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記録ID: 110471
全員に公開
ハイキング
奥多摩・高尾

岩戸山・小渕山・鷹取山・能岳

2009年03月15日(日) [日帰り]
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GPS
04:14
距離
13.0km
登り
801m
下り
725m

コースタイム

藤野駅     08:35
岩戸山     09:05-09:15
小渕山     09:30-09:35
鷹取山     10:10-10:20
沢井入口    10:35
上野原中学校  11:05
八重山(展望台) 11:30-11:40
能岳      12:00-12:10
新井バス停   12:50
天候 良く晴れて、穏やかな日差しに恵まれた1日
過去天気図(気象庁) 2009年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
(行き)
JR中央線 藤野駅
(帰り)
新井バス停 13:27-(富士急バス)-13:39 上野原駅
コース状況/
危険箇所等
いずれの山の頂からも、麓の集落が間近に眺められるという、文字通りの里山ばかりです。
前半の岩戸山-小渕山-鷹取山コースと、後半の能岳一帯の八重山ハイキングコースとの間には、密接な繋がりはないので、別々に歩かれることが多いと思われます。
今回は2つのコースを車道で結んで歩いてきましたが、その途中には予想通り案内などは全く見られず、行き来することは想定外とされているようでした。
鷹取山コースが神奈川県相模原市(旧藤野町)、八重山ハイキングコースが山梨県上野原市と、行政境界を越えていることもあって、それは致し方ないことでしょうか。

前半の岩戸山-小渕山-鷹取山コースは、非常に枝道の多いルートでありながら、道標は実に良く整備されていました。
道標による案内だけで、全く不安なく歩き通すことができていますし、仮に進行方向が逆だとしても、分かりにくい箇所はなさそうに思われました。

ただし八重山ハイキングコースについては、現在上野原市が大規模な整備を進めている最中で、工事中の箇所が多々ありました。
いずれ大々的に観光資源としてPRするものと思われますし、次に歩く時には、すっかり様変わりしていることでしょう。

※デジカメを持ち歩くようになる以前のため、写真はありません。

感想

藤野駅から線路沿いに八王子方面へ少し進み、すぐにある踏切を渡ると、その先のトンネルの前に、「岩戸山・鷹取山」を示す道標が立っていました。そこで陣馬山への道と分かれて、トンネルには入らずに右折します。
すると以降は反対側の沢井入口バス停側に下るまで、青い木製の道標がマメに道案内をしてくれて、迷う心配など全くない道が続いていました。

登り始めるとすぐにパノラマコースが分岐しますが、そこには入らずに道なりに進み、長い石段を登った上にある藤野神社を経由していきました。
神社でひと息入れた後は、すぐにパノラマコースからの道と合わさって、以降はしばらくの間ずっと尾根上を行くことになります。
送電線の鉄塔脇を何度か通過しますが、このうち17番鉄塔のところが、南側いっぱいに展望が開けて気持ちの良い場所でした。

その後も緩やかに登っていくと、割とあっけなく岩戸山に到着です。あまり広くない頂上ですが、ここも南側の展望は良く、丹沢や道志の山並みが指呼の間に見渡せます。富士山も辛うじて頂上部が僅かに顔を覗かせていました。

岩戸山を越えて少し下ると、すぐに分岐点に出ます。
尾根を直進する踏み跡が明瞭なのに対して、縦走路はここで尾根を外して右斜面を急降下しており、しかもその道が見つかりにくいので、ここは標識を見落とさないようにしたいところでした。
その後は道がササの中に入ったりしますが、刈り払いがきっちりと行われていて、歩きにくい所は全くありません。地元の山岳会(恐らくは標識を設置している藤野山岳会)が良く整備をしているのではないかと感じました。頭が下がる思いです。

最後に少々の急坂を登ると、その上が小渕山のピークでした。今回登った山々の中で、唯一展望のないピークです。地味なピークだからか腰掛けられるような物も何もなく、ここでは立ったままでの小休止となりました。

小渕山の先ではササがなくなって樹林の中に戻ります。道は尾根を行ったり、コブを巻いて山腹に移ったりで、相変わらず枝道も多いのですが、どこも標識はしっかりしていました。
そしてこの区間では急な登りも出てきました。一部では立ち木を頼らなければならないほどの傾斜の箇所もあって、コンディションが悪い時に逆方向(つまり下り)に歩くと厄介かもしれません。
そんな箇所もあるアップダウンを小刻みに繰り返さした末に、鷹取山に到着となります。

鷹取山の頂上は疎林の中にあって、多少木々が邪魔をする方角もありますが、ほぼ360度どの方向もそれなりには見渡せます。丹沢・道志・奥高尾・奥多摩といった山々が周囲をぐるりと取り囲む、ちょっとしたパノラマが楽しめました。
また、この頂上には「こころに残る鐘」というのが置かれていました。本来は吊されていた物だと思われますが、現在は地面の上です。なんとか両手で持ち上がる重さでしたが、持ち上げてかつ叩くというのは1人では到底無理そうだったので、鳴らすのは諦めました。

鷹取山から沢井入口バス停への下りは、はじめは部分的に結構な急坂もあって、所々で立ち木を伝うようでした。
その後一旦は歩きやすい道に変わりますが、下り切る手前は粘土質のえぐられた道となって、昨日までの雨の影響もあってか非常に滑りやすくなっていました。
車道に下りて、左へと歩いていくと、少し広めの通りに出たところに沢井入口バス停が立っていました。

