年末積雪期の四国石鎚山 登頂
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 船
|
コース状況/ 危険箇所等 |
天狗岳は私達には危険そうだったので見ただけでやめました。 トレースは見当たりませんでした。 |
写真
感想
登山以外の観光なども含めた旅行記は、
http://www.asahi-net.or.jp/~nm3k-tgc/trip/sikoku/index.html
に載せてあります。
================= 99/12/26 大阪 - フェリー =====================
大阪南港からフェリーで新居浜まで。四国は本州から橋がたくさん架かって車で簡単に行けるようになったけど、寝ている間に遠くまで車ごと運んでくれる、という便利さはやっぱり捨てられない。
こんな便利な乗り物が利用者が少なくなって、年々便数が減ってきているのは残念なことだ。フェリーに乗ってしまえば次の日の朝から現地で行動がすぐに開始できる。天気に左右される石鎚の登山をスケジュールの最初にもってこれたのも、フェリーのおかげだと思う。
フェリー乗り場は大抵待たされるものだけど、乗り場の多くは駅などから離れた場所にあるので、時間の潰し方に困ってしまう。
これが欠点といえば欠点だけど、ガイドブックでも見て時間を潰そう!
=============== 99/12/27 - 新居浜 - 別子銅山 - 石槌成就 =============
【別子銅山】
新居浜港にフェリーが到着して起床。フェリーは先に東予港に立ち寄っていたらしいが、熟睡していて全く気がつかなかった。フェリーで寝過ごすなんて聞いたことないけど、危ないところだった...
ちょっと時間が早いけど、別子銅山(マイントピア別子)へ向かう。ありきたりの感想だが、大変な仕事だ。日本の産業の発展はこのような人たちの努力によって成り立っていたのだろう。
マイントピア内で朝食と入浴(結構いろんな種類のお風呂があって楽しい)を済ませていよいよ石鎚山への準備を始めた。
【石槌成就】
石鎚山の最近の登り方は石鎚スカイラインかららしいけど、この季節は道路が積雪で閉鎖されてしまうので、登山ロープウェイを使って石槌成就に入る。
せっかくだからスキー上のリフトにお金を払って、展望台を経由してから宿に着いた。リフトを降りたところからはそれなりに雪の中(でもトレースはしっかりある)を歩かないと宿には着かないので、楽をすることを目的にしていればリフトを利用しなくても大差ないと思う。
石槌神社成就社は石鎚山が御神体。明日の御神体への登頂を願って祈りを捧げよう...
宿は名前通り山小屋というよりは旅館。以前の山小屋は火事で燃えてしまい、立て直すときには旅館形式でないと認可がおりなかったらしい。使う側としてはとても便利なのでうれしい限りだが、この認可を理由に山小屋が減っているのであれば複雑な気分だ。
宿にはたくさん(とは言っても各グループ別室)の人が泊まっていたが、翌日に登山を予定していたのは私たちのみ。だからといってスキー客もいない。スキー場からこの宿に来るのであれば、下山したほうが手間がかからないからだろう。
具体的な内訳は、家族連れで単にのんびりしにきた人たちと、別の神社の神主さんたち(この人たちは夜中に数時間おきに神事を行っていた)と、ベルギーからやってきたという外人。
ベルギー人は二人連れで、一人は英語を話すが、もう一人はフランス語しか話せないようだった。しかし、英語を話す彼は全く友達に気兼ねすることなく、いつまでも英語で私たちにまくしたて続けていた。そんな友達に嫌気がさしたのか、英語が話せない彼は部屋に戻ってしまった。
英語の彼は日本に来るのは初めてではないらしく、この後も日本中の友達を梯子する予定だそうで、今回の二人の旅行費用は英語が話せない彼の通訳代として払ってもらっているそうだ。(こんな主賓をほったらかしにする通訳っているのだろうか、、、)
石鎚には登る気で来たそうだが、雪がたんまりと積もっているのを見て諦めたようだ。
食堂でいつまでも話をしていると、宿の人が順番にキウイとオレンジを持ってきてくれる。このフルーツはどうやらこの宿の名物らしく、その際に交わす宿の人との会話もとても楽しい。
車中泊を繰り返してめったに旅館に泊まらない私たちだが、このような他の客や宿の人との会話がとても素晴らしいものに思える今日この頃...
