烽火山 彼は誰時の烽火台へ


- GPS
- 01:20
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 358m
- 下り
- 435m
コースタイム
天候 | 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
|
写真
感想
山行にはもしもの時のため、ヘッデンは携えていくものの、長いこと実際にライトを点けた記憶がない。かなりタイトな山行のスケジュールでもない限りはその必要がないので、そのような山行を長らくしていないということである。
長崎への出張の二日目、会合は9時からと思っていたのだが、さらに別の8時15分から始まるミーティングに出席する必要があり、当初、予定した烽火山への登山を諦めかけ、稲佐山への変更を考えるも、初志貫徹、稲佐山は山容は美しいが山の中腹まで立ち並ぶホテルを見るにつけ登攀意欲が削がれる。
烽火とは聞き慣れない言葉であるが、長崎には他にも烽火山がある。異国の不審な船舶を認知した際に狼煙をあげるための台を有する山の俗称であり、古くは斧山または遠見山と呼称されたらしい。烽火山という同名の山が多良山の南東部にあるが、この長崎の烽火山であげられた狼煙を受け継ぎ、佐賀の鍋島藩に急を知らせる役割を担ったという。長崎ならでは歴史を反映した山と云えるが、それだけに山頂からの展望に期待されるところである。
本河内貯水池の奥に佇む妙相寺にタクシーで向かう。登山路は寺から延びているように思わるが、寺の東にある小さな流れの左岸にある階段を街灯がうっすらと照らしているのが目に入り、ここから取り付く。ほどなく路は行き止まりとなり、思案にくれるが、なんと左手の堰堤に段がついており、対岸にトラバース。すぐに踏み固められた登山路に出る。
おそらく修験道の信仰の山なのであろう。路の正面に暗闇の中から懐中電灯の灯りに不動明王が顕現したのは迫力があった。空はかすかに白みはじめるが、檜林の中は暗く、なかなか明るくならない。急登をひとしきり登ると忽然と大きな開けた場所に飛び出す。烽火台のある山頂であった。薄明の長崎はようやく目を醒ましつつあるところだろうか。朝焼けをうけてラベンダー色のパステルカラーに染まった空と煌々とした市街の灯りがなんとも美しい。夜と朝が交錯する彼は誰時の光景である。
可能ならば刻々と変容していく空と街の景色を心ゆくまで愉しみたいところであるが、そうはしてはいられない。空もかなり明るくなってきたことでもあるし、下山を急ぐ。健山にむけて縦走路は照葉樹帯が多く、全く異なる景色である。下山の最終は国土地理院の地図に記されている鳴滝に直接下るルートを辿るつもりが、注意深く探すもまったくルートを同定出来ない。引き返して片淵中学校のグラウンドに出るルートをとると、まもなく昨日登った金比羅山の美しい稜線が正面に姿を顕す。グラウンドを左に折れると、すっかり目を覚まし、街路灯を消した市街の向こうに港湾が望まれる。通りに出たところでタクシーを拾って、ホテルに帰り着いたのは7時45分であった。なんとかミーティングに間に合う。
長崎山行三日目は英彦山に
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