杢蔵山
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.7km
- 登り
- 775m
- 下り
- 773m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
登山口に着いたのは八時半くらいですが、登山口にはすでに多くの車が停まっていました。
見ると秋田ナンバーのマイクロバスまでいるじゃないですか。
ガイドブックには地元の人に愛されている山とありましたが、地元以外の人からも人気が高いようです。
とりあえず人っ子一人いない…という淋しい事にはならないようです。
植林地の中の登山道を歩き始めます。
今日もいい天気。
よく整備された植林地には明るい木漏れ日が差込んでおり気持ちよく歩けます。
なにげに分岐点が登場。
右に行くと渓谷遊歩道。
まっすぐ進むと登山道。
遊歩道と登山道と二つ並べると、遊歩道のほうが歩きやすそうな印象がありますが
どうやらここではその常識は通用しないようです。
事前に仕入れた情報によりますと、沢沿いの遊歩道はあまり整備が行届いておらず
プチ沢登りのような場所もあったりとそれなりに難コースの様子。
この看板、警告遊歩道の間違いでねーの?
ここは安全を期して登山道へと進みます。
しばらく行くと「一の滝」という看板が現れます。
その看板は我々を沢の方へと誘導しようと手招きしていますが…
だまされるもんですかっ!
登山道は沢の上の斜面をトラバースするように付けられているため時々、支沢を横切るような場所が現れます。
道はしっかりしているのでそうそう危険な場所ではないですが油断して落ちたりしたらかなりの高さを滑落することになります。
登山道が合流したところで看板が本性を現しました。
「遊歩道(上級者コース)」って…。
上級者でなくても歩けるから「遊歩道」じゃないんですかー???
いろいろ突っ込みどころが多いですが、嫌いじゃないです、こういうの。
もっとも、自分がだまされて突入しひどい目にあっていたりして、あとからこの看板見たら腹立つだろうな。
三の滝まで来ました。
ここにきてようやく滝の姿を目にすることができました。
なかなか立派な滝ですね。あたりに涼気がただよっていい感じ♪
ゆるゆると登って来た道は、三の滝を過ぎるといきなり超急坂になります。
しかし、すぐに下りに転じ、今度は登ったのとほぼ同じだけ下ります。
どうやらこれは三の滝を高巻く為に作られた巻き道のようです。
手前に不自然な行き止まりの分岐もあったので、そちらの道は崩落でもしたのかな。
この辺りでマイクロバスの団体さんに追いつきました。
横手の山岳会の方々だそうで。
「遅いから先に行っていいよ〜」と言われるモノの、せまい登山道では30人近くを追い抜くのは至難(^^;
しかも山岳会の方々でしょ〜。追い越したとして追いつかれて煽られまくることになるんじゃ…(^^;
登山道と沢の高さが同じくらいになってくると何か所か渡渉点があります。
橋もかかっていなければロープも渡されていませんし、飛び渡る石も、あまり適当なものがない徒渉点です。
水が少なければ何と言うこともないですが、増水したら怖い場所かも。
やっぱり大雨の直後だった昨日は来なくて正解だったなぁ。
沢が細くなり、これ以上沢筋を登れませんよぉという場所まで来ると登山道は稜線を目指して一気に突き上がります。
豪雪地帯のため根元でひん曲がった灌木に邪魔され、ただでさえ厳しい急傾斜の登りが一層大変に感じます。
なぜか踏み跡も薄くなり、登山道が判然としない場面も。
(倒木や張り出している木の枝のため踏み跡が散らばるから?)
はっきりしない踏み跡は、そのまま残雪に飲まれて消えました。
この一筋の残雪、沢なのか道なのか…。
なーんか赤テープも微妙な位置に付いてるしなぁ…。
しかし、他に歩けそうな場所もなかったので進むしかありません。
まぁ、この上は登山道が横切っているはずなので方角さえ間違わないで上へ上へと登れば、多少道をはずしても登山道には出るはずなのであまり心配はしてませんが。
山頂効果で一気に木々の背が低くなり、その分空が近づいてきました。
やっとこさ急傾斜地を抜けた…のか?
