【初参戦】OMM JAPAN 2018 in OKUMIKAWA



- GPS
- 32:00
- 距離
- 37.1km
- 登り
- 1,980m
- 下り
- 2,112m
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:10
- 山行
- 5:26
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:26
イギリスで1968年から続いている非常に歴史ある大会であるOMMには、同じ山岳をフィールドとしたトレランとは違う特徴がある。
・2人1組のチーム戦。
・幕営装備を背負って、ナビゲーション力、セルフエマージェンシー力、判断力など山の総合力が求められる。
この大会、名前こそは知っていたもののひょんなことから参加することになった。
山岳会の友人のかわぴーにOMM出ようと誘われ、元々オリエンテーリングには興味があったのもあり、軽い気持ちで初参戦となったのであった。
パートナーであるかわぴーは、過去に何回かOMMに参加しており、確かStraight Cで総合6位になったことがあるのだとか。
読図は得意分野なのでよいものの、パートナーのかわぴーのスピードについていけるかが当日までの不安ポイントであった。
OMMは大会の特性上、毎年、違う場所で行われ、今回は、奥三河。
種目は以下の種類があるが、今回は、Straight Cで参加した。
・Straight A/B/C ・・コントロールポイントを指定された順番に回り、所要時間を競う。
・Score Long/Medium ・・一定の制限時間の中で、より得点の高いコントロールポイントを獲得するために自由にルート選択しながら進む。
※各競技の詳細は以下参照。
http://theomm.jp/?page_id=1136
Straight Cは、2日間で移動距離約35km、獲得標高約1500m/1日を想定されており、両日ともに7時間以内に完走しなければならない。
Score Longが最も参加チーム数が多く約700組近い。
それに対して、Straight Cは約60組。
んー、どうしてこんなに違うのか謎だ!
(のちにその理由は何となくわかるのだが・・・。)
とにかく、OMM初参戦のため、 「楽しく完走」を目標に挑んだ。
■DAY1
前日、他のメンバーとともに車2台、阿佐ヶ谷と品川にそれぞれ集合して、奥三河へ。
「道の駅 豊根グリーンポート宮嶋」で前泊。
翌朝5:15に起床。
3時間睡眠で寝た気がせず、動けるか心配になる。
山岳会の他メンバーはScore Longに出場で私たちよりスタート時刻が遅いため、一足先に会場にイン。
スタート地点はスキー場のゲレンデ。
スタートは1分おきで決められた時間にスタートする。
スタートする際、まずBOXから地図をとって、約1分間地図を眺めたあとにスタートとなる。
天気予報では、2日間とも快晴!
何とも恵まれている。
初参戦で初日から雨だと、ちょっと気が滅入ってしまうかもしれないが、快晴となれば気分るんるんである。
8:15スタート。
スタートすると朝露で濡れて滑りやすい狭い道を続々と駆け抜けていく。
登山靴と違って、横方向に滑りやすいトレランシューズに慣れていないのもあり、動きがゆっくりしてしまいがちで、背後から凄い早さで駆け抜けていく参加者たちは、みな滑るように駆け下っていくので、何だかちょっと怖かった。
周囲を見ていて面白かったのは、参加者のザックやら靴で登山系なのかトレラン系なのかわかることである。
登山系の人だとザックやらウェアも登山ブランドのものを身につけていることが多く、対するトレラン系の人は登山系の人からするとちょっと失礼だが「え、そんな格好で山岳レースにでるの!?」と感じるほど、服装やら装備が軽い感じ。
あくまで感覚値だがトレラン系の人が多く、山屋はそれよりは少ない感じだった。
1つ目のコントロールポイント(以下、CP)は、簡単。
そこから車道に出るがここで、2つ目のCPに向かってばらける。
私たちは1kmほど林道を西へ歩き、車道の南側の斜面が比較的緩くなっているところから、200mほど下降して、一本下の車道に出た。
下降する際、沢を下降しようか悩んだが、下部がどうなっているのかわからないので、一本西の尾根にトラバースしたが、トレランシューズでのトラバースはちょっと緊張した。
さらに林道を西へ歩き、南に行く林道へ入り、適当な場所からコンパスで方角を確認して小ピーク上にあるポイントへ向かった。
地形図には書いてないが、はっきりとした踏み跡があった。
CP3は、CP2からそのまま尾根を使って南西へ進むチームが多かったが、私たちは一旦、北側の林道から沢沿いにある林道に出て西に進み、南に延びる林道から向かった。
CPは谷にあったが、歩いてきた林道からすぐに確認できたので、探すのに手間取らなかった。
CP4も、林道から藪に突入してわりとすんなりチェック。
1日目の核心は、CP4からCP5への大移動。
一気に4〜5kmほど移動する。
私たちは山の中腹を通る林道を歩いたが、ここは他のチームは全然使っていなかった。
そして、これが地味に長くて体に堪えた。もうへろへろである。
CP5も谷にあるとのことだが、地形が緩やかな上にぼさぼさしていて今一どこにあるかわからず、ここでは、他のチームもうろうろ。
ぼさぼさの沢地形のところで何とか発見。
制限時間より1時間早くゴールできそうだねということで、あとは本日のゴールに向かって孟ダッシュ。
6:10:29。暫定で総合15位。まずますではないか!?
