ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 1923607
全員に公開
ハイキング
ヨーロッパ

ギリシャ・オリンポス山、2ピーク(ミティカス・スコーリオ)

2019年06月30日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
08:24
距離
22.7km
登り
2,097m
下り
2,050m
歩くペース
とても速い
0.50.6
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
7:46
休憩
0:38
合計
8:24
距離 22.7km 登り 1,930m 下り 1,926m
1:45
106
Prionia
3:31
98
Spilios Agapitos Refuge
5:09
5:11
44
Skala
5:55
6:24
35
Mytikas Peak
6:59
31
Skala
7:30
7:37
65
Skolio Peak
8:42
87
Spilios Agapitos Refuge
10:09
Prionia
この山行の前日に、オリンポスマラソン(43km 獲得標高差3200m)に参加したのですが、オリンポスマラソンのコースは、オリンポス山の2つのピーク、ミティカスピーク(Mytikas Peak 2917m)、スコリオピーク(Skolio Peak 2912m)のどちらにも登らず、脇を通っていくことを直前に知りました。登頂するにはかなりのクライミングテクニックが必要と言われるミティカスピークに行かないのは非常に残念に思いました。

「レース中に行けないなら、レースの後に自分で行こう。」
と、リトホロ滞在後、遺跡めぐりのためにテッサロニキに1泊する予定だったのを止めて、リトホロ滞在を1日延ばしました。

前日のマラソンでかなり疲弊していたものの、ここでミティカスピーク登頂を諦めてはなるものかと思い、ヨーロッパのハイカーなら誰でも知っている、「アルニカジェル」という塗り薬を足全体に塗りまくって「超回復」させました。本当にこのジェルはよく効きます。マラソン前に2時間半しか睡眠を取っていないのに、その翌日も5時間半の睡眠。。

早朝と夕刻に1本ずつしかないリトホロ発、プリオニア(オリンポス山の登山口がある)着のバスに乗り込みました。客は僕を合わせて4名きり。。このバスは夏季の週末しか運行されないのですが、さすがにこれじゃあ採算合わんだろう。。。

プリオニアにバスが着くと、近くの茶店でペットボトルの水を買って、それを片手にオリンポス山山頂に向かうメインの登山道E4に入りました。ピークに登る人は、このプリオニアを朝出発し、かなり上方の避難小屋に1泊した後、翌朝にピークを目指すというのが一般的なのですが、もちろん僕には1泊山の上で宿泊するような時間はありません。日帰り弾丸登山です。

早朝で山道にはほとんど人が歩いていません。時たま上の避難小屋から下りてくる人たちとすれ違うくらいです。マラソンの行われた昨日は快晴で暑かったのですが、今日は曇りで、気温は高くありません。

とにかく一切休みを取らずひたすら上に向かって登っていきました。大体3時間強で、距離10キロ高低差1700mのところにある山頂直下の丘スカラ(Skala)に到着。ここからミティカスピークは右側、スコリオピークは左側と進むのですが、僕はもちろん右側へ・・。

ミティカスピークへの道は、いきなり斜度60度くらいの岩ゴツゴツの絶壁を10メートル「下る」ことになります。いきなり難易度が上がって「うわ〜。。。」と思いましたが、もう進むしかありません。逆にこの高低差10メートルの部分で怖くて仕方がない人は、先に進んではいけません。このような絶壁の連続なのです。。。

50メートルくらい岩肌を3点支持で下りきってやっと、登り返しになります。下りが怖いのは分かりきっているので、少しほっとしました。でも登るにしても難しい。黄色と赤色の印がペンキで塗ってあって、そこに足をかけて登れと親切なマーキングがあるのですが、皆がそこに足を乗せるので石が滑りやすくなっていて怖いので、そのマーキングされた岩はあえて避けて登る(!?)という技術が要ります。

斜度45〜60度の岩の登りを、高低差100メートル登ります。途中でツアー登山のグループとすれ違ったのですが、どうみてもこのミティカスピークに行けそうなクライミング技術を持っているとは思えない、熟年主婦さんグループで、あまりにモタモタされたのでイライラしました。日本でもこういう初心者の客がツアー登山に参加して、ガイドを大いに困らせているんだろうなあ。。

40分くらいでピークに登頂!眼下を見下ろすと四方が絶壁で、もし強風に飛ばされたら一巻の終わりです。雲がかぶっていて、向かいの山さえ見えません。。それでも雲が切れた瞬間を狙って、ひたすら写真を撮りました。

20分くらい雲が晴れるのを待っていたのですが、いつまでたっても被ったままなので、下山開始。最初のいきなりの下りで恐怖心を乗り越えたせいか、下山時はそれほど恐怖は感じず、すたすたと下りました。登りのときにすれちがった例のツアー登山グループが、途中アンザイレンしたまま停滞していました。。あんな人らとアンザイレンしたら怖いわ。。一緒に道連れにされて滑落しそう。。

このグループの付き添いのガイドに頼んで先に行かせてもらい、後はスタスタと進んで、登山口に戻りました。

ミティカスピークを制覇したので、今度は簡単な誰でも登れるスコリオピークへ。ここも決して平坦ではなく登りですが、特にテクニカルな道でもなく、走って登りました。上ではギリシャ人の熟年グループがいてウルサイ。。景色は相変わらず雲にほとんど隠れたきりなので、早々にスコリオピークを離れ下山開始しました。

さっきゆで卵を食べたのですが、これがお腹にはよくなかったらしく便意を催しましたが、なんせトイレはひとつも無いし、用を足した後に使った紙を入れる袋も持ってこなかったので、なんとか我慢して、ひたすら山を下りました。

