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更新日:2013年09月16日 訪問者数:36794
ジャンル共通 技術・知識
野糞の作法
山ではトイレが大問題。これは避けて通れないテーマです。これまで私、おそらく千回近くは野糞していると思いますが、「くう、ねる、のぐそ(伊沢正名/山と渓谷社)」という本から、多くの知見をいただきましたので合わせてご紹介します。「ヒトが自然に返せるものと言ったら、ウンコしかない。ウンコはトイレに流せば厄介なゴミに成り下がるが、じつはヒト以外の生き物にとってはたいへんな御馳走なのだ。私がそう断言できるようになったのは、長年試行錯誤を繰り返し、さらには百以上の野糞を掘り返し、見て触れて、嗅いで味わった経験があってこそだ。」(序文より)
yoneyama
糞は自然界へのお返しもの
登山道やその周辺はもはや山ではなく人間社会と思います。野糞は山でやりましょう。人間社会の登山道からは十分離れて、安心できる場所を見つけましょう。
およそ標高2500m以下の樹林帯であれば、地表、地下の菌類はじめ様々な生き物がよってたかって御馳走として食べてくれます。伊沢氏の追跡調査によれば一か月ほどで無臭になり、糞ではないもの(無機物)に変わり植物の根が包み込むように伸びて来るそうです。
ちゃんと埋めましょう
毎日必ず野糞をするという伊沢氏の場合は糞を必ず埋めます。著書によれば深さ10センチ、直径20センチの穴を掘り、その両脇に踵を置けば穴にすっぽり入るそうです。深さ10センチはバクテリアが活発な深さだそうです。穴掘りはつま先などでぐりぐり掘れます。
ほとんどの人は登山者の多い夏道から少し離れたところでやるというケースだと思いますので、同じ境遇の人は多いと見て、埋めておくべきでしょう。伊沢さんは1か月以内にまた掘り返してしまうのを避けるため、小枝をバッテンにして置いておくそうです。実践者が増えたら、このサインも共有したいところですね。
トイレットペーパーはやめましょう
伊沢さんの本によれば、糞は時間がたてば土のようなものに変わりますが、トイレットペーパーは土の中でも長く長く白いままだそうです。確かに、きれいになる前の1990年台までの富士山は小屋の便所の裏にはトイレットペーパーの白い川が出来ていました。かたずけるのに誰かが苦労したと思います。
埋めていない人の野糞あとも、この白い紙がないだけでずいぶんと不潔に見えないものです。山なんだから、里のものを残置せずに済ませたいものです。自分の野糞あとを振返って、そこに白い紙の無い様子を見ると、清々しい気持ちになるのは何故でしょう。
使った紙をライターで燃やして処理しようとして、あっという間に山火事になった話も聞きました。紙を残さない心がけが良いのですが、こういう事もあるので乾燥した山では気をつけましょう。
水+葉あるいは雪を使う
紙を使わないためには、インド、ネパール式に水を使います。
1:まずはフキの葉など、肌触りのよい、破れにくく、広さのある葉を使ってだいたいふき取っておきます。
2:水筒の水を少し左手指先にかけ、指を濡らしておきます。乾いた指でいきなり拭くと手に香りが付きやすくなります。
3:スプーン型にした手で水を運び、肛門まわりを洗い落します。150CCもあれば十分ではないでしょうか。
4:特に水をふかずにそのまま衣服を着ます。濡れていてもすぐ乾きます。

拭きやすい葉は、大きさがあること、柔らかいこと、裏面に繊毛などが生えたものだと心地よいです。こういう葉を、普段から見つけたらポッケに入れておきましょう。急いで探してもなかなか見つかりません。

洗いやすいので沢のほとりでやりたいところですが、糞を川に流すのはいけないことです(マタギの教え)。糞は土の中が一番分解が早いようです。沢は水だけ使いましょう。

冬は、雪です。細長い雪玉を作って、その先っちょで尻を拭くのがコツです。肛門は低温に弱いので手早くするには熟練が必要です。雪解けまでチルド保存となります。春、雪が溶けた時、みっともないところではしないようにしましょう。
野糞は清々しい気持になる
登山口などのトイレで、汲み取り式で匂いもきつい中済ませるよりも、清々しい森の中でゆっくりそよ風のなか糞をする喜びは快楽です。便所だって誰かが掃除して糞尿を担ぎ出さなければならないわけです。分散させ、自分の分はささやかでも土に返りやすくして残していくという方が適切なのではないでしょうか。
もし一度もした事が無い人ならば、初めての野糞から得られる感動と思索は大きいと思います。「トイレの無い山には行けない」と思い込んでいる人、自由は簡単に手に入ります。山歩きの楽しみは、いかに自分の身体を周りの天然環境に調和させて、安全安心便利とされる人造社会から自由になるかということではないでしょうか。
山での食事がおいしいように、山での野糞は気持ちがよいのです。
参考文献↓
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