小櫃川水系 土沢遡行〜四郎治沢下降

- GPS
- --:--
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 221m
- 下り
- 219m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※土沢入渓点の対岸の半島状地形の先端部にある公園 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・全体を通じて特段の危険個所はありません。 ・四郎治沢は小櫃川〜川廻し(標高155m付近)の区間、沢床が異様にヌメっており、まともに歩けません。ただし、乾いた部分をつなげば問題ありません。それ以外の箇所はフリクションが良く効きます。 ・野生動物の影響と思われますが、両沢とも落石が非常に多いです。四郎治沢では40cmくらいある岩が目の前に落ちてきました。 |
写真
感想
2月に沢に行くのは初めてですが、天気が良さそうなので房総の沢を対象に沢はじめの計画を立ててみました。
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滝原公園駐車場到着時、駐車台数はゼロ。静かだ。
人間がいない代わりにサルが何匹も走り回っている。
地形図に掲載されていない橋より小櫃川の対岸に渡る。ここは土沢の左岸にあたるが、地形的にダイレクトに入渓するのは難しく、しばらく尾根を登ったのち、一本東側の尾根を下降し、入渓点に至る。
故弘田氏の記録では、左岸側壁を懸垂下降しているが、ロープを出す場面はなくすんなりと入渓できた。
入渓直後は沢床はゴーロ上だが、しばらく進むと突如ナメ床が現れ、目を奪われる。房総特有の砂岩質のナメだ。フリクションが良く効く。
両岸の垂壁から垂れ下がった植物の蔓が南国を思わせる。所々、見事な地層が現れるが、地質学の知識があまりないのが残念だ。
屈曲を繰り返す廊下を進んでいくと、頭上にこれまた地形図に無い林道が現れる。林道が現れると、沢が急に荒れ出すが、それも一時的で10分も歩くと元の渓相に戻った。
どうも野生動物が崖上をうろついているらしく、ガサガサという音とともに落石が頻繁に発生する。とくに斜面の末端は傾斜がきつく石がスピードをつけて落ちてくるのでヒヤヒヤものだ。
正確な位置を失念してしまったが、二俣状の右側(本流)に唯一の滝らしい滝(といっても4mほど・・・)が掛かっており、これは右壁を容易に登ることができた。
滝を越してさらに進むと、右岸がオーバーハングした威圧感のある渓相が出現する。沢床は相変わらずナメがあるだけだが、仮に難しい滝が出てきたら高巻きは不可能で敗退が濃厚だ。
190mは顕著な二俣。ここを左に入ると沢床が荒れ始め、水も汚くなってくる。稜線まではもうわずかの標高差しかないので、二俣を過ぎて3本目くらいの右岸ルンゼを詰めて稜線に上がった。
稜線上には登山道が通っている。
ここからわずかに北上し、四郎治沢側に派生する尾根を下っていく。途中結構細くなっている部分もあるが忠実に尾根筋をたどっていくと、2本の枝沢が合流する目標地点に下りることができた。
四郎治沢もナメ床が続くが、沢幅が広く土沢よりも開放的な雰囲気だ。心なしか水も綺麗に見える(といっても飲めるレベルではありません)
下降を始めてほどなくして、魚影を見つけた。房総の沢に魚が住んでいるイメージはなく驚いた。
さらに進むと、今度はイノシシにばったり遭遇した。子供のようだ。崖から滑落したのか、脚は不自然に折れ曲がり、かろうじで動かせる左前脚で地面を這っている。
痩せ細っており、生命の灯が消えかけているのは明白だ。痛々しいがどうすることもできない。
沢はさらに規模を大きくしていく。岩床は洗濯板状を呈したり、不規則な凹凸を示したり、時にはナメ滝が現れたりと、工夫が凝らされている。
地形図上の林道横断点より少し上流側に、今回の山行で唯一の川廻しが現れるのだが、ここを過ぎてからやたらと沢床がヌメるようになる。
とにかくフリクションが全く効かないので、忠実に乾いたところだけを選んで下るようにする。一体何故こんなことになっているのだろうか。
結局小櫃川に到着するまで、ずっとこの状態が続いた。
さて、最後に小櫃川を渡渉して駐車場に戻ろうとしたのだが、一歩足を踏み入れると小櫃川本流も先ほどのヌメヌメのナメと化していることが判明。
もはや渡渉不可能なレベルなので、仕方なく右手の笹薮を漕いで脱渓したところ、民家の敷地みたいなところに出てしまったので、慌ててその場を立ち去り橋を渡って駐車場に帰還した。
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房総の沢は、以前小糸川水系の三間川を遡行したことがありますが、今回の沢の方が景観が良いように思いました。この時期に行ける沢としては、貴重な存在だと思います。
ヒルの被害はありませんでした。
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