『続 真冬の雪山に挑んだ中年ハイカーの顛末』 妄想の伊吹山編
コースタイム
- 山行
- 3:38
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 4:34
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・3合目からアイゼン付けましたが、その先(避難小屋あたりまで)も土や岩が露出している所が多いので、もう少し先でもいいかも ・ステップが切ってあったので何とか登れましたが、急斜面での硬い雪面は非常に緊張感走ります ・山頂も土が露出している面積多し... |
写真
感想
先回真冬の雪山ハイクに初トライした。しかも、そこそこ標高の高い恵那山。恵那山自体は何度か登ってはいるが、雪の時期は登ったことがない。美しい雪の恵那山レコを拝見するたびにちょっと羨ましく感じていた。まぁ先回何とか念願叶ったわけではあるが、失敗やアクシデント、そして天候悪化により、「またいつかトライしなければならないな」といった山行になってしまった。
今週末の天気予報を見ると快晴&温暖との事。今度こそ絶景の雪山ハイクが期待できそうだ。土曜日の夕刻までなら時間できそうなので、どこかさっと登れそうな所を物色する。ふとkei-jiharaさんの1/14伊吹山レコを思い出した。青空と雪原の美しいコントラストが印象的だったので、今回は慣れ親しんだ伊吹山に決定。「どうせ早朝からスタートならば、いっそのことご来光雪山ハイクと洒落込んではどうか」という考えに至る。ワンデイハイカーではなかなか味わう事が難しい朝陽に輝く雪山風景。その画像を見る度に「いいなぁ〜すごいなぁ〜」などと思っていた。残雪期の伊吹山なら登った。伊吹山ナイトハイクもやった。今回はこの二つをMIXすることになる。とはいえ、ヘタレゆえに心配と不安の種は尽きない。特に7、8合目辺りからの急斜面は危険そう。凍っていたら滑落は止まらない。もし危なそうなら即撤退と今回も心に誓う。
1、2時間ほどの睡眠で家を出発。前回と比べたら相当気温が高そうだ。いつも利用させていただく駐車場に到着し、すぐに準備を始めていたらもう一台到着。とりあえず一人ナイトハイクにならそうで良かった。4:30に出発したが、日の出時間は7:00なのであまり余裕ない。太陽に照らされる白銀は何とか拝みたいので、最低でも6合目より上までは行かねばならぬ。
漆黒の登山道を歩く。まぁ怖いのは怖いのだが大分慣れてきたような気もする(ようなしないような...)。空には輝く星空。そして地表にも輝く夜景。オッサンが一人ロマンチック登山道を歩いて行く。2合目を過ぎた頃からやっと雪が出てきた。でも、まだまだアイゼンをするような状況ではない。しばらく歩くと先行者さんに追いつく。3合目のトイレ前ベンチで雑談しながらアイゼン装着。「何とか6合目までは行きたいですね」などと会話を交わし先行させていただく。
アイゼンを付けてみたものの、まだ土や石が出ている箇所もあり少々面倒。結局6合目避難小屋辺りまで土が出ているところがあった。かなり雪がなくなってしまったようだ。行く先を見上げると、ヘッドライトが一つ光っている。更に先行者がいるようなのでちょっとだけ安心だ。
先回の恵那山で投入したおニューの靴。残念ながら酷い靴擦れに悩まされた。今回はテーピングなど施して万全のスタートだったのだが、前回よりも痛くなってきた。撤退もよぎるほど酷かったので、避難小屋で靴を脱ぎ、更に保護テープを追加。あまり効果はなかったが我慢して登る。急斜面に入ってからもトレースがあり、ステップもあった。このステップに足を乗せて登る分には、靴擦れの痛みもそれほどではなかった。下山では前体重になるので靴擦れの痛みはだいぶん緩和される。よって、このまま進むことにした。
どんどん角度を増す硬い雪の急斜面。滑落したらどこまで落ちていくか分からない。まさに”魔の滑り台”である。恐怖を感じながら、少しでも安定したトレースを選んで黙々と登っていく私(安定のヘタレ)。
少しずつ空が明るくなってきた。ふと山頂方向を見上げるとまさかの曇天。「えぇぇぇぇぇぇぇ!嘘でしょぉぉぉぉぉ」周囲の空を見渡しても晴れてきそうな気配はない。こんなに寒い思いして、こんなに痛い思いして、こんなに怖い思いして、ただ”朝陽に照らされる白銀の世界を眺めたい”という期待だけでここまで登ってきたというのに...。空を呪いました。太陽を呪いました。そして心が折れました。
とりあえず、山頂の雪景色だけでも見て帰ろうと消化試合の如き山行を続ける。山小屋の見える辺りまで登ると、先行者さんが下山してきた。「天候も回復しなさそうだし、何より寒すぎるので帰ります」との事だった。別れを告げ、とりあえずタケル像の下へ行ってみると、そこは土が見え隠れする残雪の如き山頂であった。「えぇぇぇぇぇぇぇ!嘘でしょぉぉぉぉぉぉ」周囲を見渡しても雪原という雰囲気はない。こんなに寒い思いして、こんなに痛い思いして、こんなに怖い思いして、ただ”せめて白い雪原だけでも見て帰ろう”という願望だけでここまで登ってきたというのに...(2回目)。雪を呪いました。土を呪いました。そして心が砕けました。
寒さに対する強耐性を持つ私をもってしても、なかなか厳しい暴風の山頂。「ちょっとでもいいから白い峰々を見て帰りたい」と願い、温かい紅茶を飲みながら凍えて待つ健気な私。あまりに厳しい状況にさらされると、人の脳は見えるものや記憶を改ざんすると言う。晴れ渡る空の下 朝日を浴びた白銀の世界にいるような妄想に徐々に浸り始める。そう、中年ハイカーただ今現実逃避中なのであった。
30分ほど妄想などして粘ったが、とうとう諦めて下山。氷の急斜面にビビりながら下って行く。下山途中では続々とハイカーさんが登ってきた。今日も伊吹山は大賑わいの様子だ。山頂での惨劇を伝えてしまうと、皆さん萎えてしまいそうなので、詳細は語らず挨拶だけして通り過ぎる。
靴擦れの痛みもそれほど気にならず下山完了。時間だけは当初の予定通り(いやむしろちょっと早目)だった。安定の伊吹山名物ドロドロ道で倍くらいに重くなった登山靴を洗い落とし、恨めしそうな視線を山頂に投げかけながら、伊吹山雪山リベンジを誓う”中年ハイカー真冬のシーズン2連敗”であった。
こんにちは。
higurasiさんも仰ってますよ!
