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Yamareco

記録ID: 103512
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
阿蘇・九重

「再会」を願って 二つのくじゅう

2011年03月18日(金) 〜 2011年03月21日(月)
 - 拍手
GPS
62:08
距離
49.5km
登り
3,913m
下り
3,917m

コースタイム

18日
23:00長者原(車中泊)
19日
長者原5:30-6:45雨ヶ越-7:20坊がつる(テント設営)8:00-8:50段原-10:45天狗岩-11:10高塚山(食事)11:35-13:05ソババッケ-14:00大戸越-14:30平治岳14:40-15:30坊がつる
20日
坊がつる5:20-6:15鉾立峠-6:30佐渡窪-鍋割峠-7:15鉾立峠-8:05白口岳-8:30稲星山-8:45池の小屋(食事)10:10-10:30久住山-10:45久住別れ非難小屋11:10-12:00法華院13:20-13:30坊がつる-15:00非難小屋
21日
非難小屋6:30-6:40法華院6:50-9:10中岳-9:30天狗ヶ城-10:00久住別れ非難小屋-10:40星生山-12:00牧ノ戸峠12:20-12:50黒岩山-13:40大崩の辻-14:00上泉水山-15:00長者原 -赤川温泉
天候 18日 晴れ
19日 曇り
20日 風雨
21日 風雨
過去天気図(気象庁) 2011年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
自宅-23:00長者原
長者原15:10-18:00自宅
2011年03月19日 06:52撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/19 6:52
2011年03月19日 06:53撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
3/19 6:53
平治岳 作業の方々
by  CA006, KDDI-CA
平治岳 作業の方々
113テント
2011年03月20日 07:13撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/20 7:13
2011年03月20日 07:14撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/20 7:14
2011年03月20日 07:15撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/20 7:15
2011年03月20日 09:04撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/20 9:04
2011年03月20日 11:28撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/20 11:28
法華院山荘
2011年03月20日 13:18撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
3/20 13:18
法華院山荘
2011年03月20日 17:03撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
3/20 17:03
星生山を降り
2011年03月21日 10:58撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/21 10:58
星生山を降り
閑散とした牧ノ戸峠
2011年03月21日 11:58撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/21 11:58
閑散とした牧ノ戸峠
2011年03月21日 12:27撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/21 12:27
黒岩山が一瞬 あらわれる
2011年03月21日 12:27撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/21 12:27
黒岩山が一瞬 あらわれる
終点 コスモス荘の手前。先がみえない
2011年03月21日 14:52撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/21 14:52
終点 コスモス荘の手前。先がみえない
一日も早い復興は・・・
2011年03月21日 14:53撮影 by  EX-Z2300 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3/21 14:53
一日も早い復興は・・・

感想

以前から暖めていた縦走コースを実施してみる。
このコースは、吹雪の為に中断した 23年2月10日のリベンジでもある。

18日
仕事を終え自宅でシャワーを浴び出陣するが、いつものベースレイヤーを着忘れ、普通のTシャツで過ごすことになる。
高速を使い長者原に到着、車は3台程で少ない。シュラーフに包まりGPSを立ち上げてみると、3日分のルートが消えている上、地図も表示せず、かなり凹んで就寝する。
・・出だし不調・・

19日
ザックの容量が足りず、買い込んだ食糧を全て装備できず悩み苦しむが、ビールやら焼酎やらは漏れなく詰め込む。
装備の軽量化か、ザックの大型化(現在55リットル)か、今後の課題だが、ビールが結構場所をとっている・・・。
chusakaiさんお勧めの「五木うどん」を持って行こう。

5時半出発、風も冷え込みもなく8時には坊がつるでテント設営を終える。
テントは3張り。

サブザックで段原まで快調に跳ばす。前回はここから北大船山で終わってしまった苦い思い出がよぎる。
米窪周りはミヤマキリシマが生茂り、道が狭くストックを両手で持ち上げ進んで行くと、あちこちにシャーベト状の雪が残りしかも凍っているのにびっくり。
枝を掻き分け滑って何度も転倒しながら進んで行く。
途中、風穴を見下ろし念願の高塚山(黒岳)を眺めると、急な降りと立ちはだかるその有様に登頂意欲を掻き立てられる。
空は次第にガスが出始め、これから3日間 天候は悪化の一途を辿る。
高塚山への登りは手ごたえ十分で、天狗岩に立ち寄った後 山頂で軽めの昼食。小雨がちらつく。