そもそもきちんと完走できるか不安だったため、思っていたよりいい順位で初日を終えられ、明日へのモチベーションもアップ。
夜は、友人の友人も一緒に宴会。
幕営装備は、軽量化重視でかわぴーセレクトのデンマークの「NORDISK」というブランドの「OFOTEN 2 ULW」というテントを使った。
一応2人用で500gと超軽量!
今回は、雨の中でのキャンプは避けられたが、それでも結露でただでさえ天井が低いのに余計低くなった。
これで、もし雨が降ったらと考えると・・・なかなか厳しい。
そこまでストイックになる必要はなかったけど、海外のテントを試してみるということはなかなかできないので、デメリットを体感できてよかった。
周囲を見渡すと、普通に山岳用のテントを張っているのが大多数。
あとは、ワンポールシェルターがちらほら。
今回、山岳会のメンバーがツエルトだったが、ツエルトの人は全然いなかった。
■DAY2
快眠。
寒さ対策でイスカの夏用シュラフにエスカープビィビィをシュラフカバーの代わりとして使ったが、ちょっと暖かすぎたかも。
テントが狭かったのもあるが、もう少し薄いシュラフでもよかった。
6:25にスタート。
2日目は、毎年初日よりは簡単とはパートナーに聞いていたが、確かに地図をぱっと見た限り昨日よりはアップダウンも少なく移動距離も短そうだ。
2日目はCPが10あるが、やはり中盤のCP5が核心となった。
CP1は難しいことなく、沢から小ピークに目指して歩き、あっさりゲット。
CP2は、CP1の北東のピークにあるが、南側の林道から迂回して目指すパーティーが多かった。
私たちは北側のコルから1161mの山の中腹をトラバースして、1161mの北東に派生する尾根からアプローチした。
どう考えてもこちらの方がアップダウン少ないし、CPも見つけやすくて効率的なんだけどなぁ。
北東に派生する尾根は、地形図で把握したよりも長く、二人ともあれ、意外と長いねとなった。
なかなか地形図での距離と実際の距離を歩いて把握するのは至難の技だ。
CP2からCP3へは、CP2から東側の南北にとおる林道へ踏跡があったため、それをたどって林道にでたのち、南に歩くとすぐでてくる東へのびる林道からアプローチ。
この林道は沢沿いについているが、地形図だと途中で終わってるためか使っているパーティーは少なかった。
林道終点から適当に尾根にのり、100mほど登り、稜線から沢地形のところへ下降。
ここが落ち葉たっぷりの急斜面で、朝露で濡れて滑りやすく神経を使った。
CP4もあっさり見つけられると思ったが、思いの外見つけにくく、わりと時間をかけてしまった。
CP5は、湿地帯の地形がわかりずらいところにあるため、どう行こうか悩んだが、CP4からそのまま沢をつめて一旦、北側のコルにでて、そこからCP5目指して下降することとした。
CP5のある場所はだだっ広くどこにあるのかわかりずらかったが、地形図をみる限りもう少し北に行ったところにありそうだねとなり、何とかそこまで時間をかけることなく発見。
CP6は、顕著な尾根上にあるため、あっさり発見。
CP7へは、どのチームも尾根利用で林道に出てアプローチしていたが、そこは山屋の思考で沢で下降。快適だった。
中盤は、他の種目のCPも同じエリアにあるためか、走っていても、自分たちとは違うポイントを探しているパーティーと度々すれ違い楽しい。
CP7は、牧場の真ん中。
長く伸びたすすきのおかげでよく見えず、うろうろするパーティーも結構いた。
CP7以降は簡単なのでスピード勝負。
あと少しと思うとペースも上がった。
毎年、最後の方にスキー場の斜面の登りが出てくるよと聞いていたが、本当に最後にひと登りさせられた。
あとは、麓のゴールへ向かってスキー場の斜面を全力疾走。
5:26:24。
総合14位男女混成チームで6位!
初出場にしてはよい好成績でおさめられてよかった!
