三ツ石山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 636m
- 下り
- 636m
天候 | 雨のち雪/晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
2009年12月12日、三ツ石山に小屋泊で登ってきました。
11時に松川温泉登山口に集合しました。天気はあいにくの小雨…。
それでも途中の滝沢、西根付近は、ワイパーを最速にしたくなるような土砂降りの大雨だったので、小雨程度になってくれて良かった!
さすがオレ様! 晴れ男! …と喜んでおくことにします(笑
今回の山行にあわせてスノーシューを購入していたのですが
登山口に着いてみると、ほとんど雪はなく、夏道が顔を覗かせています。
こんなコンディションではスノーシューは宝の持ち腐れ。
むしろ明朝の凍結に備えて、軽アイゼンを持っていった方がいいのではないか、ということになり、残念ながらスノーシューのデビューは後日に持ち越されました。
11時30分、登山口を出発。
雨はほとんど止み、雲間からチラホラと薄日が差し込んできます。
晴れないまでも、天候の回復が期待できそうです。
登山口からしばらくは、いきなりの連続急勾配となります。
まだ十分にウォームアップされていない体が悲鳴をあげています。
冬山では汗をかいてはいけない、という事を聞いていたので極力、汗をかかないように気を付けようとは思うのですが、いかんせん気温が高いこともあり、じわじわ〜っと汗が噴き出してきます。
ちなみに、この日の松川温泉の気温は11時現在で8℃!
とてもこの季節の気温とは思えませんね。
最初の急勾配はきつかったですが、まだまだ余裕♪
雪の感触を楽しみながら登っていきます。
様子が変わってきたのは、急勾配が終わり尾根筋に出たあたりからでしょうか。
ここまでは夏道が見えているか、雪の下の固い地面の感触があるような状態だったのですが時折、吹きだまりのように雪が深い場所があらわれはじめ、歩きにくくなってきました。
最初は、ときおり雪が深い場所がある程度だったものが尾根筋を越え平坦な区間に入る頃には、たっぷりと雪が積もった本格的な冬山の姿になっていました。
正直、登山口からの標高差と距離を考えると、これほどまでに積雪量が激変するとは想像の範囲を超えていました。各地のスキー場でも雪不足が報じられている中で、ここだけがこんなに雪深いとは…。
夏道の部分だけ、積もった雪が少しへこんでいたので、これと赤テープを頼りに先に進みます。隊列は、完全に一列縦隊。交代でラッセルをしながら先に進みます。
私とツートンは、最初勝手が分からなかったので2番手・3番手を歩かせてもらいましたが途中からはトップを交代させてもらって、初の本格的なラッセルを経験させて貰いました。
いや〜、普通ラッセルって、重労働でなるべくならやりたくない物なのでしょうけれども私とツートンは初体験という事もあって楽しんでやってました(笑
なんか途中からは、変な脳内物質が出てきたのか、深みにはまっても、転んでも可笑しくて二人してゲラゲラ笑いながら歩いていたような気がします(^^;
しかしながら、さすがに一人はまり…二人はまりしていると、だんだんと疲れてきます。なぜか笑ってますけどね(笑
踏み抜くと深いんですよ。
足の先が地面に付かないほど深いんです。
ここから脱出するのに、いちいちものすごい体力を使うんですよね〜。
2時間かかって、ようやく全行程の半分を消化しました。
登山口〜山荘間の夏道の標準コースタイムは1時間半ですから、倍以上の時間がかっています。ううむ、やはり冬山恐るべし!
その後も、同じような深い雪の中をラッセルし続け、4時間を費やして三ツ石山荘に到着しました。
ガスの中に佇む山荘を発見した時には、「やった〜!」と思いましたね〜。
これでやっとビールが飲める!…とも(笑
山荘の回りは、ほとんど積雪がなく、さっきまでの深雪はいったいなんだったのかと(^^;
やはり、風とか地形とかの影響で、場所によってものすごい差があるんでしょうね。
いや〜、良い経験をしました!
たっぷり歩いた後は、たっぷり栄養補給をしなければなりません。
…というわけで、散策もそこそこに山荘に入りまして今宵の宴の準備に取りかかりました。
準備をしている間にも、外はどんどん暗くなっていって気温もぐんぐん下がっているようです。まさに絶好のタイミングでストーブに火が入った感じですね。
薪ストーブの圧倒的な熱量で、冷えた体もすぐに温まりました。
ストーブの火が安定したら、さっそく今宵の宴の準備が始まります。
ザックの中から、いろんなものが出てくるわ出てくるわ…。
ざっと見ても、ビールが…15本以上確認できますね。もちろん500缶です。
他にもワインやらウィスキーの瓶なども確認できます。
このあたりについては、特段事前の打ち合わせなどしていないのですが…
=== もちろん飲む気満々です(笑 ===
一通り準備を終えたら、さっそく1次会をはじめましょう♪
さすがに部屋の隅のは寒いので、ストーブを取り囲んで宴会を開始します。
今回は我々の貸し切りだったので、ストーブの回りを占有できました(笑
翌朝、目を覚ますと雨はあがっていて空からは薄日が射していました。
その代わり、気温はぐっと下がっていて、山小屋の外にある物は何もかも凍り付き、キラキラと光っていました。
夕べは、だいぶ雪も降っていたと思うのですが、風が強く全て吹き飛ばされたようで
積雪量はほとんど変わっていませんでした。
昨日、我々が付けてきたトレースも残っていました。
山小屋付近は、それほど風もなく穏やかなのですが、三ツ石の山頂を見上げると雲にすっぽり覆われて、なんだか風も強そうです。これでは眺望は期待薄かな…。
眺望は期待できないようですが、ヘロヘロ隊初の冬季1000m級登山ということで
お願いをして山頂まで登ってもらうことになりました。
荷物は小屋にデポして、空身で登ることにします。
以前、空身で夏道を登ったときには25分で山頂まで行きましたが今回はどんなもんでしょうか?
