鷹巣山 鎌倉古道湯坂路を辿り箱根神社へ
- GPS
- 05:37
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,193m
- 下り
- 559m
コースタイム
天候 | 曇時々晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険な箇所は無し |
写真
感想
今月2回目の山行は箱根にある鷹巣山。箱根の最高峰で信仰の対象である神山は未だに登山規制中のため、あえて今回は古の人々が麓にある箱根神社に向かうために使用したという鎌倉古道を歩いてみました。もともとはかの源頼朝の二所詣(三所詣とも)の為の参詣道として利用された道。旧東海道が整備される以前の箱根越のメインルートだったそうで、昔に思いを馳せるハイキングとなりました。
朝、箱根湯本駅から出発。国道1号線を歩き、旭橋を渡った少し先にある登り口から湯坂路ハイキングコースに入る。始めは石段や石畳の九十九折の急登の道が続く。15分ほど上がると傾斜が緩くなり、湯坂城跡の平坦地に出る。15世紀末に西相模の国人領主の大森氏が築いた城だという。いくつか土塁や堀切らしき遺構が残っている。そこからは緩やかな登りが続く。木の根が露出してる所が多いが、石畳がきれいに残っている箇所もあり、古道の雰囲気を醸し出している。徐々に高度が上がるにつれ、霜柱や残雪が現れ始めてくる。しばらくすると、背の高い笹原を切り開いたと思われる広い草原の尾根道が始まる。これが所々に雪が残ったりしながら結構だらだらと長い。丹沢の大倉のバカ尾根を思い起こさせるものがある。時々ドーンという音(調べると自衛隊の御殿場演習場の砲音らしい)が響いて聞こえてくる。途中で大平台への分岐を過ぎ、それでも45分ほどで草原の終点の標高802mの浅間山に到着。広場の向こうの木々の上に神山と駒ヶ岳が望める。
そのまま先へ進む。まずはアーチ状に生える照葉樹の中を下って行く。途中ヒメシャラの木もあったりして、この辺りだけ植生が今までと違っている。やがて下りきり、木階段と石畳が並列している最後の登り返しを上がると、本日の最高点・標高834mの鷹巣山に到着。この辺りは豊臣秀吉の小田原攻めの時に北条方が築いた鷹巣城跡といわれているが、実際に前の湯坂城のような明確な遺構も残っておらず全容は不明らしい。山頂は細長い広場だが木々に囲まれていて眺望は無い。そこから少し進んだ下り傾斜の開けた所で少しの間だけ二子山が現れる。
15分ほど下ると飛龍の滝との分岐で、少し先にはもう車が行き交う車道も見える。せっかくなので寄り道をして滝を見に行くことにする。うねった道を下るとやがて沢の水音が聞こえ始め、20分ほどで滝の展望台に着く。冬のせいか思ったより水量は少ないが、箱根権現信仰の行者が打たれた滝という威厳が感じられる。
湯坂路へ戻りは来た道ではなく、芦之湯方面にショートカットになりそうな巡視路を使う。途中で相模湾と三浦半島が望める今日一番の展望と出会う。
芦之湯からは元箱根石仏石塔群の遊歩道歩きとなったが、意外なことにこの平坦道が今日一番の雪道となる。ザクザク進みながら鎌倉から室町期の彫像を巡り、最後に精進池辺りの記念館でこれらの作成の切なる所以を知り感慨を覚える。
お玉ヶ池へ遊歩道をさらに進む。この道も意外なことに今日一番の凍結道で、転ばないように慎重さを要する。関所破りで処されたお玉の悲しい伝説が残る池には綺麗に二子山が映る。
そこから箱根の森の抜けて、車道を渡り旧東海道へ。脇には先ほどのお玉や箱根で難にあった旅人も祀るという観音堂が建つ。石畳の権現坂を下り、芦ノ湖畔の元箱根の街に。その先すぐが本日のゴールである箱根神社となる。
周りは一般の観光客(半数以上は外国人かも)でいっぱい。山行スタイル(一応トレーニングのつもりなのでサックも必要以上に大きめ)は少し気恥ずかしいが、しっかり参拝。いずれ神山にも登れるよう祈願する。
今回辿った湯坂路は今の時代決して難しいルートではありません。しかし、湯本から鷹巣山まで比高700mもあったりして、往時の旅人には厳しい箱根越の山道だったことを知り、実際に歩いてその難儀の一端を垣間見れた少しペーソス漂う思いがけない山行でした。
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