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記録ID: 1615588
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ハイキング
磐梯・吾妻・安達太良

吾妻山神社(吾妻大権現)

2018年10月13日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
15.9km
登り
1,117m
下り
1,119m

コースタイム

日帰り
山行
5:05
休憩
0:20
合計
5:25
8:30
145
吾妻山神社登山口
10:55
10:55
25
11:20
11:40
30
12:10
12:10
105
13:55
吾妻山神社登山口
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2018年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
とても良い道です。
整備されている方に感謝申し上げます。
中津川レストハウスから遊歩道に下ります。
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中津川レストハウスから遊歩道に下ります。
左岸に沿って歩くと林道の古い橋が見えてきます。
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左岸に沿って歩くと林道の古い橋が見えてきます。
林道を進むと分岐点があるので、右方向に進みます。
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林道を進むと分岐点があるので、右方向に進みます。
今は人家が消滅した議場地区。
かつて前九年の役のとき、源氏軍が攻撃の軍議をしたことから名付けられたという。
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今は人家が消滅した議場地区。
かつて前九年の役のとき、源氏軍が攻撃の軍議をしたことから名付けられたという。
この橋を渡ると登山口はすぐ。
駐車場からここまで、約40分くらいでした。
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この橋を渡ると登山口はすぐ。
駐車場からここまで、約40分くらいでした。
標識の左の林道を進みます。
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標識の左の林道を進みます。
すぐに「穏姿菩薩」と札に書かれた唐松姥神があります。
昔、この姥神の近くに遙拝所や籠堂が建てられ、奥ノ院に向かう御峯駈けの修行はここから始まったそうです。
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すぐに「穏姿菩薩」と札に書かれた唐松姥神があります。
昔、この姥神の近くに遙拝所や籠堂が建てられ、奥ノ院に向かう御峯駈けの修行はここから始まったそうです。
唐松沢を渡渉したところにあるミズナラの御神木。
昔は、橋が架かっていたらしいですが、簡単に渡れます。
よくわかりませんでしたが、この傍らに「ザラメキ滝」という小さな滝があり、登拝者は、この滝で身を清めてから奥ノ院に向かったそうです。
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唐松沢を渡渉したところにあるミズナラの御神木。
昔は、橋が架かっていたらしいですが、簡単に渡れます。
よくわかりませんでしたが、この傍らに「ザラメキ滝」という小さな滝があり、登拝者は、この滝で身を清めてから奥ノ院に向かったそうです。
さて、登りましょう。
修験の道ですから、今日は、一度も座らずに下山することを目標とします。
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さて、登りましょう。
修験の道ですから、今日は、一度も座らずに下山することを目標とします。
カラマツ林を過ぎると・・・
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カラマツ林を過ぎると・・・
紅葉の林がお出迎えです。
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紅葉の林がお出迎えです。
そして、ブナ林に突入。
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そして、ブナ林に突入。
帰りには、晴れてくれないかと願いつつ・・・
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帰りには、晴れてくれないかと願いつつ・・・
先に進みます。
しかし、修行の道なのに、この快適さは、おかしくないか?
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先に進みます。
しかし、修行の道なのに、この快適さは、おかしくないか?
