【桜台山岳会】久住〜黒岳原生林〜男池


- GPS
- 09:14
- 距離
- 15.6km
- 登り
- 925m
- 下り
- 1,459m
コースタイム
- 山行
- 5:15
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 6:10
天候 | 5/5 晴れ 5/6 小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
もう一台で牧ノ戸峠から出発 |
写真
感想
【海をこえた山】
愛媛の自宅から九州の名峰までは結構遠い。直線距離にしてしまえば200kmくらいだけれど、まず車で八幡浜港まで1時間半、フェリーに乗って3時間、さらに車で1時間ひた走ってようやく登山口にたどり着く。
登山口からザックを背負い、気持ちのいい五月晴れを仰ぎながら歩きはじめる。この一歩までが長かったなと考えつつ、本当の登山はもっとずっと前からはじまっていたことに思いを巡らせる。
それはたぶん木村くんに声をかけてもらった時から、あるいはどんなルートで登るか相談し、持っていく山道具を取捨選択した時から、そして本来なら些細なことだけれど、日帰り用のザックではなく、小屋泊用の大きめのザックを手に取ったあの瞬間から、今回の九重山ははじまっていた。
九州の山ははじめてだったけれど、本州や四国にはあまりない山容が、すぐに気持ちを解放させてくれた。言葉でなんと表現したらいいのか。火山性の雄大な山並みが視界いっぱいに広がり、ところどころ白煙が揺らぐ。山肌はゴツゴツした石や岩が多く、背の高い木はあまり見られない。かといって日本アルプスの山頂近くのような急峻さはなく、子どもでもスイスイ登っていける気軽さがこの山にはある。
当初の目論見では、久住山(くじゅうにはこの漢字を当てることも多い)と、最高峰の中岳を踏む予定だったけれど、法華院温泉山荘に行くコースの関係で、稲星山と白口岳にも寄り道できた。結果的に縦走のような形で、いわゆる“くじゅう連山”を堪能させてもらった。
法華院温泉山荘で硫黄の匂いのする温泉に浸かり、夕飯を食べ終えると、まだ日が落ちきっていないにも関わらず、布団から起き上がれなくなった。全身が心地良い疲れに包まれたとき、この幸福感を忘れたくないと心底思う。長い時間をかけて長い道のりを行くことでしか得られないものがあること。そしてそれを確かに知っていて、共有できる仲間がいるのは何にも代え難いよろこびだと思う。
忘れるな、思い出せと言ってらっしゃるのかもしれない。そのお伝えをあんたがくじいた足で運んだんだ。苦労して歩くことにはいつだって意味があるんだ。
(池澤夏樹『星に降る雪』)
久々に泊まりがけの登山。
久住(九重)には何度も登っていますが、初めて法華院温泉山荘に宿泊し、2日かけて久住山系、大船山系それぞれの山容を堪能できました。
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