復路のバスの出発時刻にはかなり余裕があったので、あえてマラソン中のような高速ダウンヒルは行わずに、ゆっくりと歩いて下山しました。ここで怪我をしてはいけないし・・・。

結局全行程8時間半かけて終了。ゆっくりペースですが(でも一般と比べると超速い)楽しくピークハントできました。
天候 曇り時々晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
リトホロ(Litochoro) - プリオニア(Prionia) 間、夏季週末限定路線バス。
コース状況/
危険箇所等
プリオニアを起点として、しばらくは木の葉が落ちる土の路面。上方に登るに従って、小石混じりの砂地となる。
その他周辺情報 登山の基点はリトホロの町。空港があるテッサロニキ(Thessaloniki)からは車で1時間程度。町にはホテルや貸しアパート、商店、レストランが揃っており、滞在には不自由しない。登山口のプリオニアはレストラン1軒と駐車場、公衆トイレのみ。
登山口のプリオニア(標高1100m)からしばらくは、このような整備された登山道が続きます。
2019年06月30日 07:59撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 7:59
登山口のプリオニア(標高1100m)からしばらくは、このような整備された登山道が続きます。
標高1700mあたり。路面がかなり硬くなってきます。
2019年06月30日 08:52撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 8:52
標高1700mあたり。路面がかなり硬くなってきます。
わりあいスタスタと歩けます。
2019年06月30日 09:02撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 9:02
わりあいスタスタと歩けます。
道の勾配が若干大きくなります。避難小屋Spilios Agapitos Refuge(標高2060m)まではあと少し。
2019年06月30日 09:32撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 9:32
道の勾配が若干大きくなります。避難小屋Spilios Agapitos Refuge(標高2060m)まではあと少し。
標高2400mあたり。かなりテクニカルな路面になります。
2019年06月30日 10:01撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 10:01
標高2400mあたり。かなりテクニカルな路面になります。
標高2600mあたり。ミティカスピークとスコーリオピークの分岐点スカラ(Skara 標高2866m) までは一直線の滑りやすい砂礫の道を登ります。
2019年06月30日 10:23撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 10:23
標高2600mあたり。ミティカスピークとスコーリオピークの分岐点スカラ(Skara 標高2866m) までは一直線の滑りやすい砂礫の道を登ります。
スカラからは、すぐにミティカスピークへのアクセス路を見つけることができます。まずは60m程度を下ります。
2019年06月30日 11:08撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 11:08
スカラからは、すぐにミティカスピークへのアクセス路を見つけることができます。まずは60m程度を下ります。
黄色と赤色のマーキングに沿って進みます。
2019年06月30日 11:15撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 11:15
黄色と赤色のマーキングに沿って進みます。
絶景ですが、危険な岩登りなので、景色を堪能する余裕はありません。ミティカスピーク(Mytikas Peak 標高2917m)はスカラからゆっくり慎重に登って、片道40分程度。
2019年06月30日 11:55撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 11:55
絶景ですが、危険な岩登りなので、景色を堪能する余裕はありません。ミティカスピーク(Mytikas Peak 標高2917m)はスカラからゆっくり慎重に登って、片道40分程度。
ミティカスピークは、ゴツゴツした大きな岩がいっぱい転がっています。
2019年06月30日 12:08撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 12:08
ミティカスピークは、ゴツゴツした大きな岩がいっぱい転がっています。
ミティカスピークから、隣のピークステファニ(Stefani 標高2908m)を見ます。あちらにも人が登っているのが見えます。
2019年06月30日 12:14撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 12:14
ミティカスピークから、隣のピークステファニ(Stefani 標高2908m)を見ます。あちらにも人が登っているのが見えます。
ツアー登山の人たち。スキル不足明白で、ほとんど停滞している状態。
2019年06月30日 12:45撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 12:45
ツアー登山の人たち。スキル不足明白で、ほとんど停滞している状態。
ミティカスピークからスカラに戻り、続いて反対側のスコーリオピーク(Skolio Peak 2904m)を目指します。
2019年06月30日 13:10撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 13:10
ミティカスピークからスカラに戻り、続いて反対側のスコーリオピーク(Skolio Peak 2904m)を目指します。
スカラまで登ってきたなら、スコーリオピークまでは楽な道です。
2019年06月30日 13:12撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 13:12
スカラまで登ってきたなら、スコーリオピークまでは楽な道です。
スコーリオピークまで最後は少し急な坂を登りますが、難しくはありません。
2019年06月30日 13:25撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 13:25
スコーリオピークまで最後は少し急な坂を登りますが、難しくはありません。
スコーリオピークからは、広大な風景を堪能できます。
2019年06月30日 13:41撮影 by  BLN-L21, HUAWEI
6/30 13:41
スコーリオピークからは、広大な風景を堪能できます。
撮影機器:

装備

MYアイテム
travelphoto
重量:-kg
個人装備
Tシャツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 サブザック 行動食 飲料 地図(地形図) GPS ファーストエイドキット 携帯 時計 サングラス カメラ

感想

本来は途中の避難小屋に泊まって1泊2日で行くところです。そのほうがオリンポス山の風景を思い切り堪能できます。できるならスカラから東のほうに足を延ばしてRefuge Petrostrouga避難小屋 (40°06'34.0"N 22°24'47.4"E) まで歩いていかれると、半月の形をしたステファニの雄大な景色を見ることができます。
スコーリオピークは普通に誰でも行けるピークですが、ミティカスピークは危険ですので、クライミング経験者以外の方にはおすすめできません。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1307人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら