平成から令和へ、時代をまたいで中辺路120kmの熊野参詣
- GPS
- 36:59
- 距離
- 125km
- 登り
- 5,747m
- 下り
- 5,734m
コースタイム
- 山行
- 10:38
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 11:29
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 8:35
- 山行
- 12:20
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 13:28
2日目:近露王子〜熊野本宮大社(24.9km、8時間35分)
3日目:熊野本宮大社〜那智駅(40.5km、13時間29分)
4日目:那智駅〜熊野速玉大社(16.7km、3時間27分)
合計:120km
天候 | 1日目:雨のち曇り。2日目:雨時々曇り。3日目、4日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
帰り:新宮→名古屋→篠ノ井(JR在来線特急) |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はないが、熊野古道は数か所通行止めにより迂回ルートあり。 |
写真
感想
以前から一度は歩いてみたいと思っていた熊野古道。移動と前泊も含め4泊5日と連休のまとまった時間を利用してゆっくり歩いてみました。
ちょうど15年前の2004年に世界遺産に登録されて外国人ハイカーも多く今回の宿泊場所もなかなか予約が取りにくくさぞかしたくさんの人たちが歩いているだろうと思いきやほぼ誰にも会わない区間も多く静かな古道歩きをゆっくり楽しめました。
1日目:4月30日
紀伊田辺駅前のゲストハウスに前泊。ゲストハウスの管理人に「明日はどちらまで?」と聞かれ「近露王子まで」と答えると「滝尻王子までバスで40分で着くのでそこから歩くんですね」と言われたので「いや、ここから歩いて行くんですよ」と私。「雨も降っているし普通の車道を歩くので危ないし止めといたほうがいいですよ」と管理人。そこは「まあ、天気を見て考えますよ」とあいまいな返事を返しておく。
翌朝、前日夕方からの雨が残り雨の中の出発。雨具は一応着るものの平らな道だし濡れるのも面倒なのでと思い傘をさして歩き始める。中辺路の起点となる道分け石を確認しアスファルトの市街地を進む。昨日駅前の観光案内センタで聞いたところによると、熊野古道も時代によりルートが変化しておりルートがはっきりと特定できないところもある、ということなのでガイドブックを頼りに途中の神社や王子をめぐり歩くというスタイルで。滝尻王子まではハイカーのような人には全く会わず、地元の人がお参りしているのに一度会っただけだった。
滝尻王子からは本格的な山道が始まり古道の雰囲気が色濃く残っているところに入っていく。途中、高原熊野神社を過ぎ、休憩所まで来ると売店がありハイカーらしき人達もいたが、多くは車で来ている観光客のような人たちだった。休憩所を出て近露王子までも同じような感じで行き会ったのは2、3人程度だった。
近露王子に到着して宿泊予定の民宿に連絡すると車で迎えに来てくれた。古道から少し山のほうにある一軒宿だ。
2日目:5月1日
民宿で朝食を済ませ、来た時と同じように近露王子まで車で送ってもらい昨日と同じ場所から出発。しばらく舗装道路を歩き、途中「野中の清水」に立ち寄りのどを潤しながら継桜王子に到着。雰囲気のよい茶屋があるが時間が早すぎるせいなのかまだ空いていなかった。この辺りから外国人ハイカーが増えてくるが、騒がしい感じは全くしない。熊瀬川王子の辺りから山道が始まり次の岩神王子を目指すも、途中土砂崩れのせいで通行止めになっており迂回路を通ることに。ただ、迂回路のほうも道標が立っており本道のほうが通行止めになって久しい感じがする。
三越峠の辺りで雨が強くなってきたので休憩所で雨具を取り出し身に着ける。次の猪鼻王子を目指すもまたも通行止めで発心門王子までの迂回路の案内板が。こちらの迂回路にも案内板が各所に立っているが比較的新しめの感じだ。発心門王子からは舗装道路や地道が続きいよいよ熊野本宮大社が近づいてくるが昼食を調達できていなかったため飴やカロリーメイトのような非常食でつなぐも腹ペコ状態に。2時過ぎに、熊野本宮大社まであと1時間くらいかなという場所で売店を見つけうどんを食べ生き返った。
丸二日かけてやっとたどり着いた熊野本宮大社。雨の中多くの参詣者がいたがその中に混じって、ここまで無事に来られたことへの感謝、これからの道中の安全、そして新しい令和もよい時代となるよう祈った。
3日目:5月2日
熊野古道を歩き始めて初めて晴れた。朝5時前のしっとりとした空気がとても気持ちがよい。かつて熊野本宮大社があった大斎原に寄り、熊野川沿いを歩く。請川から入る小雲取越はアップダウンが少なく快適なハイキングを楽しめる。その先は小口から入る大雲取越は標高差800mのキツイ登り。この区間にも途中通行止めがあり1kmほどの距離を3kmに渡り迂回させられた。途中、熊野灘が見渡せる展望台を過ぎどんどん高度を下げていくと那智大滝に向かう道に出会い急に人通りが多くなる。那智大滝までさらにぐっと高度を下げ、那智大滝を拝観した後再び一気に登り返し、山青岸渡寺、那智大社を参拝した後、大門坂の石段を下り那智駅に向かう。
ここから今日の宿泊場所の新宮まで歩けないこともないがすでに6時半のため続きは明日に回すことにして一旦電車で新宮駅に向かった。
4日目:5月3日
新宮駅から電車で那智駅まで移動、ここから熊野速玉大社を目指す。駅のすぐ近くにある浜の宮王子から海沿いの車道を行ったり少し内陸の峠を越えたりするも標高差はあまりなく快適に進んでいく。高野坂を越えたところから王子ヶ浜を歩くルートも紹介されているが、実際に少し歩いてみたところ足が取られて前に進まない。ここで時間を取られると帰りの電車に間に合わなくなるとまずいので堤防を上がり普通の道を歩くことにした。浜王子、阿須賀神社を経ていよいよ最終目的地の熊野速玉大社に到着。新宮駅まで戻り、駅前の食堂で昼食を食べ12時代の電車で帰路についた。
3日半の時間をかけ熊野古道を歩いてみて、これはやはり「修行の道」だなと。ただ単に熊野三山にお参りすればよいのではなく厳しい道を歩くことに意味があるのだろうとも思われる。きつい坂道を昇り降りすることにより流される汗に心が洗われ、山や海、木々などの自然に感謝の気持ちが湧いてくる。
ちょうど世の中も平成から令和にかけての時代が変わるタイミングだが、そんな時に古道を歩くことにより自分自身も少しでも良い方向に変わることができればいいなと思った。
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