山行記録: 鍋倉山

記録ID: 1621495

全員に公開

雪山ハイキング

甲信越

鍋倉山

2017年03月25日(土) [日帰り]

新潟県長野県

まみち

体力度

日帰りが可能

体力度について

GPS: 04:01
距離: 7.7km
登り: 753m
下り: 752m

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歩くペース

速い

0.7～0.8

ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り

山行: 3:46
休憩: 0:15
合計: 4:01

距離 7.7km 登り 753m 下り 752m

6:20

166分

スタート地点

9:06

9:21

60分

鍋倉山

10:21

ゴール地点

天候	晴れ時々曇り
過去天気図（気象庁）	2017年03月の天気図
アクセス	利用交通機関：自家用車アクセスを調べる my出発地登録

写真

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装備

個人装備	ヘッドランプ予備電池 1/25000地形図ガイド地図コンパス笛筆記具保険証飲料ティッシュ三角巾バンドエイドタオル携帯電話計画書雨具防寒着ストック水筒時計非常食ファーストエイドキット医薬品カメラ

感想

まみち

先週の花立山があまり天気が良くなかったので登って楽しくなかった。
このままスノーシューシーズンを終えてしまうのはなんとなく悔しい。
と言っても土曜日は昼から用事があるし、日曜日はまた天気が悪く、その次の週になってしまうともう4月、コンディションの良い雪はもうないだろう。
となれば頑張って晴れそうな土曜日の午前中に何とか登頂して戻ってくるしかないな。
そう思って迎えた土曜日の早朝、目を覚まして空を見ると、雲が多いが晴れ間がある。
これは出かけるしかないなと思ったところで記憶が無くなった。
なんと二度寝してしまったようだ。
再び目を覚ましたところで急いでザックを担いで車に乗り込んだ。
車は雪が降ったようでウィンドウはガチガチに凍っている。
これだけ気温が下がっているともしかすると新雪上を歩くことができるかもしれないが、逆に豪雪地帯の鍋倉山は吹雪いて登れないかもしれないなぁ。
そんな期待と不安を胸にCX-5で北上する。
長野市では空に月も見えていたのだが、
北に行くにつれ、路面は凍結し、雪の降りは強くなる。
関田峠のふもとの温井集落の県道の除雪の終点の到着。
ここに来ても雪は止まない。
出発するか踏ん切りがつかず、しばらくCX-5の車内で様子をうかがっていると、一台の軽トラがやって来た。
荷台にはBCスキーが積んであり、鍋倉山に行くのであろう。
軽トラの人の出発準備を見ているうちに雪は止み、太陽が見えてきた。
その太陽を見て、おいらも急いで準備をして鍋倉山へ行く決心をした。
2mは優にある雪を乗り越え林の中へ。
先週と違って気温が低めのマイナス2度、新雪は約15センチといったところ。
06:33　先週の重い雪と違って軽い雪面の足取りも軽く、雪もふわっとして歩くだけで気持ちが良い。
雪に埋もれる幻想的な温井集落を背に林の中へ
林をトラバースし、
06:46　昨日以前につけられたトレースはすっかり新雪に覆われてる。
06:51　真新しいウサギの足跡
しばらくは誰もいない雪面を歩いていたのだが、後ろから先ほどのBCスキーの人がついてきていることを視認、徐々に差を詰められており、真っ新な雪面を楽しむことができるのも時間の問題。
06:54　頂上は見えませんが、左手の尾根の先が鍋倉山。白い稜線は関田峠かな。
07:06　未除雪の県道を行く。
07:07　振り返ると真っ新な雪面と我がトレース
