purpureum
− 花冠の筒部は長く,葉から鎌首を上げたように見える.上部の葉は緑色.本州、四国、九州、琉球諸島・・・ホトケノザ amplexicaule
5.上2種の交雑起源で中間の特徴を持つ・・・モミジバヒメオドリコソウ(キレハヒメオドリコソウ) dissectum
24a.花冠は萼の中心線に対して斜めに伸び,開口部は萼と同じ方向を向かない・・・25.
24b.花冠は萼の中心線上に伸び,開口部は萼と同じ方向を向く・・・26.
25a.花冠は萼の中心線に対して下向き,開口部は萼の中心線より下がる・・・ヤマハッカ属 Isodon
1.花冠は黒紫色,下唇は舟状で蕊が収まる.北海道、本州(近畿地方以北の日本海側)・・・クロバナヒキオコシ trichocarpus
− 花冠は紫色・・・2.
2.花冠の上唇に紫色の斑点がある・・・3.
− 花冠の上唇に紫色の斑点がない・・・4.
3.花糸(葯)や花柱は下唇の中にある.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマハッカ inflexus
− 花糸(葯)や花柱は下唇から出る.・・・ヒキオコシ japonicus
4.花冠の筒部は長く,底辺は下唇のほぼ3倍・・・5.
− 花冠の筒部は短く,底辺は下唇と同長か2倍以下(筒部が長いものも混じる、特にサンインヒキオコシ)・・・6.
5.花柄が短くて花冠が密集する,萼の裂片の先端は角張る程度.本州(岐阜県以西)、四国、九州・・・アキチョウジ longitubus
− 花柄が長くて花冠が分散する,萼の裂片の先端は細く尖る.本州(愛知県以東の中部地方および関東地方)・・・セキヤノアキチョウ
ジ effusus
6.葉裏の主脈に細毛が有り,花柄や萼は無毛.萼歯は三角形.本州(関東地方西南部-中部地方東南部)・・・イヌヤマハッカ umbrosus
葉先の直前で深裂しない.
・本州(山梨県、長野県南部、静岡県、愛知県)・・・コウシンヤマハッカ u.var.latifolius
葉先の直前で深裂する(深裂しない葉も混じる)
・葉先の裂片は単純な針形.本州(東北地方南部-中部地方)・・・カメバヒキオコシ u.var.leucanthus f.kameba
・葉先の裂片は広がって粗い鋸歯縁(単純な針形も混じる).花冠は長さ9-11mm(通常花柄と同長か短い).本州(長野県-滋賀県)・・・ハクサンカメバヒキオコシ u.var.hakusanensis
・葉先の裂片は広がって粗い鋸歯縁(単純な針形も混じる).花冠は長さ12-15mm(通常花柄より長い).本州(北陸-東北地方の日本海側)・・・タイリンヤマハッカ u.var.excisinflexus
− 葉裏の主脈は無毛,花柄や萼に微細毛がある.萼歯の先端が細長くなる.花冠の長さは6mm以下.本州(東北-中部)、四国・・・ミヤマヒキオコシ shikokianus
・花冠の長さは12-20mm.本州(北陸地方西部-山陰地方)、九州(北部)・・・サンインヒキオコシ s.var.occidentalis
・花冠の長さは約10mm.本州(福島県以西の太平洋岸)、四国、九州・・・タカクマヒキオコシ s.var.intermedius
25b.花冠は萼の中心線に対して鎌首を上げたように上を向き,開口部は萼の中心線より上がる・・・タツナミソウ属 Scutellaria
1.花冠は黄色・・・タロコタツナミソウ tashiroi var.tomentosa
− 花冠は白色-青色系・・・2.
2.花冠は白色,筒部は非常に細長く開口部手前で急に拡がる.小笠原諸島の父島、兄島の固有種・・・ムニンタツナミソウ
longituba
− 花冠は白色-青色系,白色の場合は筒部が太短い・・・3.
3.花冠の筒部は短くて通常下唇と同長か短く,長さは10mm以下・・・4.
− 花冠の筒部は長くて通常下唇より長く,長さは10mm以上・・・6.
4.葉は卵形,葉先は鈍くてほぼ全縁.北海道、本州、九州・・・ヒメナミキ dependens
− 葉は明瞭な鋸歯縁・・・5.