山登りに限らず「道具への感謝」を忘れてはいけない。
ハイカットブーツは捻挫や骨折から足を守り、ストックは登りの踏ん張りやバランスを崩した際の転倒を防止してくれる。
愛用のLekiのトレッキングポールは、特に降りの際など113の下手な歩きを何度も助けてくれた欠かせない相棒といえる。
高塚山の斜面は、軽石が多く大き目の石でも足をのせると直ぐに動きだしバランスを崩す。
ここで、大転倒 数メートル転げ落ち岩の間にしりもち、「どこを骨折したか・・」と確認し始めると、相棒が見事にクッションになり腰の強打から救ってくれた。
よくしなり丈夫な相棒だったがさすがに今回はグリップの下が曲がってしまった。
道具の手入れを怠らず、感謝の気持ちを持っていたからこそ、怪我をせず安全に山登りが出来るのだと思い直しながら、何とか使えるように直す。
・・修理に持っていこう・・

時間があったので、奥ゼリを通り越しセリグチ谷をソババッケまで歩き、大戸越から平治岳に登ると山頂にはミヤマキリシマのシーズン前 伐採作業の方々。
坊がつるを眺めながら、ビールで乾杯。
・・お仕事中、すみません・・

テントにもぐり込み、五木うどんとおにぎり、少しばかりのアルコールで暫し落ち着き考える。
考えるはやはり震災の件。

連日の報道、安否を気遣う方を探し求めて、再会を果たす涙・探し続ける思い。
一人でも多くの方が、「再会」を果たせる事を祈るばかり・・。

20日
4:30起床、外からは鳥のさえずり、天気は良いのだろうと予定より少し早めの5:20テントを飛び出すが、法華院に着く頃には小雨に風も強く成っている。キャンプを振り返って見るがテント達(10張り)は始動せず。
おなかの調子を整えて、とりあえずレインウエアーの上だけはおる。
ここで、ズボンをはいていなかった事を後で、相当 後悔する事になる。
GPSは、今朝から機嫌がよく成ったらしく大雑把な等高線と登山道を時々示してくれるが、位置が飛んだり方角が間違っていたりと、頼りない事には変わりが無い様子。
・・ルートを消してしまったのは113のミス、後は帰ってマスターリセットをすべきか・・

ズンズン歩き、鉾立峠を通り越し佐渡窪が見えてきた。
鍋割峠でGPSが地図を表示し鉾立峠に引返す事に成るが、この辺りで雨具をはくタイミングを逃し、池の小屋で一時間以上震える事に成る。

更に風雨は強まり、キャップのつばから水滴が真横に飛んで行くのが見える。
鉾立峠から白口岳に50分、稲星山には25分、雨と強烈な風から逃げる様に歩きまくり、15分で池の小屋に到着。
ズボンもパンツも、靴の中までもジュックリ。サブザックも中を防水していなかったので同じ有様・・。
外は嵐、人影が全く無い事を”しっかり”確認し、ズボンとパンツと靴下を絞り上げるが直ぐに乾く訳はないく、自力(体温)で乾かす事にし、また、裸で震えて寒さしのぎの腕立て伏せを誰かに見られようものなら・・・。
今回、新しいズボンの撥水性と発汗(乾燥)性を試す目的もあったが、撥水性の限界(横殴りの雨)は身を持って実証確認し、乾燥性も生きて帰って来れたので、吉という事だろう。
・・雨具は早めの着用、持ち歩くものでは無いと痛感した・・

気を取り直し中岳・天狗ヶ城を目指すが強風で危険と判断、久住山に登り北千里ヶ浜を引き返す事にして、久住別れ非難小屋へ急ぐ。
誰も居ないだろうと入って見ると、中は31人の大阪からのツアー登山者で万杯状態。
ふと・・この団体が一足早く小屋を移動していたら・・・。
想像すると更に震えが増す・・。

