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Yamareco

記録ID: 1326546
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
磐梯・吾妻・安達太良

吾妻の中央分水嶺 土湯峠〜1283m標高点(雪崩に巻き込まれ雪の中に埋まる)

2014年03月14日(金) [日帰り]
 - 拍手
体力度
1
日帰りが可能
GPS
03:40
距離
6.1km
登り
275m
下り
282m
歩くペース
ゆっくり
1.61.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
3:05
休憩
3:20
合計
6:25
10:45
15
鷲倉温泉
11:00
11:00
30
土湯峠
11:30
11:40
20
1320m峰
12:00
12:00
10
1283m標高点
12:10
15:20
110
雪崩現場
17:10
鷲倉温泉
GPSの軌跡では車道から東に少し戻り尾根に近い部分を直線上に滑落しているが,実際は車道を外れてすぐに沢を滑落した.雪崩現場でGPSの電池が切れたので,ここからゴール地点までの軌跡は手書きしてある.
今回も誰とも会わずトレースはなかった.
天候 霧時々雪のち曇り
過去天気図(気象庁) 2014年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
冬季休業している鷲倉温泉に駐車させてもらった.
コース状況/
危険箇所等
土湯峠まで除雪されていた.ただし通行止で車では入れない.
スノーシューも持っていたが,雪面は比較的固く登山靴で雪上を歩く.大部分の分水嶺は広い緩斜面だが,所々東側に雪庇もある.
途中で雪庇を踏み抜き雪崩とともに滑落した.自力で脱出後,雪に埋まった沢に沿って歩き林道をラッセルして車まで戻った.
11:02 土湯峠近く.風が強い.
2014年03月14日 11:02撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 11:02
11:02 土湯峠近く.風が強い.
11:02 樹林の中の深雪の分水嶺を進む.
2014年03月14日 11:02撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 11:02
11:02 樹林の中の深雪の分水嶺を進む.
11:15 登ると間も無く反射板あり.
2014年03月14日 11:15撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 11:15
11:15 登ると間も無く反射板あり.
11:20 分水嶺は広く緩やか.
2014年03月14日 11:20撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 11:20
11:20 分水嶺は広く緩やか.
11:23 1320m峰近く.山頂に建造物あり.
2014年03月14日 11:23撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 11:23
11:23 1320m峰近く.山頂に建造物あり.
11:40 1320m峰からの下り.東側に雪庇あり.
2014年03月14日 11:40撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 11:40
11:40 1320m峰からの下り.東側に雪庇あり.
11:55 車道に出た.雪面は固く登山靴でもあまり潜らない.
2014年03月14日 11:55撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 11:55
11:55 車道に出た.雪面は固く登山靴でもあまり潜らない.
12:06 少し車道歩き.これから間も無く滑落した.
2014年03月14日 12:06撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 12:06
12:06 少し車道歩き.これから間も無く滑落した.
15:09 雪崩とともに滑落.雪崩の跡が生々しい.この中に3時間近く埋もれていた.
2014年03月14日 15:09撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
3/14 15:09
15:09 雪崩とともに滑落.雪崩の跡が生々しい.この中に3時間近く埋もれていた.
4月29日 装備を回収しに行ったが,近づけず対岸の尾根から雪崩現場付近を望む.
2014年04月29日 05:19撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
4/29 5:19
4月29日 装備を回収しに行ったが,近づけず対岸の尾根から雪崩現場付近を望む.
6月8日 雪崩現場はまだ雪が残っている.雪の上に帽子とストック発見.
2014年05月31日 05:57撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
5/31 5:57
6月8日 雪崩現場はまだ雪が残っている.雪の上に帽子とストック発見.
6月8日 ここを雪崩とともに滑り落ちた.実際は結構急斜面でここから沢まで数十mある.地形から毎年雪崩があるようだ.
2014年05月31日 06:08撮影 by  COOLPIX P6000, NIKON
5/31 6:08
6月8日 ここを雪崩とともに滑り落ちた.実際は結構急斜面でここから沢まで数十mある.地形から毎年雪崩があるようだ.
撮影機器:

感想

 この山行は雪崩の恐ろしさを教えてもらったこと,死を覚悟したということで私の人生の中でも特に記憶に残っている.樹木の近くを歩いていたのだが,周囲の雪庇ととともに落下し雪崩を起こしながら約100mの標高差を一瞬にして滑落した.気が付いた時には頭だけ出して雪に埋もれていた.帽子や手袋,ストック,サングラスなどは全て雪崩で消失していた.両足と右手は深く埋もれていたので全く動かず左腕も動かせなかった.どうしようもないので死を覚悟するようになっていたが,左手首と手は動かせて周囲に空間があることに気づいた.そして雪面から約30cm程度の深さだとわかったので素手でゆっくり上に向かって掘り進めた.約2時間かけて雪面から指がでた.その後,1時間かけて体を掘り出した.雪から出て助かったと思った途端に急に寒気が襲ってきて全ての衣類を着込み予備の手袋や帽子,眼鏡を出した.雪に埋まった沢を歩き林道をラッセルして車についた時に喜びが込み上げてきた.
 帰宅して身体中に打撲による痛みがあったが,雪崩に巻き込まれ途中木をなぎ倒して滑落していたのにも関わらず大きなものに激突しなかったこと,頭だけ埋もれなかったこと,左手だけ動かせてそれが雪面から一番近かったことなど今回の滑落は生還できたと言う意味では奇跡に近い.しかし,この後,事故の代償がじわじわやってきて次第に左の視力が低下し2回の緊急手術をすることになる.網膜,黄斑部が傷ついたようだ.幸い失明は取り止めたが,今でも視野に違和感がある.
 この山行後から雪庇には慎重すぎるほど気をつけるようになった.今までに山で滑落して骨折を2回しているが,今回の出来事は死を覚悟したということで一番記憶に残る体験だった.雪庇や雪崩に関しての知識はそれなりに持っていたつもりだったが,経験してみないとわからないものだと思う.
 その後,雪崩現場や消失したストックやサングラスなどが気になりだした.4月29日に雪崩現場に行こうとしたが,雪解けで沢の水量が多く近づけず対岸の尾根から望んだだけだった.6月8日に今度は膝まである長靴を履いて沢伝いに雪崩現場に行った.埋もれた場所にはまだ雪が残っており,その上に帽子や手袋,サングラス,ストックなどが散乱していた.一つ一つ状況を確認し当時を思い出しながら全て回収した.

 この記録は2017年に公開.

 ここから北に続く中央分水嶺山行:
吾妻の中央分水嶺 1283m標高点〜相ノ峰〜景場平
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1326475.html

 ここから南に続く中央分水嶺山行:
吾妻と那須を結ぶ中央分水嶺 土湯峠〜鬼面山〜箕輪山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1326585.html

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