明日の装備を最小限のものに分類しなおして就寝。
=============== 99/12/28 - 石鎚山登頂 - 道後温泉 ==================
【石鎚山 深田百名山 山1000 1982m 愛媛最高峰(天狗岳)】
本やHPなどでは「石鎚山は日本7霊山の一つ」と書いてあるが、検索しても他の6霊山が何なのかは分からない。本に載っていた「日本の主な霊山」としては、恐山(青森)、出羽三山(山形)、雄山(たぶん立山)、白山、御嶽山、比叡山、金峰山(奈良県)、高野山(和歌山)、熊野三山(和歌山)、英彦山(福岡)、が載っていたが、石鎚山は入っていなかった。おそらく7霊山の他の6つは富士山などの言うまでもない有名な山なのだろう。
登り始めてしばらくすると、宿のおじさんに追いついた。おじさんは石鎚の写真を撮っているらしく、「今日は雲がなさすぎる」と言っていた。
おじさんは夜明峠までしか登る気がないようだったけど、私たちの装備を見て、「それだったらエベレストでも登れるよ」と笑っていた。さらに「でも天狗岳は積雪で危ないからやめておいたほうがいいよ」との助言をくれたので、素直に助言に従うことにした。
このおじさんは絶対に宿の人だと思っていたのだが、帰りにデポした荷物を拾いに宿によったときに、宿の人に尋ねると、どうやらよく来るお客らしかった。
部屋の案内や食事の準備までしてもらったので、しばらく唖然としてしまって状況が理解できなかったが、宿代を割り引いてもらう代わりに手伝ったりしているのだろう。
登りがきつくなってアイゼンをつけたが、トレースもあり、雪も踏み固められているのでそれほど歩きづらいわけではない。と思っていたのも夜明峠までだった。
峠を一歩過ぎたとたんにトレースが不明瞭になった。トレースを何とか見つけても、靴は雪の中にすっかり埋まってしまう。
この傾向はどんどん強まって、鎖の巻き道(鎖と岩肌はは完全に雪に埋まっているので冬は通行しないものらしい)では桟道は完全に雪に埋まってしまっているし、小さい沢のようになっている場所では、腰まで雪に埋まってしまう。
三ノ鎖の巻き道では、真剣に撤退を考えた(こんなに真剣に撤退を悩んだのは初めて)が、「下山時間があるまでは登ってみよう」と判断して登り続けた。
今から思うと、この腰まで雪に埋まった状態を写真に撮っておきたかったが、その時点では技術的にも精神的にも全く余裕がなかった。
結局、危険な場所は三ノ鎖が最後だったので、十分な余裕をもって登頂!なんとこの日の登頂者は私たちだけだった。
難所は下山時も難所だったけど、それ以外のところでは軽快に下山。石槌成就付近では、夏山登山のような格好をした夫婦を見かけたが、賢明にも登山は諦めたようだった。
宿でデポした荷物を拾ってから、ロープウェイ乗り場まで歩いて登山完了!
石鎚山はとても大変だったけど、今までで一番印象深かった山となった...
【道後温泉】
道後温泉本館で入浴。個室休憩所を借りてお風呂に入りに行くという珍しい形態。個室のお客などしか入れない「霊の湯」に入るが、結局安い「神の湯」の方にも入ってしまった。最近のいろいろと工夫されているお風呂とは違って、あくまでもゆっくり入るお風呂。
漱石の部屋と皇族用の浴室を見学した後、部屋でラムネなどを飲んで休憩。漱石が何をここで思ったのかは分からないけど、温泉の楽しみ方の一つを教えてもらったのかも知れない...
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