5.葉柄は葉の半長より明瞭に短い.本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄・・・コナミキ guilielmii
− 葉柄は葉のほぼ半長.茎や葉に微毛は目立たない.本州(関東地方以西)、四国、九州・・・ミヤマナミキ shikokiana
・茎や葉に微毛を密生する.四国、九州(南部)・・・ケミヤマナミキ s.var.pubicaulis
6.海岸の砂地に生える.花冠は2個が並んで同じ方向を向く.北海道、本州、四国、九州・・・ナミキソウ strigillosa
− 土質に生える.通常花冠は穂状花序を作る・・・7.
7.葉は楕円形-長楕円形,鋸歯縁は鈍い・・・8.
− 葉は卵形-広卵形,紛らわしい場合は先が歯丸い鋸歯縁が明瞭・・・9.
8.北海道、本州(北部、長野県).葉先は伸長して弱く尖る・・・エゾナミキ yezoensis
− 九州(熊本県).葉先はあまり伸長せず尖らない・・・セイタカナミキソウ barbata
9.花冠は密な花序ではなく、葉腋に疎らに付く.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマタツナミソウ pekinensis
− 花冠は草体の上部に穂状花序に付く・・・10.
10.葉の長さは1cm以下・・・11.
− 葉の長さは1cm以上・・・12.
11.花冠は紫色.丈20cm以下.本州(関東地方以西)、四国、九州、奄美大島・・・コバノタツナミ(ビロウドタツナミ) indica var.parvifolia
− 花冠は白色-薄紫色.喜界島・・・ヒメタツナミソウ kikai-insularis
12.南西諸島・・・13.
− 九州本土以北・・・15.
13.卵形の葉は基部が円形.屋久島・・・ヤクシマシソバタツナミ(ネット上では下記ヒメアカボシタツナミと混同されているようで,和
名のみではなく,学名で参照した方が良い) laetviolacea var.kuromidakensis
− 卵形の葉は基部が心形・・・14.
14.丈10cm以下.葉先は鈍く丸まって全体的に楕円形に近い.屋久島高地・・・ヒメアカボシタツナミ(下記アカボシタツナミソウと連続
する) rubropunctata var.yakusimensis
− 丈10cm以上.葉先は短く伸長して全体的に三角形に近い.屋久島低地、沖縄・・・アカボシタツナミソウ rubropunctata (沖永良部島、奄美大島、与論島はやや小型になりアマミタツナミソウ rubropunctata var.naseanaとされる).
15.花冠の下唇に斑点を持たない・・・16.
− 花冠の下唇に斑点を持つ・・・17.
16.葉の裏面は全体に細毛を生やす.特に主幹茎の毛は開出する.本州(新潟県以西の日本海側)・・・ホクリクタツナミソウ indica var.satokoae
− 葉の裏面は葉脈のみ細毛を生やす.特に主幹茎の毛は下向き.本州(主に日本海側)・・・デワノタツナミソウ muramatsui
17.花冠は斜め上(60度)に立つ.特に主幹茎は僅かに上向きの微毛を持つ.北海道、本州(近畿地方以北)・・・エゾタツナミソウ
pekinensis var.ussuriensis
− 花冠はほぼ垂直に立つ・・・18.
18.特に主幹茎は目視でほとんど無毛.本州・・・ヤマジノタツナミソウ amabilis
− 茎に細毛が目立つ・・・19.
19.葉は長卵形で明瞭に幅より長い,よく葉脈に白色の斑が入る.特に主幹茎の毛は上向き.本州(西部)、四国、九州・・・ツクシタツ
ナミソウ kiusiana
− 葉は卵形-短卵形で幅と長さが同じか僅かに幅より長い程度,時に葉脈に暗色の斑が入る・・・20.
20.節間は詰まり,葉の長さより狭い.よく葉脈に暗色の斑が入る.草体は全体に寸詰まり・・・21.
− 節間は伸び,葉の長さと同長か長い.葉脈に暗色の斑は入らない.草体は全体に間延びする・・・24.
21.特に主幹茎の毛は開出する(横に開く).本州(福島県以西)、四国、九州・・・トウゴクシソバタツナミ laeteviolacea var.abbreviata
− 特に主幹茎の毛は下向き.本州(福島県以南)・・・ホナガタツナミソウ laeteviolacea var.maekawae
22.特に主幹茎の毛は上向き・・・23.