最初の一歩を踏み出して驚きました。前日と雪質がまったく違っています。
あれだけ我々を苦しめた踏み抜きやすい湿り雪が、一晩でガッチガチに締まった雪に変化していました。
平地は歩きやすくて良いんですが、斜度が増したら滑りそうな予感…。
三ツ石山の広大な斜面は真っ白で、どこも同じように見えるのですが足跡も付かないほどガチガチに締まっているところもあれば、股まで埋まるほど踏み抜いてしまうような場所もあり、気が抜けません。
ツートンは、最初こそ歩きにくそうにしていましたが、途中から前足も使って4WDになると、そこからは速い速い(^^;
そうか、アレがペンギンのパドリングなんだな(笑
なんだかまた一つ、自分の妻の潜在能力の一つを垣間見た気がします(笑
途中、木の陰で小休止。
まだまだ雪が足りなくて、スノーモンスターにはほど遠いですが
木々が風雪にじっと耐えていました。
三ツ石山の山頂直下まで来ました。
ここまで来たら、いよいよ風は強く「暴風」とか「烈風」といった言葉がふさわしい風となりました。
油断していると吹き飛ばされそうですが、山頂の岩峰をバックに記念写真〜♪
ツートンも撮ってあげるよとカメラを受け取った瞬間、さらに強烈な風が吹き付け、小さくて軽いツートンが吹き飛ばされました!
「あ〜れ〜〜〜…」
…
…
…
いや、まぁそれはさすがにウソですけども(笑
山頂の岩場にはほとんど雪が無く、岩がガチガチに凍り付いていました。
なんとかツボ足で登り切りましたが、ここはちょっと怖かったですね〜。
こういうときにアイゼンがあると安心感が違うんでしょうね。
ついに山頂に立ちました!
もう目も開けていられないほどの強風で、景色もへったくれもありませんでした(^^;
それでも、なんとか撮った記念写真は、どれも笑顔なんですよね〜。
きっと変な脳内物質が…(笑
さすがに長居は無用!ということで、記念写真を撮った後は素早く撤収します。
下りはキックステップで踵が具合良く雪を噛んでくれる状態だったので非常に楽でした♪
いつぞやの高下岳や八甲田の残雪期の下りを彷彿とさせます。
障害物が少ないところは、シリセードで一息に下降します。
ツートン楽しそうだなぁ(笑
ものの15分くらいで三ツ石山荘まで下りてきました。
山荘で小休止後、今度は荷物を持って下山の途に着きます。
ちょうど我々が山荘を出発しようとしているとき、入れ替わりで何人かの登山者が登ってきました。聞けば松川から登ってきたそうで、我々の歩いてきたトレースが有って助かったとの事。
こちらとしても、昨夜の強風でトレースが消えているかなと思っていたので心強い情報をいただき、気分が軽くなりました。
帰路、情報通りにトレースはばっちり残っていて何の苦もなく歩くことができます。
往路で突破に苦労した沢越えもあっさりとクリア。
いや〜、トレースの有無でこんなにも違うものだとは…。
ところどころに、昨日の激闘の跡を示す「踏み抜き」の大穴が開いていて笑いを誘います。
途中、三ツ石山が頂上まで姿を覗かせているのに出会いました。
思えば今回の山行中、三ツ石山が全貌を見せてくれたのはこのとき1回だけでした。
途中から、ようやく青空が顔を見せ始めました。
冬山の大きな魅力の一つである、青空と雪のコントラスト。
ようやく見ることができました♪
やがて、右手に岩手山が見え始め、左手に奥産道が見え始めます。
ここまできたら、登山口まではあと少し。
傾斜が急になるので、一歩一歩確かめながら進んでいきます。
昨日濡れていた道は、今日は凍結していました。
そして12時20分、全員無事に下山しました〜。
いや〜、お疲れさまでした〜。
駐車場に行くと「防災航空隊」と書かれた車が停まっていました。
どうやら山荘前で出会った方々の車のようです。
訓練登山だと言っていたので、てっきりどこかの山岳会の人達だと思っていたら…。
こうやって不測の事態に備えているんですね。頭が下がります。
お世話にならないように気を付けなくては(^^;
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する