熊穴沢

コースタイム
天候 | 吹雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
ずっと芝倉沢にいってみたいと思っている。今回は4度目の計画だったが、またしても失敗。いつになったらいけることやら。
晴の予報だったが、実際は雪。天神平で気温-7℃、平均風速10m以上、視界は30mあるかどうかという酷い天候だった。当然山にはいる人は誰もいない。トレースもない。止めるのが賢い判断だと思うが、せっかく来てチャレンジすらしないのも勿体無いので、無理せず行けるところまで。
何しろ視界がないので雪庇の踏み抜きが恐い。木の影を目印に一歩ずつ確かめてゆっくり進む。午後から回復するという予報だが、太陽は時折雲の後ろに薄っすら見える程度。今日は出てくるのはやめようと決め込んでいる様子だ。雪が積もっているところは踝くらいのラッセル。風で吹き飛んでいるところはウィンドクラスト。急なところで何度かずり落ちそうになって苦戦した。
夏は岩場になっているところは雪に埋れて硬く凍っていた。ロープにつかまってズルズルと降りたらシールが剥がれてしまった。ガムテープで無理やり固定して進む。避難小屋の付近にはすぐに着いた。ここで凄まじい風に煽られる。凍傷になりたくないので、厚手の手袋と目出し帽を取り出した。手を離すと何もかも一瞬で吹き飛ばされそうなすごい風。
またシールが剥がれてしまった。強風の中ガムテープをもう一度取り出すのも面倒だし、これより先は木がなくなり目印がなくて恐いので、今日は無理せずここまでとする。熊穴沢を目指してドロップ。樹林に沿ってパウダーを散らす。気持ちはいい。
ところが樹林が切れると、目の前が真っ白で何も見えなくなった。ガスのせいではなく、雪面が白すぎるのだ。現在地の地形も、斜面の凹凸も、雪質もなにも分からず、白い宇宙を漂っているような感覚。意図に反して急に加速したり、吹き溜まりに突っ込んで転倒したりするうちに、乗り物酔いのように気持ち悪くなってきた。雪崩地帯の真ん中でこれは恐怖だった。
危険地帯を早く抜けることだけを考えて闇雲に進み、何とか西黒沢との出合まで降りてきた。ここで行動食を取り出して休憩。相変わらず一面真っ白で目眩がする。写真を撮っても何も映らない。
再び出発。西黒沢下部はデブリに埋め尽くされていた。巨大なブロックの上にさらに新雪が被って、高さ2mくらいの複雑なデコボコ(これも見えない、正面からぶつかって初めて気づく)を形成している。まるで迷路だ。吹き溜まりにはまったり、クレバスに落ちたり、膝上のラッセルをしたり・・・何とか脱出した。田尻沢の下山コースと合流。出口までの100m程度、今回のスキー山行で唯一まともに滑った。
相当に危ないです。夢の実現はなかなか。3月にそのあたりで二人雪崩にやられているそうで、要注意。
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