− 葉は厚味があり,脈は表面で凹む.九州(対馬)、本州(広島県)・・・アツバタツナミソウ tsusimensis
23.葉は一般的で対の様な特徴を持たない.本州(福島県以西)、 四国、九州・・・シソバタツナミ laeteviolacea
− 特に主幹茎の毛は上向き.本州(中国地方)、四国・・・ハナタツナミソウ iyoensis
24.特に主幹茎の毛は下向き.本州(関東、中部、近畿、中国)、四国・・・オカタツナミソウ brachyspica
− 特に主幹茎の毛は開出する(横に開く)・・・25.
25.葉裏に腺点がある.通常主幹茎は赤味を帯び,花冠の筒部は薄紫色.本州、四国、九州・・・タツナミソウ indica
− 葉裏に腺点がない.通常主幹茎は緑味を帯び,花冠の筒部は白色.本州(福島県以西)、四国、九州・・・イガタツナミ laeteviolacea
var. kurokawae
26a.花冠はほぼ釣鐘型で下を向いて開く,白色.本州(関東以西の太平洋岸)、四国、九州、琉球列島・・・スズコウジュ属 Perillula スズコウジュ reptans
26b.花冠は唇形・・・27.
27a.花は葉腋のみに付く(茎先に付かない.場合によっては茎先に花穂を形成するが,葉の表面は縮緬状になる)・・・28.
27b.花は葉腋だけに付かない・・・29.
28a.花冠は1cm以上,紫色系・・・メハジキ属 Leonurus
1.花冠は白色の長毛で覆われる.北海道、本州(神奈川県)・・・モミジバキセワタ cardiaca
− 花冠には毛は目立たない・・・2.
2.葉または大型の裂片は卵形-狭卵形.北海道、本州、四国、九州・・・キセワタ macranthus
− 葉または大型の裂片は広線形.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・メハジキ japonicus
28b.花冠は5mm-1cm,白色-黄色.葉の表面は細かい網目状の皺に覆われる・・・コウスイハッカ属 Melissa セイヨウヤマハッカ officinalis
28c.花冠は5mm以下,白色・・・シロネ属 Lycopus
1.花冠の長さは3mm・・・2.
− 花冠の長さは5mm・・・3.
2.萼の裂片の先端は細く尖る.北海道、本州、四国、九州・・・コシロネ(ヒメサルダヒコ,イヌシロネ) cavaleriei
− 萼の先端は鈍い.北海道、本州、四国、九州・・・エゾシロネ uniflorus
3.葉の長さは4cm.北海道、本州、四国、九州・・・ヒメシロネ maackianus
− 葉の長さは8cm.北海道、本州、四国、九州・・・シロネ lucidus
・茎の節間や葉の下面に長毛がある=ケシロネ l.f. hirtus
29a.花冠は暗紅紫色で白い縁取りがある.本州(神奈川県以西)、四国、九州・・・マネキグサ属 Loxocalyx マネキグサ ambiguus
・葉の鋸歯が深くて先端が尖る・・・キレハマネキグサ a.var.laciniatus
29b.花冠は対のような配色ではない・・・30.
30a.葉または小葉は広線形,中央部分の側縁は平行・・・31.
30b.葉または小葉は楕円形-円形,中央部分の側縁は弓曲・・・33.
31a.花冠の長さは5mm以下.花冠は主に茎の頂点に総状に付け,薄紫色.葉の鋸歯縁は鈍い.本州(中国地方)、九州(北部)・・・イヌコウジュ属 Mosla ホソバヤマジソ chinensis
31b.花冠の長さは10mm以上・・・32.
32a.葉は全縁で裏側に巻く.北海道、本州(中部地方以北)・・・ムシャリンドウ属 Dracocephalum ムシャリンドウ argunense
32b.葉は鋸歯縁で裏側に巻かない・・・イヌゴマ属 Stachys
1.茎の稜に明瞭な毛を生やす・・・2.
− ほぼ無毛か茎の稜に目立たない刺毛を生やす程度・・・3.