ブナ林の中の道は、広くて、とても歩きやすい道でした。
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ブナ林の中の道は、広くて、とても歩きやすい道でした。
ただ、こういう場所は気を付けましょう。
突然、近くの藪の中から、ガサガサと音がしたので・・・
(しかし、こんな山の中なのに、よく刈り払いがされてます。整備されている方々には、本当に感謝です。)
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ただ、こういう場所は気を付けましょう。
突然、近くの藪の中から、ガサガサと音がしたので・・・
(しかし、こんな山の中なのに、よく刈り払いがされてます。整備されている方々には、本当に感謝です。)
とっさに、右手は腰のナタを掴んでいました。(笑)
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とっさに、右手は腰のナタを掴んでいました。(笑)
熊に襲われたときの最後の抵抗手段です。攻撃したら、相手が逃げ去ったという事例はたくさんあるようです。。もちろん、出会わないことが大事なので、その後は、熊鈴のほか、強烈な音の出るホイッスルも時々吹きながら進みました。
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熊に襲われたときの最後の抵抗手段です。攻撃したら、相手が逃げ去ったという事例はたくさんあるようです。。もちろん、出会わないことが大事なので、その後は、熊鈴のほか、強烈な音の出るホイッスルも時々吹きながら進みました。
標高1500メートルを超えると、ブナやダケカンバの広葉樹林帯から、シラビソの生える針葉樹林帯に変わります。
そう言えば、標高2000メートルを超える飯豊には、針葉樹林帯がないんですよね。なぜ、なんでしょうね。
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標高1500メートルを超えると、ブナやダケカンバの広葉樹林帯から、シラビソの生える針葉樹林帯に変わります。
そう言えば、標高2000メートルを超える飯豊には、針葉樹林帯がないんですよね。なぜ、なんでしょうね。
今度は、苔むした岩石と木の根の道を下ります。
滑りやすい上に、木の根と岩の間には、穴が開いてますので、注意が必要です。
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今度は、苔むした岩石と木の根の道を下ります。
滑りやすい上に、木の根と岩の間には、穴が開いてますので、注意が必要です。
この辺りには、ヒカリゴケがあると聞いていましたが、はっきりとは、わかりませんでした。
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この辺りには、ヒカリゴケがあると聞いていましたが、はっきりとは、わかりませんでした。
下った道を登り返すと奥姥神様に到着します。
こんな山の中で寂しくないのだろうかと思ってしまいますが、かつては、登拝者で賑わった時代もあったはずです。
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下った道を登り返すと奥姥神様に到着します。
こんな山の中で寂しくないのだろうかと思ってしまいますが、かつては、登拝者で賑わった時代もあったはずです。
資料によると、この姥神は、「吾妻山案内記」(成就院文書)に書かれた姫姥神とのことらしいとの記述がありました。昔、登拝者は、ここで新しい草鞋に履き替えて「聞けば語るな、語らば聞くな」と無言の行で奥の院へと下っていったそうです。
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資料によると、この姥神は、「吾妻山案内記」(成就院文書)に書かれた姫姥神とのことらしいとの記述がありました。昔、登拝者は、ここで新しい草鞋に履き替えて「聞けば語るな、語らば聞くな」と無言の行で奥の院へと下っていったそうです。
いよいよ最後の急な下りですが、危険ということはありません。
赤テープもついていますので、迷うこともないでしょう。
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いよいよ最後の急な下りですが、危険ということはありません。
赤テープもついていますので、迷うこともないでしょう。
そして、ようやく吾妻大権現に到着です。
ここは、展望もない山中ですから、歴史に興味のない方には、お勧めはできません。(笑)
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そして、ようやく吾妻大権現に到着です。
ここは、展望もない山中ですから、歴史に興味のない方には、お勧めはできません。(笑)
この注連縄を巻いた巨岩こそ、かつては、会津や県北の人々から厚い信仰を集めた吾妻大権現の霊岩です。
岩の下から硫黄分を含んだ温い湯が流れ出ており、その出口に乳白色の湯花が凝固しています。この湯花は、蚕の形をしており、「お息」と称し、養蚕の守護神として信仰されたそうです。