遠くには盆地を埋める綿あめのような雲
07:23　見渡す限りの緩斜面はふっかふかの雪面、一人にもかかわらず思わず笑みかこぼれる。
シーズン最終末にこんないい雪面を歩けるとはうれしいねぇ。
07:45　振り返るとこれまた絶景、青空もあるが地面はモノトーン、またまた笑みがこぼれる。
08:07　そんな楽しい雪面を1時間半ほど進み、鍋倉山の東の懐に取りついたところから急登が始まる。
トレースは残っているが、昨晩降った新雪はこの辺まで来ると30cm弱。
その新雪を踏みながら進むのは緩斜面では気持ちよいものだが、急斜面ではスノーシューが滑り、地味に体力が削がれていく。
背後近くまで迫っていたBCスキーの人はこの斜面を南にトラバースをして視界から見えなくなった。
08:13　鍋倉山は天然ブナ林の宝庫、時間があれば森太郎や鬼ぶなの巨木を見に行きたいのだが、下山リミットがあるので今日は泣く泣く登頂だけ。
鍋倉山山頂への道のりは約3㎞、既に2㎞近くは歩いているので山頂までは約1㎞
県道の行き止まりの標高は約550m、現在の標高は約900m、350m位標高を稼いだけれど、鍋倉山の標高は1,288mであと400m近くある。
山頂までの行程は1/3を残すのみですが、標高差は2/3の行程で稼いだ標高のよりは高さがある。
正確な傾斜の計算はパッとできなくても、残す行程1/2で標高はほぼ同じとしても傾斜は2倍以上だ。
仰ぎ見ながら登るこの斜面の標高差はGPS地図で確認すると、ざっと250m
ここを登り切ればあとは緩斜面の尾根となるはずなので頑張ろう。
といってもペースが上がるわけでもなく、何十歩か進んで一休み、登ってきた行程を見返しながら登っていく。
一呼吸おいて休んでいると、サクサク音がする。
下方を見下ろすと、ボードを担いだ人が止まることなく登ってきた。
08:28　そのペースはこれでおいらの山頂一番乗りは無くなることを感じさせるには十分なものだった。
そうは言ってもおいらにだって意地はある。
少しペースアップをして急登を登り切り、左手側から先ほどから見えなくなっていたBCスキーの人を視認した。
08:33　ここで後ろから「トレース、ありがとうございました」の一声で先ほどのボードの人に先頭を明け渡すこととなった。
競争をしているわけではないので一番乗りを逃す悔しさはないが、踏み跡の無い新雪を歩くことができないのはちょっとだけ悔しい。
でも、ボードを背負った背中は見る見るうちに小さくなり、樹氷の林に吸い込まれていった。
左手からやってきたBCスキーの人のペースはおいらとほぼ同じくらい。
おいらと同じく時たま写真撮影ためか立ち止まることもあるので、全く同じペースといっても良いくらい。
新雪の積雪量は30㎝くらいでそれほど負担にならないかと思っていたが、トレースの後を歩いていくと明らかに負担が少なく楽に登れる。
楽しみは減るが体への負担も減るので良しとしよう。
08:42　急登を登っているときに気がついてはいたのだが、遠くに盆地を埋めるように見えていた雲はだんだんと鍋倉の山々に近づき、おいらが稜線にたどり着いた時にはとうとう追いつかれてしまった。
08:47　雲の動きは速く、あっという間に稜線とその先の山頂を覆う。
鍋倉山の山頂からは日本海や新潟県境の山々を眺めが素晴らしいと聞いていたが、この様子では眺望は期待できないかな。
08:53　完全にモノトーンの稜線をしばらく歩くとなだらかで真っ白でお餅のような頂上にたどり着いた。
そのお餅のような山頂にはボードのお兄さん滑る準備をしていた。
言葉を交わすとほんの少し前には日本海が見えていたようだが、残念ながら今は見えなくなってしまったとのこと。
遅くとも昼までには家に帰らなければならないので、自分でタイムリミットと定めていた9時半よりは早く山頂に着いたので、余裕はないが少しだけ山頂でくつろぐ。
