山の装備で最も重要な物の一つは登山地図でしょう。季節やジャンルによって持って行く装備は変わりますが、登山地図はほぼ全てのケースで持って行く物だと思います。
結婚して暫く山をやっていなかった為、古い登山地図も残していました。登山を再開した際、日帰りのみという条件になってしまった為、まずは近場の丹沢からにしました。その際に取りあえず古い地図ですまそうかと思って見直したところ、非常に大きな物が載っていない事に気づいて地図を買いなおしました。それは宮ケ瀬湖が昭和61年版の丹沢の登山地図には無かったのです。
宮ケ瀬湖が有る辺りは中津渓谷となっていて、地図を見る限りはかなり急峻な崖の有る渓谷だった様なのです。道路マップと比較してもなかなか変わっていて面白く、当時の様子を想像するのは楽しいのですが、これを基に登山するのはちょっと危険ですね。2007年の丹沢版を購入してから、当然昭和61年版の地図を開く事はなくなったのですが、去年あたりからまた見る様になりました。その理由は後で書くとして、まずこの同じ会社が発行している二つの登山地図を比較してみると面白い事が分かります。
昭和61年版:4万分の一。コースタイムの基準の表記無。
裏面:山小屋、キャンプ場、交通機関等の情報。さらに周辺交通路線図、コースタイム図等豊富。
2007年版:年号の表記が西暦に変わった。5万分の一になり、地図も少し小さくなったが、コースタイムの表記は太字で見やすくなった。コースタイムの基準を40歳から50歳の登山経験者で、2〜5名のパーティーで山小屋利用を前提とした装備をしており、夏山の晴天時と明記。これに伴いコースタイムが全般的にゆっくり目に変更されている。コースタイムの表記が太字で見やすくなった事も、この地図を使う主な人の年齢が老眼になっている事を考慮しての事だと思います。
裏面:大山・表尾根の拡大図と周辺図、山小屋、キャンプ場、交通機関等の情報。地図が小さくなった分、紙面の関係で情報が削られています。
縮尺に関しては、昭和61年版は地域によって変わるのですが、最近のは5万分の一統一されている様です。これは他山域と比較する際には便利です。ただ最近また昭和61年版を見始めた理由でもあるのですが、最近の物は地図の沢の記述が下流しかないのです。縮尺のせいかと思ったのですが、16,500分の一の登山詳細図でも同じでした。基になっている国土地理院の2万5千分の一の地形図の方針が変わった様です。昭和61年版だとかなり上流でも沢の線が地図に書かれている為、沢沿いのルートが分かり易いです。
去年から特に積極的にバリルートを歩くようになったのですが、昭和61年版と比較すると沢沿いのルートが維持が難しい為か、廃道になっているのが多いのが分かります。16,500分の一の登山詳細図はバリルートも載せているのを売りの一つにしていますが、沢がらみのバリルートはあまり掲載されていません。これは林道でも同じ傾向です。大野山の先の林道の様に、新たに延伸されている物も有りますが、沢沿いの林道は廃道になっている物が結構あります。昭和61年版と比較すると、登山道、林道ともに維持管理の難しい沢沿いのルートが廃道になっていってる現状が良く分かります。例えば以下のルートです。蛭ヶ岳の南尾根も昭和61年版では実線の登山道でした。
* ユーシンロッジからユーシン沢沿いに登り、檜洞沢との分岐からユーシン尾根を登って金山谷乗越へ
* 上記で檜洞沢との分岐から檜洞沢沿いに登って金山谷乗越へ
* ユーシンロッジから同角ノ頭へのルートで、途中から東沢乗越へ下り、東沢沿いに西丹沢県民の森へ
* みろく山荘から杉ノ沢沿いに秦野峠
丹沢は名前に沢が付くくらい沢が綺麗な所です。また神奈川県民の貴重な水源でも有ります。夏場のヒルの影響も有るかもしれませんが、段々沢沿いのルートが歩かれずに廃道化するのは寂しいかぎりです。もう少し沢を大事にして、地図にも昔の様に上流まで載せる様になり、沢を歩く人が増えると良いのにと二つの地図を見比べて思うこの頃です。という事で丹沢を歩く際、最近は必ず沢も入れる様にしていますが。。。ちなみに北アルプスの地図も見てみたのですが、最も登山者が多い槍・穂高周辺でも、沢沿いのルートで廃道が目立ちます。丹沢に関わらず全般的な傾向なのかもしれません。