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この注連縄を巻いた巨岩こそ、かつては、会津や県北の人々から厚い信仰を集めた吾妻大権現の霊岩です。
岩の下から硫黄分を含んだ温い湯が流れ出ており、その出口に乳白色の湯花が凝固しています。この湯花は、蚕の形をしており、「お息」と称し、養蚕の守護神として信仰されたそうです。
手を入れてみると、やはり水は温く、上部から温泉が出ていることがわかります。
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手を入れてみると、やはり水は温く、上部から温泉が出ていることがわかります。
久しぶりに心を込めて祈りました。何せ、今日、参拝したのは、自分一人ですから、何やらご利益がありそうな気がしてなりません。
この霊岩の前にある石碑は、大正15年に納められたものです。
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久しぶりに心を込めて祈りました。何せ、今日、参拝したのは、自分一人ですから、何やらご利益がありそうな気がしてなりません。
この霊岩の前にある石碑は、大正15年に納められたものです。
権現様の上部にも白い水が流れていました。
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権現様の上部にも白い水が流れていました。
いつものコーラが、神々しく感じます。
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いつものコーラが、神々しく感じます。
この神聖な流れを見ていると身も心も清まるようでした。
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この神聖な流れを見ていると身も心も清まるようでした。
さて、帰りましょう。
写真は、権現沢の下流方向。
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さて、帰りましょう。
写真は、権現沢の下流方向。
巨大な倒木
さっぱり、晴れてくれませんでしたが、吾妻大権現に登拝できたことで、心は晴れていました。
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さっぱり、晴れてくれませんでしたが、吾妻大権現に登拝できたことで、心は晴れていました。
休日でしたが、誰とも会うことはなく、静かな山歩きができて満足です。
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休日でしたが、誰とも会うことはなく、静かな山歩きができて満足です。
今回は、隠れた文化遺産とも言える吾妻山信仰を多少調べていったお陰で・・
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今回は、隠れた文化遺産とも言える吾妻山信仰を多少調べていったお陰で・・
心のロマンを感じる山旅ができたと思います。
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心のロマンを感じる山旅ができたと思います。
下山し、遊歩道に着くと、たくさんの観光客が中津川渓谷の紅葉を楽しんでいました。
自分は、ちょっと場違いの格好でしたが、ソフトクリームを美味しくいただきました。(^-^)
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下山し、遊歩道に着くと、たくさんの観光客が中津川渓谷の紅葉を楽しんでいました。
自分は、ちょっと場違いの格好でしたが、ソフトクリームを美味しくいただきました。(^-^)
これは、平成2年発行の地図。破線ですが、こんなところにも、道があったんだと驚かされます。
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これは、平成2年発行の地図。破線ですが、こんなところにも、道があったんだと驚かされます。
これは、現在のもの。かつてあったいくつかの登山道がなくなっています。
吾妻山神社へのルートも変わっており、実線になっています。
昭和53年の新聞記事によると、吾妻山神社への道は、廃れて通行不能であったが、昭和50年の夏に猪苗代町役場の職員をはじめとする協力者の応援を得て着手、昭和52年、53年にわたり本格的な作業を行い、埋もれた登拝道を切り開いたとあります。現在も、有志の方々によって整備されているそうです。
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これは、現在のもの。かつてあったいくつかの登山道がなくなっています。
吾妻山神社へのルートも変わっており、実線になっています。
昭和53年の新聞記事によると、吾妻山神社への道は、廃れて通行不能であったが、昭和50年の夏に猪苗代町役場の職員をはじめとする協力者の応援を得て着手、昭和52年、53年にわたり本格的な作業を行い、埋もれた登拝道を切り開いたとあります。現在も、有志の方々によって整備されているそうです。

