歴史探訪トレイル紀行 in滝山丘陵


- GPS
- 01:50
- 距離
- 9.9km
- 登り
- 125m
- 下り
- 125m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自転車
数台分の駐車スペースもあり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆道の状況 ・ハイキングコースの大半は平坦なトレイル。滝山城跡周辺は一部舗装路。 ・急坂/岩場もなく、危険個所は皆無。安心、安全な里山歩きが楽しめる。 ・細かな分岐が多いが、基本的に広い尾根道を通れば迷うことはない。 ◆登山ポスト ・なし ◆立寄り処 ・銭湯「福の湯」: ハイキングコース入口から自転車で20分。八王子駅北口より徒歩10分。Pあり(3台)。450/人 |
写真
感想
好天に連日の好天に恵まれたこの日、お手軽里山トレランと歴史探訪を兼ねて滝山丘陵に赴いた。
先日雑誌で見て以来気になっていたのだ。
国道16号から少し入るとすぐにハイキングコースの入り口が見えた。私が自転車で乗り付けた時、丁度別の家族が車でやってきて路肩に駐車したところだった。見ると2〜3歳くらいの小さなお子さんが3輪車にまたがっている。危なくないのだろうかと心配したが、杞憂だった。短い階段を上るとすぐに尾根道に出、以後は広く平坦なトレイルが続く。その家族以外にも犬の散歩をしているおばあさんや、仕事帰りのような出で立ちの男性など、地元の方々が思い思いに午後の散歩を楽しんでいた。
そんなトレイルは当然走るにも最適である。キツイ登りは皆無で、緩やかな上り下りを繰り返す。雑木林の紅葉も終わりに近づき、冬枯れ木々の間から温かい日差しが注ぐ。落ち葉の絨毯の上を一歩踏み出すごとに柔らかい感触と乾いた音が心地よい。どこまでも走っていけそうな錯覚にとらわれる。
今日の目的の一つに「山の神」と呼ばれる展望台からの絶景があったのだが、これが一苦労だった。そもそもどこにも「山の神」という道標は存在しない上、麓から上がってくる道が多数合流してくるためどれが山の神への分岐だか分からない。お陰で幾度か麓と尾根道を往復する羽目になってしまった。とはいえそれぞれの道で気持ちの良い下りや面白い景色、道端の社等に出会うことができたので悪くない寄り道だった。紆余曲折の末たどり着いた山の神からの展望は期待を裏切らなかった。多摩川をはさんで緑の田園風景と白い街並み、雲ひとつない青空の三様の色彩のコントラスト。周囲を一望できるこの立地は、地政学的にも山城を築くにふさわしいものだったのだろう。
滝山城は1521年に武蔵国守護代の大石定重が築城したとされる。1584年には八王子城が築城されたため滝山城は廃城となるが、その間武田信玄の軍勢を退けるなど当時では日本有数の平山城だったらしい。幾重にも張り巡らされた空堀や土塁が往時の強固な守りを偲ばせる。
この滝山城の城下町が現在の八王子市の起源になるらしい。今の地図では八王子市の北の端、昭島市との境目となるこの場所だが、当時はこの城が政治の中心だったのだろう。現在は市民の憩いの場へと役割を変えて人々の生活に結びついている。私もその恩恵を存分に味わいつつ、帰路についた。
<最後に>
自動車がなかった時代、交通手段の基本は当然ながら徒歩だった。また当時の人口を考えても街の規模、人々の生活圏は今よりずっと狭い範囲だったに違いない。つまり現在においても歴史探訪に当たっては徒歩ないしランニングが有用な交通手段になると思われる。特に自動車などに頼らず自分の足で移動することは、昔の人々と同じ視点、同じ距離感を体感することにも繋がる。今後も機会があれば山歩き・街歩きと趣味の歴史探訪を組み合わせた計画を立てていきたい。
コメント
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tkoikeさん、こんにちは。
滝山城跡については、八王子の「揺籃社」という出版社から「よみがえる滝山城」という小冊子が出ていて、詳しく紹介されてます。滝山城の前に大石氏が立てた高月城(滝山城の北側、東秋川橋の辺り)や、支城の根小屋城(サマーランドの南側。北曲輪は結構崩れた所が多くデンジャラス)のこともこの本で知りました。築城当時の歴史や、虎口や馬出など図面で構造とはたらきが解説されていて、お勧めしたい一冊です。
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