結婚して暫く山をやっていなかった為、古い登山地図も残していました。登山を再開した際、日帰りのみという条件になってしまった為、まずは近場の丹沢からにしました。その際に取りあえず古い地図ですまそうかと思って見直したところ、非常に大きな物が載っていない事に気づいて地図を買いなおしました。それは宮ケ瀬湖が昭和61年版の丹沢の登山地図には無かったのです。
宮ケ瀬湖が有る辺りは中津渓谷となっていて、地図を見る限りはかなり急峻な崖の有る渓谷だった様なのです。道路マップと比較してもなかなか変わっていて面白く、当時の様子を想像するのは楽しいのですが、これを基に登山するのはちょっと危険ですね。2007年の丹沢版を購入してから、当然昭和61年版の地図を開く事はなくなったのですが、去年あたりからまた見る様になりました。その理由は後で書くとして、まずこの同じ会社が発行している二つの登山地図を比較してみると面白い事が分かります。
昭和61年版:4万分の一。コースタイムの基準の表記無。
裏面:山小屋、キャンプ場、交通機関等の情報。さらに周辺交通路線図、コースタイム図等豊富。
2007年版:年号の表記が西暦に変わった。5万分の一になり、地図も少し小さくなったが、コースタイムの表記は太字で見やすくなった。コースタイムの基準を40歳から50歳の登山経験者で、2〜5名のパーティーで山小屋利用を前提とした装備をしており、夏山の晴天時と明記。これに伴いコースタイムが全般的にゆっくり目に変更されている。コースタイムの表記が太字で見やすくなった事も、この地図を使う主な人の年齢が老眼になっている事を考慮しての事だと思います。
裏面:大山・表尾根の拡大図と周辺図、山小屋、キャンプ場、交通機関等の情報。地図が小さくなった分、紙面の関係で情報が削られています。
縮尺に関しては、昭和61年版は地域によって変わるのですが、最近のは5万分の一統一されている様です。これは他山域と比較する際には便利です。ただ最近また昭和61年版を見始めた理由でもあるのですが、最近の物は地図の沢の記述が下流しかないのです。縮尺のせいかと思ったのですが、16,500分の一の登山詳細図でも同じでした。基になっている国土地理院の2万5千分の一の地形図の方針が変わった様です。昭和61年版だとかなり上流でも沢の線が地図に書かれている為、沢沿いのルートが分かり易いです。
去年から特に積極的にバリルートを歩くようになったのですが、昭和61年版と比較すると沢沿いのルートが維持が難しい為か、廃道になっているのが多いのが分かります。16,500分の一の登山詳細図はバリルートも載せているのを売りの一つにしていますが、沢がらみのバリルートはあまり掲載されていません。これは林道でも同じ傾向です。大野山の先の林道の様に、新たに延伸されている物も有りますが、沢沿いの林道は廃道になっている物が結構あります。昭和61年版と比較すると、登山道、林道ともに維持管理の難しい沢沿いのルートが廃道になっていってる現状が良く分かります。例えば以下のルートです。蛭ヶ岳の南尾根も昭和61年版では実線の登山道でした。
* ユーシンロッジからユーシン沢沿いに登り、檜洞沢との分岐からユーシン尾根を登って金山谷乗越へ
* 上記で檜洞沢との分岐から檜洞沢沿いに登って金山谷乗越へ
* ユーシンロッジから同角ノ頭へのルートで、途中から東沢乗越へ下り、東沢沿いに西丹沢県民の森へ
* みろく山荘から杉ノ沢沿いに秦野峠
丹沢は名前に沢が付くくらい沢が綺麗な所です。また神奈川県民の貴重な水源でも有ります。夏場のヒルの影響も有るかもしれませんが、段々沢沿いのルートが歩かれずに廃道化するのは寂しいかぎりです。もう少し沢を大事にして、地図にも昔の様に上流まで載せる様になり、沢を歩く人が増えると良いのにと二つの地図を見比べて思うこの頃です。という事で丹沢を歩く際、最近は必ず沢も入れる様にしていますが。。。ちなみに北アルプスの地図も見てみたのですが、最も登山者が多い槍・穂高周辺でも、沢沿いのルートで廃道が目立ちます。丹沢に関わらず全般的な傾向なのかもしれません。
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