法華院 憩い室でビールを片手にウルトラライトに付いて教わりながら時間を過ごす。
ここで、北千里ヶ浜で挨拶を交わした5人連れご家族 お父さんとお話しが出来た。
3人の子供さんは小学生と下は年中さん。登山靴にザック・雨具も様に成り風雨をズンズン歩いていた。
なんと、2歳で三俣山に登ったとか・・。
先月、雨ヶ越辺りで同じ光景を目にした事を話すと、福岡市箱崎からお越しの同じこのご家族だった。
また、何所かでお見掛けするだろう。
楽しみ。
・・それにしても、52歳まで登ればキャリア50年か〜。凄すぎる・・

一頻り話し込み ほろ酔い気分でキャンプに戻り、天候を窺っていると、テントが煽られ室内ばグチャグチャ、”ゴーぉぉッ”と、前回と同じ”九重新幹線”が走り始める。
衣類と一部の装備が濡れ、体力の消耗と明日早い時間の出発、何より前回の経験を思い出し、15:00早々非難小屋へ移動。
坊がつるはテントが一つ残るのみとなり、非難小屋を朝まで独占する。
何とか温まり、就寝。
なかなか眠れないが、一日少ない来週の仕事をイメージすると、直ぐに落ちた・・。

21日(最終日)
法華院6:50 昨日からの雨で増水した沢を、水分タップリテントを詰めた大型ザックで中岳へ登る事に成る。
ビールは残り一本。
登山道があちこち崩落した今回のメインメニューは、危険課所続出、タップリ楽しめた。
道迷いもあったが、GPSに助けられる場面も・・。
・・拍子抜けのGPSだったが、可能性と課題が見つかった様。牧ノ戸でエネループを交換、結構持つ・・
昨日スルーした中岳・天狗ヶ城だが、チビッ子達に負けては入られず、大型ザックで登る事にする。
久住別れから星生崎が全く見えない悪天候、ズブズブのまま星生山・沓掛山、牧ノ戸峠に予定より一時間早く到着する。
売店のストーブで小休止、雨が降り続ける中、黒岩山を目指し登り始めると、沓掛手前で挨拶を交わした数人の登山者が帰り支度 呆れて此方を見ていた。
黒岩山に取り付くと一瞬ガスが晴れ、振り返ると三俣の先に僅かな青い空が見える。
久住山までどれ位かい?と尋ねて来られた老夫婦は、無事山頂で眺望を得られただろうか・・。

上泉水山まで頑張ったが、三俣山との「再会」は果たせず、最後のビールを飲み干し、今回の登山を終了する。

・・頑張れば「再会」を果たせる。それを伝えたかった・・

今回の大縦走での113の頑張りが、被災地に届けばとの思いで歩き切る事が出来た。
二つの思いが「再会」出来ます様に・・。
 二つの”黒”     黒 岳  黒岩山
 二つの”天狗”    天狗岩  天狗ヶ城
 二つの”星”     稲星山  星生山
  そして
 二つの”くじゅう”  九重山  久住山

この三日間で、沢山の「再会の涙」が溢れた事を期待する。

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コメント

すごすぎ・・・
ルート図を見た時、「あれ、GPSのトラックの消し忘れ、というか、数回分を全部UPしているのかな???」と思ってしまいました
すばらしい3日間、この距離を歩く体力、すごいです
ちなみに、なぜ鍋割峠まで行かれて引き返したんですか?まさか、くたみ分かれから白口岳に直登、を考えたんですか?それにしてもすごすぎです。
2011/3/22 21:40
westupさんへ
今回はよく歩きました〜
天気が良ければ、もう一日あれば・・
くたみ別れから白口直登りは考えてませんでした。
それは凄そうですね〜
沢水展望台から鳴戸谷・稲星越のコースは、次回の縦走に入れたいな〜と思っています
2011/3/22 23:09
過激な山行ですね〜(@_@;)
こんばんわ、113さん
3月の3連休、実家の墓参り&庭の剪定を行っている時ですね〜。山三昧の3日間いや4日間、羨ましい〜!!

それにしても3日間で50kmとは・・・3日分のザック重量は何キロにだったんでしょう? それに最終日に雨に濡れたザックを入れて中岳に登り、黒岩山経由で下られるとは

是非、是非、5月の連休のご予定をお聞かせください
2011/4/3 21:49
chengfuさんへ GWですよね
今年のGWは連休としては3日、どこを使えるか、前後をいじるか、悩ましい事になっていますね〜
山行きプラン、色々とな悩んどります・・
2011/4/6 22:55
プロフィール画像
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