天候 | 11/10 快晴 11/11 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
http://www.chausuyama.jp/ 東京=(新東名高速)=浜松西ICから下道を約1時間 |
コース状況/ 危険箇所等 |
特になし |
その他周辺情報 | ■日帰り温泉 名号温泉 梅の湯 \700 http://www.tees.ne.jp/~umenoyu/contents/ ■食事 うな吉 https://tabelog.com/shizuoka/A2202/A220201/22003491/ |
写真
感想
今回、OMMに初参戦して思ったのは、
・ナビゲーションができる女子チームは貴重。
・オリエンテーリングでは、いかに最短時間で行くかが鍵。
・チーム編成も大事
ということ。
■ナビゲーションができる女子チームは貴重
今回、山岳会の友人がScore Longで女子チームで参加したが、初参戦にも関わらず、女子チームでは6位という好成績を収めた。
もちろん、Score Longでは数多くの女子チームが参加していたが、普段から地形図を読むこと、コンパスを使ってナビゲーションするということをやっていな人だとかなり厳しいと思う。
実際に、レース中、何でそっちに行くの?という人を見たし、アプローチの仕方に差があり、CPが見つけられなかったり、アプローチに時間がかかるなどして、そこで数分ずつの差が積み重なっていく。
Score Longは一定の制限時間の中で、より得点の高いコントロールポイントを回り点数を獲得する種目だが、自由にルート選択できるため、CPが見つけられなくても他のCPがあると諦めが付けられる分、軽い気持ちで挑むと、点数を稼げない。
正確なナビゲーション能力があれば、効率的に点数を稼ぐにはどう回ればいいか戦略を立てて回れるため、やはり種目は違うとも言えど、ナビゲーション能力は必要。
走れてもナビゲーションのミスで簡単に順位を落してしまうのだ。
トレラン系の人が多かったが、登山系の人と違って、ナビゲーションには慣れていないのもあり、そこで差が出たものと考えられる。
男女混成チームだと、たいていは男性がナビゲーションをして女性を引っ張っていくという形になると思うが、女性チームとなるとやはりそれなりにナビゲーションできる人が少ないのだろう。
初参戦でその成績なのだから、ナビゲーション能力と体力を強化すれば、上位を狙えそうである。
Straight Cにおいては女性チームはなんと2チームしかいなかった。
どちらも制限時間内にゴールできていなかったが、Straight Cに女子チームで参加して制限時間内にゴールできれば女子チームとしては優勝できるのではないろうか!?
うーむ、初めはハードル高いかもとか思っていたOMMだが、そこそこの好成績だったこと、ナビゲーションができる女子チームは貴重という発見ができて、一気にハードルが下がって、来年もという気になれた。
■オリエンテーリングでは、いかに最短時間で行くか
実際に参加してみて感じたのは、オリエンテーリングではナビゲーションができて当たり前ということ。
上位の選手のタイムを見てみると、もう次元が違う。
トップのチームとは4時間も違った。
おまけに3位と4位の間では1時間もの差がある!明らかな壁!
上位を狙うには、ナヴィゲーションをしてその場所に行けるのは当たり前で、いかに最短時間で行くのかなのだと痛感させられた。
どこでその差がつくかは、基礎体力であったり、アプローチ方法だったりするのだろうけど、とにかくいかにして最短時間で行くかを追及していかないと上位には決して入れない。
■チーム編成も大事
今回、あまり山にも一緒に行ったことないパートナーとの参加だったが、パートナーが担ぎ役で、ナビゲーションはパートナー主体なものの、任せきりにせず、話し合って効率的なアプローチ方法を見いだせたこと(お互い思考も似ていた)で、私との体力差は埋めつつ、ナビゲーションについては相乗効果で好成績をおさめられたのだと思う。
メンバーとの会話の中でも、会内で疲れ知らずの速いメンバーがいるのだが、その子と組んだら上位狙えるかな?と話が上がったが、お互い速くてもナビゲーション能力が欠けていればいい結果はでないし、山に慣れていても早さが伴わなければそれもそれで結果につながらないと参加してみて思った。
お互い得意不得意分野があると思うので、それを補完し合えるようなチームだといいのだろう。
例えば、担いで登るのは苦手だが、ナビゲーションは得意なAさんとナビゲーションが苦手だが、担いで歩くのは得意なBさんがいれば、Aさんはナビゲーション、Bさんは担いで歩くと役割分担すればいい。
あと、何よりも大事なのは、目的意識の共有。
エンジョイ重視なのか順位重視なのか、そこが食い違っていると、装備やレース中の行動も異なってきて、せっかく参加してもお互い楽しめないなんて残念なことになりかねない。
エンジョイ重視な人が順位重視の人と行動すれば、自分のペースに合わないスピードで行動し、苦しいだけで楽しくなくなる。
順位重視の人がエンジョイ重視の人と行動すれば、エンジョイ重視の人は写真を撮ったりしながら回りたくても、順位重視の人は、写真なんかいらないじゃないとなりストレスになる。
お互い楽しく大会に挑むためにも、大会前に目的意識の共有は最低限しておきたい。
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