湯川遡行〜安達太良山〜烏川下降
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 997m
- 下り
- 838m
コースタイム
天候 | 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
http://busget.fukushima-koutu.co.jp/fromto/result/428/1298/?week=2 ※塩沢温泉行のバスは「二本松駅前」ではなく北に150mほど離れた「二本松駅入口」から発車するので注意。 JICA.NTC→二本松駅前 http://busget.fukushima-koutu.co.jp/fromto/result/4719/1312/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
湯川:三階滝より上がハイライト。今回登った範囲で技術的な困難は有りませんでしたが、三階滝を全て直登するならよりレベルは高くなると思われます。八幡滝の上も見所が続きます。フリクションは良く効きます。水は硫化水素臭あり。 烏川(左俣):遊歩道沿いの部分と40m大滝がハイライト。二俣より上部は基本的に藪が被っており、快適な遡行は期待できません。また、周辺の藪も濃い目で、詰めあげる場合は苦労させられそうです。フリクションは良く効きます。水は無臭。 |
写真
感想
暫く東北の山にご無沙汰しており、どこかに行きたいと思っていたのだが、休みが取りにくく日帰りで行けそうな安達太良山に目をつけた。
安達太良山では湯川が有名だが、せっかくなので、同様に遡行記録を散見する烏川左俣の下降と組み合わせることにした。
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高速バスで郡山へ向かい、JRで二本松駅へ行き、さらに路線バスで二本松塩沢スキー場へと向かう。
バスは完全貸切だったが、スキー場では自家用車組が結構いて賑やかなスタートとなった。
馬返し分岐を右に入ると程なく入渓点。出合は特に変哲なし。
早速準備をして遡行を開始するが、やたらと小虫が多くて辟易する。ちょっとした岩陰などから大群をなして飛び出して来るのはあまり気持ちの良い光景ではない…
暫くは平凡な部分が多いが時折簡単な小滝やナメが出現しアクセントを与える。フリクションは全般的に良く効く。
登山道が右岸から下りて来ると現れるのが三階滝。下からは下部の2つしか見えない。1段目は水流左を直登。2段目と3段目は難しそうだったので、登山道を利用して巻く。ギャラリーはいなかった。
このあと一時的に雨がパラつく。
三階滝の上は渓相が美しく、ナメ滝や苔むした廊下などが次々に現れる。
8mほどの斜瀑を左から快適に超えると、もう八幡滝が目の前に控えている。
ここで登山道に戻ることもできるが、八幡滝の上も美しいらしいので少し足を伸ばしてみることに。
八幡滝は右壁を何処でも登れる感じ。鎖まで設置されていた。
噂どおり八幡滝の上はやや斜度の強いナメがドーンと続いており、楽しく登っていく。
沢が左手に屈曲するところに幅広のナメ滝が懸かっており、中の滝と思われる。この先には更に霧降の滝が控えているらしいが、今日は烏川の下降も予定しているので、湯川右俣の散策はこれまでとし、元来たナメをスリップに注意しながら下降する。(過去の記録には、左岸に踏み跡があるというような記述もあったが、よく分からなかった。)
八幡滝のところでいったん沢装を解除し、渓谷沿いの登山道を進む。登山道からいくつか良さそうな滝が見えたので、登山道が沢を左岸から右岸に横切るあたりまで沢を遡行するのもありかもしれない。
さて、一般登山道に出たものの、全く人に合わない。。今日は入山者が少ないのかと思ったら、天狗の庭の先の分岐から、一気に登山者だらけになった。渓谷道が人気無いんかな…
ともかく、くろがね小屋に到着。立派な小屋だ。後方の湯川源頭部は火山ガス発生地帯となっており、立ち入り禁止とされている。
さて、喉が渇いたので、先ほど汲んでおいた湯川の水を飲むことにする。一口口に入れると……、
げっ!まずっ!!
