下越、室谷の上の無名峰
- GPS
- 09:45
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 868m
- 下り
- 868m
コースタイム
天候 | 雪〜薄日〜ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
グレートサミッツ国内編NO14 下越の山
日本にいったいいくつの山があるのかというのは、愚問である。しかし標高千メートル前後のしょうもない低山ばかりがいくつも続いているから、下越地方は山だらけである。日本平、銀太郎、光明、駒形、狢ヶ森、御神楽…。ああ切りがない。
その中で矢筈岳(やはずだけ)1258mは、この地域では登山口から最も遠い山として、知る人だけが知る。登れるとしたら残雪期くらい。でも今の時期に見るだけでもいいと思ったのだが。
この冬は、東京から水戸までの料金を支払えば、その先いわき経由で新潟の行っても無料である。だから磐越道で津川に行く。震災復興のために無料なのだ。
降ってる降ってる、ドカ雪も間もなくあがって晴れる予定なのだが、綿ぼこりみたいな雪が、夜のハイビームに真っ白く迫ってくる。降雪中の運転はだから好きだ。それに福島から新潟に行くに従って、標高はどんどん下がって、津川ではわずかに標高百メートルなのに、そんなところに、べた雪の豪雪が積もっている。室谷(むろや)集落に入っても、標高は200mしかない。そんなところからスキーのハイクアップが始まる。
集落の西に連なる稜線は、その向こうの早出川との境界稜線。標高わずかに800mばかりの無名峰がピークである。今日は登ることにした。登りつけば、向こうに目的の山が見えるかもしれない。矢筈岳のことだ。
こんなところにルートなどはないから、自分で探すほかはない。除雪終了点にクルマを止めて、洞窟辺りから林道を入っていくが、間もなく側面からの雪崩で、行き止まりになった。ならば斜面を上がっていこうと、わずかに百メートル登っただけなのに、樹林が切れて、ウェットな重い雪がゴソゴソと動き出しそう(雪崩れそう)な気配で退散、一度滑り降りる。
気を取り直して、別のルートを探る。もう少し奥の谷を偵察するが、さすがにこの標高で、谷が全面雪に埋まっているなんて、そう都合のいい話はない。
さらに先の谷に行くが、左側で一旦行き詰って、反対に移るが、堰堤が越えられずにあきらめて戻る途中に左に上がる小さな谷を見つけて上りだす。間もなくやせ尾根に移って、どうやら上がっていけそうな気になる。朝6時からこのルート探しに3時間近く費やした。
さて細い尾根だ。心細い。でも雪は豊富にあるものだ。ただ斜面にクラックが入っていて、雪はみんなずり落ちている。
小さな尾根の標高400mのピークに出たころに、ようやく雪も止んで薄日が差してきた。理想どおりなら今日は冬型が緩むはずである。そして目の前に、目的の標高800m稜線がうっすらと見えてきたのだが、なんとそれはでかいのだ。計算ではここから標高差400mしかないのに、でかいし、急斜面で迫っている。
なんか今日はだらだらした日で、すでに昼前の時刻になっている。ここで下山しても悪くはないのだが、薄日が差してきたなら、このでかい斜面の途中くらいまでは登ろうかと、前向きにもなる。いったんピークを少し降りて、斜面に取り付いてみる。
覚悟して登り始めれば、何とかなる。急な斜面も登りやすそうなところへ左右にずれて、1時間で200m登れればいいという低目標で、2時間少しかかって、ようやく稜線トップに出た。よくぞ登れたもんだなあと自分でも思う。地形図どおりの緩斜面がピークに続いている。標高874mの無名峰である。
しかし全く残念なのだが、再びガスが出て、視界は全く利かない。先ほどまでは、向こうに御神楽岳、狢ヶ森が見えたのだが、今はただ白いガス。
頂上で写真一枚撮っただけで、さっさと下る。
新潟のウエットな重い、しかし降りたての雪である。緩斜面で登りのトラックを外れると、両足の前に畳一畳分の雪も、一緒に動き出す。表層雪崩ってのは、こんな仕組みでしょ。
登りのトレースをはずさないように慎重に下る。でもまあ、楽しいダウンヒルだ。
先ほどの標高400mの稜線展望台は、ここから登りは2時間半かかったが、下ると15分で着いた。ただ少しの登り返しが面倒である。
そこを過ぎると、記憶が曖昧になってきた。午前中のことなんて忘れたよ。こんな斜面を登ったっけか。
最後は覚えていた沢筋から林道へ合流して、ようやく1日の登行が終わった。ドカ雪が降ったとはいっても、春の雪である。間もなくザラメのシーズンになる。
コメント
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はじめまして。
室谷良いですね!
私このあたり大好きなのですよ。
スキーのフィールドとしては、遠いのもあってなかなか目が行きませんでした。
やはり今年は雪が多いでしょうか。
沢シーズンが思いやられます。
記録が参考になりました。ありがとうございます。
こういうところにファンがいるとは!
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