ギリシャのオリンポス山へ 雷神ゼウスの山!

- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.6km
- 登り
- 3,686m
- 下り
- 3,663m
天候 | 曇り時々晴れ 霧と雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
飛行機
リトコロよりプリオニアへはバスはあるが、朝8時と夕6時しかない。それ以外の到着は、リトコロからタクシーで。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ここから主として2つのルートがあるが、一般路は E4 と言われる6km の標高差1800mまでのアガピトス小屋までの登山路。たくさんの人々が登っていく。晴天なら健脚者は2〜3時間。高齢者は4時間。渡渉3回ほどあるが、浅くて渡れる。E4 の案内板はところどころにあるが、磁石と地図でしっかり要所で確認しないと、日本ほど親切な案内ではない。岩を伝うところが少しあるが、危険箇所はなかった。主峰のミティガス、スコリオスまではこの小屋からさらに4〜6時間ぐらいかかる。 |
その他周辺情報 | 100名収容の山小屋(13ユーロ/泊)があるが、シーズンには予約をした方がベターだろう。1室に2段ベッドが4つと1段ベッドが4つあった。水洗トイレあり、冷水シャワーが使える。この時は結構部屋は空いていた。簡単なスパゲティーやシチュウ、サンドイッチなどの食事ができる。水も売っている。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
サブザック
昼ご飯
行動食
飲料
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
常備薬
日焼け止め
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
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感想
7月15日13時プリオニア出発 息を切らしながら登る。途中のお花の写真を撮りながらゆっくりと。比較的多くの人々が登って行く上、道もわかりやすい。夕方5時半頃に4時間半かかって、アピガトス小屋へ到着。小屋からは空は薄曇りでオリンポス主峰のミティガスがよく見えた。小屋で冷水シャワーを浴びて、睡眠薬を少し飲んで9時入眠。6時起床(この時間まで小屋には鍵がかかっている)。
パンの朝食をとって、一人で出発。途中からロシア人の夫婦と子供と、抜きつ抜かれつとなり、親しくなる。このご主人には下山路の難しいところでお世話になった上、道も間違うことなく登れた。他の人々にはどんどん抜かれて、パラパラしか人が登っていなかった。
霧が出て視界が悪い。幸いにスカラの手前の尾根道に出て、そこでほんの1分ほどミティガス主峰が見えた。スコリオ・ピークも見えたが、写真を撮る準備をする前に雲隠れ。間も無く雨が降り出した。アピガトス小屋で一服して、ロシア人家族と別れた。
13時に小屋から下山開始。距離6km、高さ1800mの下山路の4分1ぐらい下山したところで、間違った路に入って、路がわからなくなった。誰もこない。これはE4と言う一般路で、愛宕山の表参道的なものだが、登りにも迷った同じところ(一面の黄色い多分ウサギギクの仲間のお花畑あたり)で路に迷い、深い霧の中で戻って3度の試みでも路がわからず、3度戻って確かめたが明確には不明。
前を見ると、路らしいものがあるので、そちらを選ぶと、次第に登って行った。激しい雷雨となり、視界は2m。大木に雨宿りしても、針葉樹なので、雨宿りにはならず、ずぶ濡れ。一歩一歩と急な傾斜の山を、竜の髭のような草や潅木のハイマツを掴みながら、路を探す。
結局5時間、雨と雷の中で、迷いに迷い、5回の幸運に恵まれて(これを偶然と言いますが、私には神の助けと思われた。)
もちろん私のこれまでの道迷いの経験が活かされてもあったのだが、滑落することなく激しい疲労と、全身ぐしょぬれ泥まみれ(転倒4回ほど、1.5ヶ月前に骨折した右手は装具でオーケー)の中を無事に登山道に再会して、夜の8時半の薄明かりの中、基地の地点へ下山した。