完全に硫化水素の味なんですけど…源頭が火山地帯だとこうも水質に影響するのか。
どう考えても体に悪そうだが喉は渇いているので、必要最小限だけ摂取しておく。
残念な事に天気は悪化傾向だ。ガスって来た事に加えて稜線方向から吹き下りて来る風に雨が混じるようになってきた。
森林限界なので、晴れればさぞ快適な道に違いない。
まだ安達太良山には登った事がないので、一応乳首(ちちくび)のピークは踏んでおくことにする。
この天気にも関わらず山頂周辺は人でごった返している。山頂にいたグループに写真をお願いされたので撮ったら、自分の写真も良ければという事なので折角なので撮ってもらう。自分の写真は最近自撮りばかりなので、たまにはこういうのもいい。
さて、正直烏川の下降は天気的にモチベーションが上がらなかったが、湯川がかなり呆気なかったのと、下り始めると雨が小康状態になってきたのとで、もうひと頑張りしてみる事にする。
ネットの記録を見ると、烏川は右俣なら源頭部は藪漕ぎなしだが、下降する場合は烏川大滝が30mザイルで降りられないらしいため、今回は源頭だけでなく沢自体も結構藪を被っているらしい左俣の下降としたのだった。
しかし、なるべく藪区間を少なくしたいため、表登山口・仙女平分岐を少し過ぎた登山道屈曲点から小尾根を下降し、沢のやや下流を狙って下りる事にした。
ってわけで、適当な場所で再び沢装を準備し、快適な登山道から不快な雨藪にダイブする笑
藪を5分ほど下降すると、想定外の裸地が出現し、暫く快適に下っていく。そのあとはまた藪に(それも結構濃い目の)戻ったが、登山道を外れてから結局トータル20分ほどで沢身に降りられた。
が、この先が想定以上に藪を被っており、快適とは程遠い状態。ここまで下ってもこれかよーっていう感じ。
しばらく進んでようやく記録に必ず登場する40メートル大滝が登場。階段状であり懸垂は不要だが、滑った部分もあるので慎重にクライムダウンする。また雨が強まってきた。
滝の途中で、今度こそはと思い水を汲んで飲んで見ると…硫化水素臭は皆無。
うん、この上の水がほんとの水です
大滝を下ったはいいものの、その先も藪が被さりパッとしない感じ。さらに右俣が合流してもまだ藪が被った部分があった。
ようやく沢がひらけて来ると、時折ナメやナメ滝も現れるようになった。技術的な困難はほぼなく、スリップしそうなところは藪とのコンタクトラインを辿る。
標高1100mあたりに導水管みたいなものがあり、左岸からドバドバと水を吹き出しているのを見る。
そしてようやく烏川橋。ここまで距離が長いわりに、見所は限られていた印象。
ここから沢沿いには遊歩道が続き、脱渓しても良いが、最後の締めに遊歩道にそって滝見橋付近まで引き続き下降する事にする。
すると、今までの平凡なゴーロが嘘のように、沢床が一面の岩床と化し、見事な渓想となる。まぁ、大方遊歩道から見えるんですが…
昇龍滝というところの下部が魚留滝という立派な滝になっており、懸垂が必要そうだったので、ここで終了とする。
魚留滝の下には滝を見にきた人が何人かいた。
この後は、奥岳登山口にある奥岳の湯に入る。露天風呂が解放的でGood。
温泉を出ると結構な雨。これは参ったな。ここからJICA.NTCバス停まで歩く予定にしていたのだけれど。
しかし、歩き始めると奥岳の湯の近くでレストランを経営されていた方が後ろから車で通りかかり、温泉街のバス停まで送ってくださるということで、ありがたく乗せていただく。(こちらの方とは少し前にバス停のことなどを話していました)
次安達太良山に来た時は、こちらのレストラン利用させていただきます!
そんなこんなで何とか無事帰路についた。(ここから東京までがまた長かった・・・)
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特に技術的な困難は有りませんでしたが、藪、大量の虫、硫化水素の水、悪天など、別のところで内容の濃い?山行になりました。
晴れた日に遡行すればまた印象は違ったかもしれません。
湯川はそれなりに楽しめる沢だと思いますが、烏川は積極的にお勧めできる内容では無いというのが正直なところです。
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