上っては消える雲のため遠望は利かないが、雲より下は結構見える。
正確な場所はわからないけど、先日訪れた花立山も見えるのではないかな。
それにしても3月最終週の週末とは思えないほどの、この雪質と積雪量は素晴らしい。
時間に余裕があればいつものようにカップラーメンで一息を入れたいところ。そしてふかふかの雪面に顔面から突っ込んで体を冷やしたいところだ。
BCスキーの人も間髪入れず山頂に着いていた。
仏が峰方面から尾根伝いに鍋倉山を目指したかったが、おいらと同じく午後から用事があるのと、雪庇が怖いので鍋倉山へ直登したとのこと。
09:18　そうした会話を交わしているとボードのお兄さんが、ブナ巨木の谷へ落ちていった。
真っ白な雪面に1本のシュプールが描かれて、あっという間に見えなくなった。
BCスキーの人は来た道を戻るつもりだったようだが、谷間に消えて行ったボードのお兄さんを見て、ここを降りるのもいいかもとつぶやいた。
おいらにはそういった選択肢はない。
ここから1時間以内にCX－5に戻らないと長野に帰ることは絶望的になってしまうので、後ろ髪をひかれつつ来た道を戻る。
疲れ気味な脚ではあるが、やわらかい雪面のクッション性は高く、下りのペースはなかなか。
山頂から少し下がった稜線では陽の光が当たり、ブナ林の樹氷が瞬く間に溶けて、おいらの体に降り注ぐ。
気持ち良く見た目もきれいなのだが、ドサッと降ってきたらと思うと少し怖い。
このキラキラと輝きながら溶けゆく樹氷を見ているこれから山頂を目指す人とすれ違ったが、おいらにはそんな時間はないので、溶けゆく樹氷を浴びながら小走りで下る。
転げ落ちそうな急登は登る方は体力的に辛いが、技術的には力任せでもなんとかなる。でも下りはそうはいかない。
疲れも重なればなおさらだ。
先ほど登ってきたルートを下るのは傾斜が急すぎて下手すると滑り出したら止まらない。
そのまま何事もなく滑り下ることができれば、ラッキーだが、このブナ林を無傷で滑り降りるのはスキーを履いていたとしてもおいらには無理だ。
なのでちょっと怖いけどこの斜面をトラバース。
雪崩の跡や兆候はないので大丈夫だとは思うが、この斜面にはブナの木は少ないのは滑りやすい斜面でブナの木が定着しにくいと考える決して油断できる斜面ではない。
BCのトレースを上手く伝って下へ下へと回り込む。上手く踏み跡を利用しないと重力に負けてしまうので慎重に、だ。
重力に体を任せ、TUBBSのおかげで下りは楽だ。
あっという間に緩斜面にたどり着いた。
ここまで来るとこれから山頂を目指す多くの人々とすれ違う。
さすが人気の山とうれしく思う反面、アイスクリームのように柔らかな雪面はトレースだらけ。
雪が無ければ畑と沢と思われるなめらかな斜面をパタパタと下っていくと、帰投目標時刻の10時30分前にCX－5とご対面
さっさと装備を外し、いつものアクエリアスで喉を潤して帰ろうとしたときにザックのサイドポケットに入れたあったモンベルの山専ボトルが無いことに気が付いた。
そういえば下山途中に2回転んだのだがその時に落としてしまったか？
2回目に転んだのは登山口からちょっと登ったところだったので、いそいでTUBBSを装着して林の中に突入するも、緑鮮やかな山専ボトルの姿は無かった。
ここに落ちてないとすると、1回目に転んだのは鍋倉山頂に続く尾根の稜線上、標高1,100m以上の場所に落としたとしか考えられない。
昼には長野に戻らなければならないので、戻る選択肢は無い。
後ろ髪を引かれつつも登山口を後にした。
それにしても1年の内に2回もボトルを落としてしまうなんて間抜けにもほどがある。
仕方ないが今日の捜索はあきらめて岐路についた。
ボトルの件は残念でしたが、比較的天気にも恵まれ、先週の花立山のリベンジは果たせたかな。