2.葉先の極先端は鈍い.花弁の紫色は薄く,白筋は目立たない.北海道、本州・・・エゾイヌゴマ aspera var.baicalensis
− 葉先の極先端は尖る.花弁の紫色は濃く,白筋は目立つ.北海道名寄市や千葉県で知られる・・・オトメイヌゴマ palustris
3.茎の稜に疎らに短い刺毛を持つ.本州(中部地方以西)、四国、九州、沖縄・・・ケナシイヌゴマ aspera var.japonica
− 茎の稜に密に短い刺毛を持つ.北海道、本州、九州・・・イヌゴマ aspera var.hispidula
33a.花冠の上唇は立ち上がって細く二分する,白色.本州(関東地方、近畿地方)・・・ニガハッカ属 Marrubium ニガハッカ vulgare
33b.花冠の上唇は単純・・・34.
34a.花冠の下唇は山折りになる・・・35.
34b.花冠の下唇はほぼ平ら・・・38.
35a.花冠は白色-黄色・・・36.
35b.花冠は薄紫色-赤色・・・37.
36a.花冠は白色で下唇は黄色.葉は楕円形-長楕円形・・・イヌゴマ属 Stachys セイヨウイヌゴマ annua
36b.花冠は全体白色.葉は短卵形.九州(吐喝喇島以南)、沖縄・・・ヤンバルツルハッカ属 Leucas ヤンバルツルハッカ mollissima var.
chinensis
37a.葉は長卵形.花冠の下唇に紫色の小斑点を散らす・・・イヌハッカ属 Nepeta ミソガワソウ subsessilis
37b.葉は三角形に近い短卵形・・・ラショウモンカズラ属 Meehania
1.花冠の下唇に紫色の斑点を持つ.本州、四国、九州・・・ラショウモンカズラ urticifolia
− 花冠の下唇に紫色の斑点を持たない.本州(兵庫県、和歌山県)・・・オチフジ montis-koyae
38a.葉はやや横広の半円形,明瞭な半円形の鋸歯縁.北海道、本州、四国、九州・・・カキドオシ属 Glechoma カキドオシ hederacea
grandis
38b.葉はせいぜい楕円形,通常三角形の鋸歯縁・・・39.
39a.花冠の上唇は短くて2裂けし先端は尖る,下唇の裂けは深くて中央片や左右片は縦長.葉が鋸歯縁の場合は不規則・・・キランソウ属 Ajuga
1.花冠は白色-薄紫色・・・2.
− 花冠は紫色・・・7.
2.葉は基部の小歯の次に小歯を持った大きな裂片があり,葉先に向けて幾つかの小歯を持つ.本州、四国、九州・・・オウギカズラ
japonica
− 葉は楕円形で粗い鋸歯縁・・・3.
3.小笠原(父島、母島、妹島).葉先は丸い・・・シマカコソウ boninsimae
− 琉球・・・4.
− 本土・・・5.
4.通常葉の最大幅は中央部.奄美大島、徳之島、喜界島、沖永良部島・・・オニキランソウ dictyocarpa
− 通常葉の最大幅は中央より前方.奄美大島以南・・・ヤエヤマキランソウ(ヤエヤマジュウニヒトエ) taiwanensis
5.花穂を形成しない(葉が混在する).本州(主に太平洋岸)、四国・・・ツクバキンモンソウ yesoensis var.tsukubana
− 花穂を形成する・・・6.
6.花穂の花冠は密.本州、四国・・・ジュウニヒトエ nipponensis
− 花穂の花冠は疎ら.本州(近畿地方以北)・・・ツルカコソウ(毛が密生=ケブカツルカコソウ) shikotanensis
7.葉の表面に光沢がない・・・8.
− 葉の表面に光沢がある・・・12.
8.通常花穂は高く,花冠は間が空くように密に付けない.葉の鋸歯縁は鈍く,葉先は鈍い・・・ルリカコソウ multiflora
− 花穂の花冠は重なるように密に付ける・・・9.
9.葉先は鋭角に尖る・・・10.
− 葉先は鈍角に鈍い・・・11.