本当にふいに、というか突然に視界が開けます。
薄暗い林の中を長く歩いて来た目にはまぶしすぎる程の広い空。
劇的な風景の変化に思わず息をのみました。
避難小屋まであと少し!
1時間45分ほどをかけて小屋までたどり着きました。
最後の急坂に次ぐ急坂のエリアで一気に消耗したぁ。
沢+最後の突き上げって、今まで登った山の中だと白神岳に似てるんだなぁ。
正直、このパターンの登山道は苦手じゃ(^^;
あの時もグダグダになるまで体力削られたっけ…。
ああ、そういえばあの時も登山用のパンツ忘れたっけな…、そういえば。
どうでもいいこと思い出してしまった。
杢蔵山荘の前で小休止。
ふと壁にかかった案内版を見ると
「優料トイレ」
と書かれてありました。
どういう意味だっ!?
謎のトイレがある杢蔵山荘を出発し、山頂に向けてもうひと登り。
山荘から山頂までの標準CTは40分。
さすが豪雪地帯にある山。
さして高い標高でもないのに残雪が大きな塊で横たわっていました。
この残雪のため登山道を一瞬ロストしましたが、灌木帯の斜面を強引に下り、すぐに登山道に復帰する事ができました。
…なーんか、帰り道に難ありなような…。嫌な予感…。
残雪を越え、涼しい林の中に入ると水場があります。
その名も金杢水。
看板が傾いでいたため、遠くから見た時は
○玉水
…と読んでしまったのは、ここだけの秘密です。
低木の樹林帯の中を一気に昇り詰めると、ついに山頂から続く稜線に出ました。
いやぁ、それにしても本当にいい天気だぁ。
久しぶりに文句無しの快晴にあたり大満足。
いくつかの偽ピークを経て杢蔵山山頂に到着です。
時刻は11時。麓からは2時間半かかったことになります。
2時間半しか歩いていない事にちょっとびっくり。
それくらい手応えのあるコースでした。
山頂は思ったより狭く、10人もいたらかなり窮屈な感じ。
その狭い山頂の中央には、まるでSLのナンバープレートのような重厚感のある金属製の山頂プレートが設置されています。
先行していた単独登山者の方にシャッターを押していただきました。
その方はすぐに下山していったため、山頂は貸切になりました。
せっかくなので景色を眺めつつランチにします。
たどって来た尾根筋を振り返ります。
気持ち良さそうな稜線の道ですが、実は数カ所、地面の崩壊が進んでいます。
そんなに危険ではないですが。
今日は鳥海山の姿も見る事ができました。
実は山頂からは北側が見通しにくいので、この写真は山頂から少し外れた場所で撮っています。
ちょうどランチを終えた頃、途中で追い越してきた団体さんが到着。
この狭い山頂で全員で記念写真を撮るのだと頑張っていましたが…
はたして無事に撮影出来たのでしょうか?
30人だとただ立つのも大変なような気がします。
団体さんに席を譲るようにして下山の途につきます。
さて、先程登山道をロストした残雪ですがキレイに壁になってますな。
それこそアイゼンでも装着しないと取りつく島もない雪の壁。
結局正面突破はできず、さっき強引に下った薮を今度は登り返します。
下りは重力にまかせて突破した薮も、登りとなると自力でかきわけなくてはならず
ちょっとの距離ではありますが、ひじょ〜に難儀しました。
薮、大嫌い!
下りの難関はこの残雪くらいのもので、あとはゆるゆるっと下っていく事ができました。
帰路は沢コースはたどらず、三角山を経て林道を下ることにしました。
三角山には各テレビ局のアンテナが立ち並び、異様なムード。
ここだけ別世界な感じがします。
このアンテナのおかげ?で、林道が通じており車で来る事も可能です。
悪路ですけどね。
実際、この日も車で登って来ている人が結構いたようです。
安全ですが、非常に冗長でかったるい林道を1時間半程度歩くと沢コース登山口に戻りゴールとあいなりました。
杢蔵山、思ったよりも登り応えがありました。
車で林道を登れば、労せずして山頂付近の雄大な景色を見る事ができますが薄暗い沢ぞいの道を詰めていって、いきなり大空の下に飛び出す…という快感を得るには、やはり下から登っていくのがベストだと思われます。
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