「雪山に正解はない」って
山は行かなきゃ、分かりませんね。
気温の一番低い夜明け前のカチカチアイスバーン+暗闇の中の急傾斜登攀、さらには靴擦れの痛み
今回もggさんらしく(!?)過酷なハイクでしたね。
どんな状況でも、山頂を目指し成し遂げたことが素晴らしいですよ
あるがままの山こそが、ホントの自然ですね
totokさん コメありがとうございます
「雪山に正解はない」
何だか禅問答のようなお言葉
なかなか思うようにいかない雪山ハイクが続いております
まぁケガもなく帰って来れてるだけでも良しとしましょう
文章は少々大げさに表現しておりますので
そこまで深刻な状況に陥ってるわけではないですが
過信は禁物ですね
事前に色々調べて行っても
確かに山は行ってみなけりゃ分からないこと多いです
まぁそれがまた醍醐味なんでしょうけどね
こんばんは。
真冬のナイトハイクお疲れ様です。
暗闇は寂しくなかったですか?
澄みきった空気の下、神々しい御来光!
奥美濃の山々がピンクに染まるモルゲンロートは
ホント羨ましい!感動しました
同じヤマヤとして妄想して見えますので安心して下さい。
よくあってはいけませんが、実際よくあるのが事実です。
やはり、御来光は難しく、快晴予報でも朝は雲、霧が
発生するなんて、よくありますよ!
駐車場から御来光見てから登れる山ならいいのですがね〜
先週の恵那山といい、本格的な冬山にどっぷり浸かり始めましたね
お互い安全登山で冬山を楽しみましょう。
もちろん、リベンジ期待していますので
改めまして、妄想の世界お疲れ様でした。
rupmoさん コメありがとうございます
暗闇は寂しかったというよりは怖いです
オカルトに弱いんですよねぇ
でもオカルト映画は好きなので観賞してはトラウマになりやすい体質です
やはりrupmoさんも”妄想中年ハイカー”でしたか
心の目で見れば美しい光景が眼前に広がります...
まぁ負け惜しみなんですけど
まぁなかなか思うようにいかないからこそ
快晴の山頂に立てた喜びもひとしおですよね
お疲れ様でした。
こんなに融けているとは。\(◎o◎)/!
標高があまり高くないと、ちょっとの気温の違いで
愕然モードに入れられますね。
((+_+))雪山はやっぱり生ものですね。
今週はたっぷり降ったでしょうから、
上手くタイミングを計ってリベンジして下さい。
(しかし、雪山のご来光登山とは寒そうですね。 )
kei-jiharaさん コメありがとうございます
貴殿のレコを拝見し
期待を胸に伊吹山に向かったわけですが...
まさかの曇天&融雪でした
暖かい日が続いたとはいえ
まさかあんなに雪が無くなっているとは...
確かに雪山は生もの
日によって状況が一変しますね
大寒波で雪が沢山降りましたので
今週末は楽しめそうですね
というかちょっと降り過ぎかなぁ
まさか、まさかこんなに融雪が進んでいるなんて、、、
厳冬期の伊吹山は何度も登ってますが、未だかつてない景色です
先週の温暖気温でかなり溶けてしまったのですね、、、
まぁでも、この数日でまたガツンと積もったでしょうから、
文豪のリベンジにはバッチリですね!
実はワタクシ、伊吹山とはかなり相性が良く、
雪山の時は、ほぼ100%の快晴率です!!
次も楽しみにしています!
messiahさん コメありがとうございます
そうなんですよ
まさかの融雪でビックリ
山頂で一人愕然としておりました
事前に天候調べていらっしゃることもあるとは思いますが
messiahさんは晴天率高いのではないですか?
羨ましいなぁ
今シーズンから雪山ハイク復活されてますね
これからは”超ハイスピード雪山ハイク”が見れるののかなぁ
goldengateさん,こんにちは。
そうですか,やっぱり先週末は,
伊吹山の雪もこんなに溶けちゃってたんですね。
せっかく一面の銀世界と青空と遠くの雪山を期待して登ったのに残念でしたね。
でも今は,伊吹山も鈴鹿のお山も,
再び猛烈な新雪に埋もれているでしょう。
次回こそ,妄想どおりのレコを見られることを期待しています。
hushiyamaさん コメありがとうございます
そうなんですよ
先週末の伊吹山山頂は融雪が進んでおりました
ナイトハイクまで敢行したのに天気悪し風強し...
予定通りにはいきませんね
今週は大寒波がやってきましたが、
もしかしたら今度は少々降り過ぎかもしれません
明日あたり雪山ハイクとしゃれこみたいのですが、
右足の靴擦れ問題が解決しておりませんので、
ちょっとお休みにしようかなぁなどと悩んでおります
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