10.葉の鋸歯縁はほぼ均一で浅い.北海道、本州、九州・・・カイジンドウ ciliata var.villosior
− 葉の鋸歯縁は不均一で深く,特に中央前方の1対は大きい.本州(茨城・栃木・群馬・埼玉・東京)・・・ヒイラギソウ incisa
11.全体に毛深い.葉の鋸歯縁は粗く数えられる程度,葉脈は緑色.北海道、本州、四国、九州・・・キランソウ(ジゴクノカマノフタ)
decumbens
− 全体に毛が薄い.葉の鋸歯縁は細かい,葉脈は紫色になりやすい.北海道、本州、九州(日本海側)・・・ニシキゴロモ yesoensis
12.葉を主に全体的に紫色掛かる.一般に背が高く花穂が伸びる・・・セイヨウジュウニヒトエ reptans
− 葉脈などが紫色掛かるが全体的に緑色.背は低く花穂は伸びない・・・13.
13.本州(関東-中部)・・・タチキランソウ(エンシュウニシキソウ) makinoi
− 九州(南部)、沖縄諸島・・・ヒメキランソウ pygmaea
39b.花冠は上唇は長くて先端は尖らない.下唇の裂けは浅くて中央片は楕円形.葉が鋸歯縁の場合は規則的・・・40.
40a.草体は小柄,丈約5cm.葉は長さ1cm前後.花冠の長さは1cm以下.屋久島、奈良県春日山・・・クルマバナ属 Clinopodium
ヤクシマトウバナ(コケトウバナ) multicaule var.minimum
40b.特に小柄な草体ではない・・・41.
41a.花冠は短い筒型,下唇は上唇より僅かに長くて下方に向かわない・・・シソ属 Perilla
1.葉の鋸歯縁は基部まで明瞭.本州(中部以南)、四国、九州・・・トラノオジソ hirtella
− 葉の鋸歯縁は基部で不明瞭・・・2.
2.雄蕊が花筒から突出する.本州(京都府が東限)、四国(主に瀬戸内水系の山間)・・・セトエゴマ setoyensis
− 雄蕊が花筒から突出しない.葉は卵形-楕円形,鋸歯は丸い・・・エゴマ frutescens
・葉は広卵形-広楕円形,鋸歯は尖る.本州(中部以南の太平洋側)、四国、九州・・・レモンエゴマ f.var.hirtella
・葉はほぼ円形,鋸歯は尖り,通常伸長する・・・シソ frutescens var.crispa
41b.花冠は唇型,下唇は上唇より明瞭に長くて通常下方に向かう・・・42.
42a.通常の株では花穂は車座を形成し(花穂が縦に伸びない),茎先や葉腋に密に多数付く・・・トウバナ属 Clinopodium
1.萼に長毛が目立つ・・・2.
− 萼は短毛が疎らにある程度・・・.
2.花冠の長さは15mm以上.本州(東北地方-北陸地方)・・・ミヤマクルマバナ macranthum
− 花冠の長さは15mm以下・・・3.
3.萼片の先端は針先状に伸長して尖る・・・chinense s.l.
1(2).花冠はほぼ白色,萼は緑色.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマクルマバナ c.shibetchense
2(1).花冠は紫色,萼は紫色掛かる・・・3.
3(4).本州(青森-福井県の主に日本海側)・・・オオクルマバナ c.stoloniferum
4(3).本州中部以西・・・5.
5(6).北海道、本州、四国、九州・・・クルマバナ c.grandiflorum
6(5).九州(西海岸、北部沿岸島嶼)、沖縄.茎に毛が濃く密生する・・・オキナワクルマバナ chinense s.str
− 萼片の先端は長三角形に尖るが伸長しない・・・4.
4.花穂は茎頂点に1輪だけ付き,時に2段,花冠は白色.葉は長卵形.本州(中部地方以西)、四国、九州・・・ヤマトウバナ multicaule
・葉は広卵形.本州(東北地方南部-中部地方)・・・ヒロハヤマトウバナ m.var.latifolium
・丈5cm程度.奈良県の春日山、屋久島ヤクシマトウバナ m.var.yakusimense
− 花穂の車座は茎の途中に数段付ける・・・5.
5.花冠は薄紫色.葉裏に腺点がない.本州、四国、九州、琉球・・・トウバナ gracile
− 花冠は白色.葉裏の腺点は明瞭.葉の主脈に微毛が密集する.開花期8-10月北海道、本州、四国、九州・・・イヌトウバナ micranthum
・葉裏の腺点は不明瞭.開花期7-9月.北海道、本州(近畿地方以北)・・・ミヤマトウバナ m.var.sachalinense
42b.花穂は車座を形成しない(花穂が縦に伸びる)・・・43.