小屋出発は午後13時、実に雨中7時間半を費やした。迷っていたのは5時間。
怖かったのはこのまま時間が過ぎて疲労が最高になり、滑落するか、もう見つからないか、、と。激しい雷鳴と雨は、さすがにこのオリンポス山は雷神ゼウスの山であると納得しました!ゴアテックスの雨具の中も、靴の中もリュックの中も皆びしょ濡れ。
座るところもなくお腹もすかして、水を飲み少しのお菓子を食べながら、疲労と寒さの極致。すべての一歩に慎重な手足の力が必要。松の大木のたくさんが雷に打たれてか、折れていたから、山中のゴロゴロとなる雷神の怖さも格別だった。これもラッキーでしたが、チタン製のストックを手放せず、雷に狙われないかと怖かったが、この日、山には一つも雷は落ちませんでした。
本当に、命が助かったのが不思議というか、神の深いお守りでありました。これは偶然が5つあったのだ。尾根へ出れば道があるのではないかと、初めは尾根まで登ったが道がなかった。
ハイマツをくぐりながら降りようとした場所の先が幸いに絶壁でなかったり(傾斜が急なので先がどうなっているか見えない)、途中で雪渓に出たが、傾斜が急で氷が堅くて立つことはできず、前方へ尻滑りしかできない、前方に大きな岩があり、岩の手前のクレバスの手前の雪渓が、やや平坦になっていた。ストックを伸ばして岩に当てて、滑り止まることができるかもしれない、それは賭けであったが、小さなクレバスに落ちずに自然と滑り止まった。
クレバスへ落ちるのを防ぐためにあと少し登る必要があったが、幸いにつかめる岩というか、石が1ケだけあったり(何もなかったら絶対に立ち上がれなかった)。立ち上がって、ストックで雪渓を削り、一歩ずつそこから平坦なところへ抜け出した。
それで無事に道が見つかった。この時間、夜8時半のプリオニアへの下山者は私が最後。ようやく宵闇という時間帯。電話して、来る時に乗ってきたタクシーで基地のホテルへ戻った。この場合、7時半で終わりと聞いていたが、往路に、チップをあげていたので、下の町から来てもらえたのでは、、と感謝。
反省点:下山路で路に迷ったが、後で、分かったが、20分ぐらい戻れば、道がわかるところへ戻れた。この登り返しを嫌がって、本来の道がないのに前へ進んだ。これは、雨水が流れる道が、いくつもあるので、道のように見えたのだが、、
迷った場所はお花畑になっていて、登山者の人々があちこち花を見て回るせいか、道がいくつにも分かれていたのを知るべきであった。さらにこのお花畑には小さな物置小屋らしきものが立っていたので、これは本道であると勘違いした。本道はやや下を通るしっかりとした道。
ギリシャの山は初めてだが、日本みたいに親切にあちこちに表示があるわけではない。大雑把なのだ。それを、あまりにも有名な山なのでマークがあると思っていた。
真剣に地図と磁石を持たずに登り、手持ちのコピーの地図は雨で敗れたり印刷が消えたり。
山小屋でギリシャ人と話したところ、登っている70%の人々はロシア人とドイツ人で、残りがギリシャ人とアメリカ人など。ほとんどのギリシャの人々は山へは登らないと。縄文時代からの山の民とは違うのだ。山の整備も、樹木の伐採もなく、だから、杣道などもなさそう。倒木もほったらかし。
この日、アルバニア人の一人が帰らなかった、と下の基地のリトホロの街で聞いた。
スカラから、ミティガスヘの登山道はこの日は前日の雨で、がけ崩れで登山禁止であった。
もうこういうことは2度としないが、もちろん登山ガイドのある旅以外はすべきではなかった。ネットで調べて安易に賑やかな山で大丈夫だろうと思ったのだ。
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先月ミティカスから下山途中に道迷いを三回しました。 沢を三回ほど横切りますが、パスファインドが難しかったです
私がマヌケているのかと思っていましたが、ちょっと安心しました。ミティガスに登頂されたのですね。素晴らしいです。この季節はどんな風なのかマイページへ記録をお寄せいただくと嬉しいですし、皆様にも参考になるのではと思います。
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