感想

吾妻山神社(吾妻大権現)の奥ノ院は、858年に藤原義円という僧が発見したと伝えられています。その後、吾妻山信仰の栄枯盛衰はありましたが、現在まで、細々ながらも、引き継がれてきたことは、奇跡的とも言えます。
吾妻山神社は、一度登拝したいと思ってた矢先、前回の家形山のレコにokusan093さんから頂いたコメントが後押しになり、早速、登拝してきました。
このルートは、御峯駈けと言われ、奥ノ院に登拝する最も便利なルートとして文化年間に成就院諦信(代々の吾妻山神社の別当)が開いたもので「本駈け」とも言われる主要道であったそうです。
今回、このような由緒ある道を歩けたことは、吾妻山をホームグランドとする自分にとっては、とても貴重なことだったと思っています。

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コメント

貴重な歴史の道ですね(^^)
詳しい歴史、勉強になります。有難うございました(^^)
今では吾妻神社だけのための道を有志の方々が守っているのは頭が下がりますね。
それにしても、39/40の地図が平成2年に発行されたとは全くの驚きです。破線のほとんどは相当前に消滅していたのではないだしょうか。
登山道はスギ、ヒノキなどの植林の道と思ってました。紅葉が嬉しいですね。
中津川を少し遡ると白滑八丁という綺麗な滑があって楽しめますよ(^^♪
2018/10/15 20:05
Re: 貴重な歴史の道ですね(^^)
吾妻山の歴史は、私も今まで、ほとんど知らなかったのですが、ひょっとしたことから、図書館で資料を目にして、興味を持った次第です。知っていると知っていないのでは、見る目が全く違いますね。
Hideさんは、かつて中津川を遡り、ヤケノママまで行かれたそうですが、そのコースは、「地獄駆け」と言われたそうですよ。(笑)
そんな方に、是非、「白滑八丁」に連れて行ってほしいです。(^-^)
2018/10/15 20:24
ゲスト
歴史関係,も詳しく
スピード早いですね。

歴史関係も詳しく、H2年地図には
中吾妻の北と、継森の北とに2本の破線道が有りますね。
良く調べられましたね。大変勉強になりました。
S8年の吾妻記録・本でも、2つの登山道が書かれています。

コメ欄をお借りします。
つがざくら山岳会の話では、飯森山〜谷地平間は、S40年代まで道刈してたそうです。
昔、夏道でこのルートを歩いた記録を見ましたら教えて下さい。
今は残雪時に歩いている人がいます。(ネット情報です)。

宜しくお願いします。
2018/10/16 16:45
Re: 歴史関係,も詳しく
お陰さまで、無事に登拝してきました。
あまりにも良い道だったので、ちょっと拍子抜けしたくらいでした。
谷地平とは、赤崩山の谷地平ですよね。確かに国土地理院の地図には、飯森山から登山道の表記があり、私も分かっていたので、飯森山に登ったときに確認しましたが、道らしき形跡はありませんでしたし、グーグルアースで見ても、全く道らしきものは写っていませんね。記録が残っていたとしても、何十年も前のもので、公にも出てないのではと思いますが。役に立てずにすみません。(^-^)
2018/10/16 22:16
ゲスト
歴史関係詳しいですね
スピード早いです。

歴史関係も詳しく、H2年地図には中吾妻の北と、継森の北とに2本の
破線道が有りますね。良く調べられましたね。大変勉強になりました。
S8年の本・吾妻記録でも、2つの登山道が書かれています。

コメ欄をお借りします。
つがざくら山岳会の話では、飯森山〜谷地平間は、S40年代まで道刈し
てたそうです。昔、夏道でこのルートを歩いた記録を見ましたら教えて下
さい。今は残雪時に歩いている人がいます。(ネット情報です)。

宜しくお願いします。 okusan
2018/10/16 16:48
ゲスト
古い記録探し
sinobuno さんのコメント通りです。

オラも、谷地平〜赤崩山で、飯森山で、栂峰で、少し藪に入って古い登山道跡を探しましたが、すごい藪に消されていました。
古い記録を読みたく福島の図書館等を調べてみたいです。

ご参考  2017/7/8 飯森山
https://blogs.yahoo.co.jp/okusan2005/archive/2017/7/9

コメ返信不要です。  okusan
2018/10/17 11:04
護られる信仰
修験目的で登拝道を往った当時の人々が
どんな想いで登っていたのか、とても興味深いところです。

神社をひらく歴史は驚くほど明確に残ることも
少なくないのですが、以降登拝する人々が何を祈ったのか。

登山は単にスポーツや景観を楽しむだけのものではなく、
地元の人々が護ってきた祈りや願いに触れることの出来る
ものですよね。

久しくこのような事をしていませんが、また自分の地元で
歴史を紐解く登山をしてみたくなりました。

お疲れさまでした。
2018/10/20 4:37
Re: 護られる信仰
おはようございます。🌄
SM100Cさんは、かなり早い時間に起きられるんですね。👀‼
確かに、今の娯楽登山と昔の信仰登山とでは、山に登る目的が違いますから、当時の人がどんな想いで登っていたのかを考えると興味深いですよね。
そのために信仰心を持とうとまでは、思っていませんが、(笑) 少しでも歴史に触れることによって、さらに、登山の楽しみが増えるものと思っています。(^-^)
いつも、拙いレコにコメントをいただき、ありがとうございます。m(._.)m
2018/10/20 6:04
プロフィール画像
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