沢井入口バス停から、能岳への登り口となる上野原中学校までの間は、予め Google Maps を見て検討しておいた最短ルートを通って行きます。
地形図には道が書かれていない区間もあったので、もし地形図で検討していたら、かなりの大回りをさせられていたことでしょう。

■■能岳は、あまりに惨めな姿をさらしていました。■■
上野原中学校が近くなってくると、進行方向の先に、異様なまでに山肌ばかりが露出した山が目に入ってきました。植生が無惨にも剥ぎ取られてほとんどハゲ山同然となっており、緑に覆われた周囲の山との対比で異彩を放っています。
そして、その山の2つのピークに展望台や東屋があるのが見えた時、それがこれから登ろうとしている能岳だと分かって、大いに失望しました。
自然現象で緑が失われたのならばまだしも、明らかに人の手によって意図的に自然破壊されている模様。どうやらこの先はあまり気持ち良く歩ける道ではなくなりそうです。

上野原中学校の正門前にある八重山ハイキングコースの入口からして、舗装工事の真っ最中。
すぐに舗装された部分が途切れた先も、ほとんど工事用道路のような体裁の道です。足元にキャタピラの跡がどこまでも続いているのも興ざめでした。

そして、ついに車道から見えていたハゲ山の斜面に出ます。その現場を目の当たりにして、やっと工事の正体が分かりました。この一帯を、見渡す限りのサクラの山にしようとしているようなのです。
ちょうど今は、それまで生えていたであろう樹木という樹木をちょうど刈り尽くしたところらしい。このようにしてサクラなどの観賞用樹木に植え変えられた所も少なくないと思われるのですが、ここではその環境破壊の規模にゾッとさせられました。
ここも近い将来、何もなかったかのようにして、上野原市が桜の名所として宣伝を始めるのでしょう。でも、どんなにサクラが見事に咲き揃ったところで、以前ここにあったはずの貴重な生態系は同じ姿では決して帰ってきませんし、将来の人類が、その代償を何らかの形で払わされることになるように思われてなりません。

縦横に工事のための作業道が交錯するハゲ山の斜面を登っていきます。この作業道の一部は、何年か経てばサクラの森の中の遊歩道に生まれ変わるのでしょう。
やがて立派な展望台の建つ地点に出ました。ここまで大規模な工事を苦々しく思いつつ登ってきましたが、悔しいことに展望台からの景色は見事です。パノラマ写真の中に、見えている山名を記入した形式の、大きな展望パネルも設置されていました。

ただし案内板を見て、この一帯に「八重山五感の森」などという名称が付けられているのには、どうしても違和感が拭えません。仮に将来サクラが植え揃って緑が戻ったとしても、そんな人工的な景観の中で、五感が研ぎ澄まされるようには到底思えなかったのです。
もし五感を磨くのであれば、もっと本来の自然が豊かな中に出るべきなのでは?
人の意志に基づいて設計図通りに配置されたに過ぎないものを、あたかも自然のもののように見立てて情操を養わせようとするなんて、なんと貧しいことかと思えてならないのでした。

展望台からのパノラマを堪能した後で、さらに尾根を辿って行くと。今度は東屋の建つ地点に出ました。ここに立つ標識では、現在地が「八重山 530m」と案内されています。
登山地図にも地形図にもない名前ですが、今後はこの八重山が、ハイキングコース中のメインのピークとして取り扱われていくようです(コースの名前からもその意図が読み取れます)。
というのも、この付近の主峰は、あくまで最高峰という点において、さらに奥にある能岳だと私は思うのですが、工事区域がこの八重山までで終わっていたからです。付近の案内標識等でも、能岳は取って付けたような扱いに留まっていました。

開発の手が及ばないのが幸いして、八重山ピークを過ぎると、能岳までは古くからのものと思われる尾根通しの山道を歩いて行けるようになります。道の両脇に広がる森の姿も自然体なのが実に好ましいです。
八重山までの道との歩き心地の差は歴然で、行政が意図しない中で、改めて自然の道の心地良さが浮き彫りになるような演出がなされていた、と感じたのは穿った見方でしょうか。
ものの10分でたどり着いた能岳のピークは、周囲を樹木に取り囲まれていて展望には恵まれませんでした。
一般的な感覚では、やはり人気が出るのは、見晴らしの良い八重山ピークや、その手前の展望台ということになるのでしょう。実際、ちょうどお昼時に差し掛かったのにもかかわらず、この能岳には誰もおらず、おかげで静かなひと時を過ごしていきます。

能岳のピークからは、北側をぐるりと回って向風バス停に下るルートを進みます。
はじめはゴルフ場をすぐ右手に見るような道ですが、左に折れると、そこからはしっとりとした森の中に入って、今日のルート全体の中でも最も気持ち良く歩ける区間となっていました。柔らかな土や、降り積もった落ち葉を踏み締めていく足裏の感触も実に心地良く、思わず嬉しくなってしまいます。
でもしばらくすると、前方には道路が見えてきて、せっかくの幸せな山道も束の間で終わります。ここはやはり里山、麓まではあっという間に下ってしまうのでした。

舗装道路に出てからは、平日のみ、しかも1往復しかバスの便がない向風バス停はスルーして、県道に出たところにある新井バス停まで歩いてからバスを待ちました。

詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2009_01_03/mt2009_01_03.html#20090315

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