43a.花冠の上唇の表面に顕著な長毛を生やす.北海道、本州(東北、関東、中部,近畿)、四国、九州・・・チシマオドリコソウ属 Galeopsis
チシマオドリコソウ bifida
43b.花冠は全体に微毛を生やす程度・・・44.
44a.花冠の下唇は括れて先端が掌状に拡がる・・・イヌハッカ属 Nepeta イヌハッカ(チクマハッカ) cataria
44b.花冠の下唇はほぼ単純・・・45.
45a.萼は長三角形で先端は針状に尖る・・・イヌゴマ属 Stachys ヤブチョロギ(ヤブイヌゴマ) arvensis
45b.萼の先端は尖るが,針状にはならない・・・46.
46a.花冠の長さは1cm前後以上,稀に5mm以下で下唇に数個の濃い紫色点を持つ・・・アキギリ属 Salvia
1.花冠の長さは5mm以下,下唇に数個の濃い紫色点を持つ.大型の葉の葉腋に小葉を持つ.本州(宮城県以南)、四国、九州・・・ミゾコウジュ plebeia
− 花冠の長さは1cm前後以上・・・2.
2.花冠は白味が強い.葉は基部にロゼット状に集中する.丈20cm以下.本州(紀伊半島以西)、四国、九州・・・ハルノタムラソウ
ranzaniana
− 花冠は淡黄色.本州(長野県佐久近辺、群馬県妙義山周辺)・・・シナノアキギリ koyamae
− 花冠は紫色系・・・3.
3.雄しべは上唇に沿い,先端は巻くように強く下向きに曲がる.本州、四国、九州、沖縄・・・アキノタムラソウ japonica
− 雄しべの先端は強く巻かない・・・4.
4.茎に長い柔毛が密に生える.小葉の葉先は鈍い.本州(岐阜県、愛知県、三重県)・・・シマジタムラソウ isensis
− 茎はほとんど無毛.小葉の葉先は尖る.本州(中部地方-近畿地方)・・・アキギリ glabrescens
・花冠は紫色と薄黄色が混じる・・・シボリミヤマアキギリ g.var.purpureomaculata
・全体やや小形で葉の切れ込みが深く,中裂片が楕円-長楕円形となる傾向をもつ.近畿南部・・・ハイコトジソウ g.var.
repens
46b.花冠の長さは5mm以下,時に下唇に薄い赤紫色紋を持つ・・・イヌコウジュ属 Mosla
1.花穂を形成せず,葉腋に付く.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマジソ japonica
− 細長い花穂を形成し,花だけを付ける・・・2.
2.葉の鋸歯は4-6対.全国・・・ヒメジソ dianthera
− 葉の鋸歯が6-13対.全国・・・イヌコウジュ scabra
《主な参照文献》
平野隆久,畔上能力,2013.山渓ハンディ図鑑1 増補改訂新版 野に咲く花.664 pp.山と渓谷社.
伊藤美千穂,1999.日本産シソ属植物の類縁および化学分類に関する研究.京都大学学術情報リポジトリKURENAI.58 pp.
門田裕一・永田芳男・畔上能力,2013.山渓ハンディ図鑑2 増補改訂新版 山に咲く花.616 pp.山と渓谷社.
黒崎史平,村田源,1983.ハイコトジソウについて.Acta Phytotax. Geobot.34(1-3): 90.
増村往夫,2006.ひと目で見分ける320種 ハイキングで出会う花 ポケット図鑑.190 pp.新潮文庫.
NPO法人埼玉県絶滅危惧植物種調査団,2016.増補改訂版 図説植物検索ハンドブック 埼玉2882種類. 527 pp.さきたま出版会.
Takano, Atsuko, 2020. Taxonomic study of Salvia lutescens (Lamiaceae): Lectotype designations and proposal for a new variety, var. occidentalis. Acta Phytotax. Geobot. 71(1): 45-53.
高野温子,2020.Salvia lutescens (シソ科)の分類学的検討: レクトタイプ指定と新変種 var.occidentalis (ニシノタムラソウ)の提案.植物地理・分類研究,68: 45-53.
著者:齋藤昌弘 [email protected]
[email protected]
8.I. 2025
日本産シソ科検索表(全面改定版)
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