草津サイケ滝めぐり


- GPS
- --:--
- 距離
- 4.6km
- 登り
- 271m
- 下り
- 270m
コースタイム
- 山行
- 4:35
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 5:05
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
↓ 「白根・芳ヶ平方面遊歩道入口」のわずかな駐車スペースに駐車。 ↓ 「嫗仙の滝駐車場」 |
コース状況/ 危険箇所等 |
事前の調べと目印を見失なわない集中力が必要です。 |
その他周辺情報 | 大滝温泉は日帰り入浴しやすくて良かった。 |
写真
感想
草津サイケ滝巡り
滝への憧れは、山への憧れと違い、より奥へ奥へと森の中に飲み込まれたいという願望をともない、果てに存在するオブジェの圧倒的な存在感にぶちのめされたいされたいという欲望にかきたてられて、毎分毎秒私の心をつかんで離さない。そんな訳で昨年秋の北精進ヶ滝に続いて、憧れの滝である草津の常布の滝を目指した。前夜出発、夜中現地到着、車中泊、早朝から行動の日帰り弾丸スタイルで謁見賜ろうと、友(nさん)を誘って8時には川崎の我が家を出て、横浜のnさん宅に向かって車を飛ばしたのであった。
9時過ぎに横浜を出ると、都心を避けて圏央道経由で関越道を目指す。関越道を北上してインターで降りたら下道を延々走る。草津町外れの無料駐車場「天狗山第六駐車場」に車を止めて車中泊。町から一番遠い駐車場なので、他に車は見当たらない。急ぎ寝床を整え、寝酒で一息つく。二時過ぎ就寝。
6時起床のアラームが鳴るが、車の天井を打つ雨音にややテンション下がる。しかし滝に関しては近づいてまじまじ見るものなので、眺望がきかなくても比較的ダメージは少ない。きつい登りじゃないならば、雨の森歩きはしみじみと良いもので、何より他に人がいないのが良いところ。案の定「白根・芳ヶ平方面遊歩道入口」の僅かな駐車スペースは空いていた。熊に注意の看板を横目に森の中に通じていく道を歩き始めたのが七時過ぎ。日が低いこともあってか、森の中は予想以上に薄暗い。小雨が木々の葉や枝を打つ音に包まれ、目覚めたはずがまだ夢の中だったかのような錯覚を起こしそう。暫くなだらかな登りの、広くて歩きやすい道が続くので、雨の森を全身で浴びるように味わいながら奥に誘い込まれていった。
途中痩せ尾根地点があるが、木々に覆い尽くされ眺望はまるで無い。所々荒れた道がものの哀れを誘いつつ、自然の容赦のなさに恐れを抱く。40分程歩くと観瀑台に到着。雨の中遠方にほぼ音もなく流れ落ちる水の流れが、その巨大さ、ヤバさを彼方から伝えてきてしびれる。そこから暫くまた遊歩道を歩くと、10分程で立ち入り禁止の滝壺への(けもの)道の入り口に到着。
笹薮をかき分けた跡程度の道は、目印を見失わないように注意が必要。何度か分岐に迷い、そのたび印を見つけるまで周囲を探索しなければならなかった。笹薮地帯が一段落すると斜面をトラバースして行くが、崖崩れ箇所がありロープが張られている。現状はしっかりしたロープのようなのでさほど心配はなかった。しばらく行くと眼下に御本尊の沢が現れる。この先辺りから目印が少なくなって来る。道沿いにロープが張られているが、そこから沢に降りる道にも目印がついていて、そちらに降りて行くが先がない。ロープ伝いに行くとある場所でロープが尽きているが、そこでまた2手に迷って周囲を探索しはじめた。そこで何とnさんの登山靴のソールが半分以上剥がれてしまったことが発覚。応急処置をするが長くもたないと思われる。ここで話し合い撤退決定。nさんは「神様が戻れと言っているということでどうでしょう」と言った。
戻りの道でしばらく悪戦苦闘していたnさんであったが、一思いにソールを剥ぎ取ってしまったら、その方が歩きやすいという事で復活。しかしソールを貼る部分が傷んだらもう張り替えは出来なくなると悲しげ。未知の領域への緊張感を解くと、笹薮の森がガスに包まれて妖しくも力強いエネルギーを発しているのに気づく。観瀑台まで戻り名残惜しくも見納める。敗退はショックで悔しいが迷った分岐の先はまだ確認していないため、宿題が残った。 滝を眺めながらリベンジを誓い合う。
気を取り直してずぶ濡れのまま嫗仙の滝駐車場に移動。意外と町から近くて驚くが、遊歩道に足を踏み入れると熊よけの鐘がぶら下げてあり、スティックがわりに木の棒がついている。途中もう一つありどちらもジャンクなハンドメイドだが、音が綺麗なので叩きまくって聞き入ってしまう。しばらく歩きやすい道を行くと沢に向かって急降下がはじまる。意外と歩きがいのある道だなと思っていると、眼下に赤い川が見えはじめて、程なくして嫗仙の滝にご対面。色も形も他の滝とは全然違っていて、想像力の斜め上を行かれる。百聞は一見にしかずの奇瀑。こんなにお手軽に見れるとはお得な気分だが、逆に野生のパワーを減じられているような気がする。この滝がもっと奥地の沢の果てにあったなら、それを想像してみると、その奇態さがさらに際立つようで、改めて戦慄が走るというものだ。
熊よけの鐘を帰りにも鳴らしつつ、サクサク帰るとちょうど昼時。ほぼずぶ濡れなので先に大滝の湯に入ってから昼食。3時頃には草津を出て帰路に着きました。渋滞は少しだけ。9時には横浜に戻って来ました。草津時間が短く濃縮され過ぎていて、幻でも見たような後味でした。(終)
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