谷川岳マチガ沢



- GPS
- 07:00
- 距離
- 2.5km
- 登り
- 114m
- 下り
- 113m
コースタイム
天候 | 雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
雪量の心配をはらみつつ、谷川温泉-中ゴー尾根-肩ノ小屋泊-一ノ倉岳-茂倉岳-茂倉新道-土樽下山の計画を立てていたが、悪天の為、マチガ沢にて日帰り雪上訓練に変更。やはり、この時期に当初の計画は、天候に拘らず無謀だったろう。考えようによっては悪天に救われたのかも知れない。
ロープウェイベースプラザの構内駐車場屋根つきに¥1000にて駐車。立派なトイレで用を足す。
登山指導センターの前で、ワカン・アイゼン装着。
登山指導センターから先は、そこまでの除雪の雪が壁となって構えている。
行き止まりを宣言するかのようにそびえる壁だが、確かに残る先人のトレースを頼りに、本来の林道に入る。トレースを頼りに半ラッセル状態で進むが、途中でトレースが途切れ、焦る。しかし崖上方に道を発見する。以降マチガ沢までは膝下程度の雪をスムーズに進む。
マチガ沢に人は無く、頭を垂れる雪雲と相まって、不気味な静けさを保っていた。同じ道を行く人は全て、更に先、一ノ倉沢の方面へと歩いていった。
私たちは向かって左手の斜面を停止訓練の場に選び、そのふもとの大樹の傍に、雪洞を掘る事にした。まず、雪洞に取り掛かった。2人10分交代で、まずは竪穴をせっせと掘り進んだ。初めの1時間で、まあまあの竪穴が作れ、体力にも気分にも余裕があった。さて、いざ横穴作成に進もうとすると、雪が硬い。想像していた事ではあったので、それでもぐんぐんと掘る。が、何と傍らの大樹の枝が、網目状にスコップをさえぎり始めた。傍らとは言え、木からは十分に離したつもりだったが、直径4cm程度の太い枝まで現れ始めた。その辺りで我々は疲弊と共に焦り始めた。床方向に掘り進むことは出来ないので、私は天井を高く削り取っていった。すなわち屋根が薄くなっていった。
大人二人と、ザックが満足に収まる雪洞を掘るのは大変な事だ。薄い屋根の部屋を半放射状に掘り進んでいたある一瞬、ゴソっと屋根が崩れた。
洞穴状を理想として着工した我々初の雪洞は、ただの竪穴にリフォームを余儀なくされた。天井に、ツェルトを張って屋根にしたが、ツェルト自体の形状が複雑なのと、いびつで幅広い穴形状の為に、満足な屋根にならなかった。
ともあれ我々はその穴にザックを置いて、滑落停止訓練に入った。
学生の頃に参加したIスポーツ主催の雪上訓練会もまた、ここマチガ沢で催された。勿論、その全てを再現は出来ないが、基本的な停止方法を再確認した。
また、仰向け、うつ伏せ、頭が下、頭が上といった各姿勢での滑落からの停止も、反復練習した。その後アンザイレンし、互いにパートナーが滑落した時の衝撃を体験し、停止練習もした。
訓練ですら満足に停まれない滑落もある。本来の滑落は当然、不意に起こる。そんな時に果たして本当に停まれるのだろうか、正直不安だが、何事も訓練は体験しておくのと置かないのとでは雲泥の差があるには違いない。
その後、雪洞で食事。Nはラーメンをゆで、私はステーキを焼いた。腰を折って足を伸ばす分に私はそう窮屈に感じていなかったが、後の告白によると、Nにとっては居心地クソ最悪だったようだ。製作に2時間あまり掛けてそんな粗悪な物件になってしまったのは何故か?以下が教訓である。
・枝の存在を軽視していた。(大樹を甘くみていた)
・屋根を薄くしすぎた。
・予め、もっと雪洞形状についてしっかりとした予習をすべきだった。
帰る頃には雪はちらつく程度に弱まっており、ショートカットしてあっという間に到着したベースプラザから車を出す頃には、青空すらのぞいた。本日初めからこの青空が見えていたらどうしていただろうか?無謀さは認識していたのでよもや本来の計画を強行はしなかっただろう。
あまつさえ麓と山中の天気は違う。もし強行に走っていたとしたら、中ゴー尾根に取り付いたものの、悪天の中ラッセル地獄に脂汗を流し、撤退か否かを迫られていた頃かも知れない。
複雑な心境で美しい雪景色を車窓から眺めていた。
さて今後、不測の事態に今回の経験が活かされるか?不測の事態に遭遇しないと分からない。
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